パフアダー – Wikipedia

パフアダー(英: Puff adder、学名:Bitis arietans)は、クサリヘビ科アフリカアダー属に分類されるヘビ。特定動物。パファダーとも。

サブサハラアフリカのほぼ全域(サハラ砂漠、西アフリカの海岸沿い、コンゴ民主共和国の熱帯雨林地域を除く)に生息し、アフリカで最も一般的な毒蛇とされる。サウジアラビア南西部やイエメンなど、アラビア半島南部にも生息する[1]

平均全長約1m、最大全長190cm。体形は非常に太短い。体色は褐色で、背面にはアルファベットの「V」字状の黒い斑紋が並ぶ。動作は鈍いが攻撃する際は俊敏に動く。

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毒性は出血毒および細胞毒。毒の量が多く、また毒牙も大きいため、咬まれると人間にとっても致命的。また毒が細胞の壊死を引き起こすため、助かっても後遺症が残る場合が多く、手足の切断に至るケースも少なくない。

草原、森林、岩石地帯などの様々な環境に生息する。夜行性。危険を感じると体を膨らませ噴気音をあげ威嚇する。噴気音をあげることは多くのヘビで見られる行動だが、この行動が puff (息を吐く) adder (クサリヘビ)という名称の由来とされる。

食性は動物食で、哺乳類、鳥、カエル、イモリ、トカゲなどを食べる。

獲物を捕らえるために動き回ることは滅多に無く、完全な待ち伏せ型の捕食者。また、尻尾の先を動かして獲物を誘うルアーリングを行うことが知られていたが、近年では舌も同様に動かしてカエルを捕らえる行動が確認されている。

繁殖形態は卵胎生で、1回に20 – 40頭の幼蛇を産む。最大で156頭の幼蛇を産んだ記録がある。又、親は、子が育つまで行動を共にする。

人間との関係[編集]

上記の通り、噛まれた場合人間でも命に関わることがある。攻撃的であり、分布域が広い上に人間の生活圏にも侵入するため、アフリカ大陸で最も死者を出している毒蛇とされる[2]

参考文献[編集]

  • 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社、1984年、146頁。
  • 『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、134頁。
  • 山田和久『爬虫・両生類ビジュアルガイド ヘビ』、誠文堂新光社、2005年、108頁。

関連項目[編集]