パワーテックテクノロジー秋田 – Wikipedia

パワーテックテクノロジー秋田株式会社
Powertech Technology Akita Inc.
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
010-1222
秋田県秋田市雄和石田字山田89‐2
設立 2006年10月
業種 電気機器
法人番号 6410001003649
事業内容 半導体先端・特殊パッケージの設計・開発、製造、販売
半導体製品製造の後工程サービスにおいて、世界をリードするパワーテックテクノロジーグループの一員として、主に日本市場のお客様をターゲットとして事業を展開
代表者 代表取締役 加賀谷 晋司
資本金 4億9500万円
売上高 54億3000万円(2018年度)
従業員数 308名(2020年1月1日時点)
主要株主 パワーテックテクノロジー(力成科技)
外部リンク http://www.pti-akita.com/ptiweb/
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パワーテックテクノロジー秋田(パワーテックテクノロジーあきた)は半導体集積回路製品においてDRAMを中心とした先端・特殊パッケージの設計・製造等の事業を行う力成科技傘下の企業である。

パワーテックテクノロジー秋田は、2006年7月21日にエルピーダメモリの出資で秋田エルピーダメモリとして設立され、日立グループのアキタ電子システムズとその生産子会社であったアキタセミコンダクタの後工程事業を2006年10月1日に譲り受けた[R 1]
操業開始時の従業員の殆どはアキタセミコンダクタの従業員の大部分とアキタ電子システムズの従業員の一部が転籍した者である。
また、親会社であるエルピーダメモリの『東北デザインセンター』が敷地内に併設されて、先端DRAM製品の設計を中心に業務が行われていた。
エルピーダメモリグループ内において後工程に占める秋田エルピーダメモリの生産割合は1割以下であった[R 2][R 3]が、パッケージの積層化や薄型化において他社を牽引してきた[R 4][R 5]

なお、2007年5月8日には親会社であるエルピーダメモリの代表取締役の坂本幸雄が出張してきた際に時間の合間を縫って趣味の山菜取りをする様子が『プロフェッショナル 仕事の流儀』で放送されている[R 6]

2012年2月27日には、親会社のエルピーダメモリの東京地方裁判所への会社更生法の適用申請に伴って売掛金の回収が困難となったために、秋田エルピーダメモリも同様に申請して経営破綻へと至った[R 7][R 8]
その経営破綻と翌2013年7月31日におけるマイクロン·テクノロジによる買収に伴って、同社は2014年2月28日付でマイクロン秋田に改称した[R 9]

更にその後の2016年に、マイクロン·テクノロジは、OSAT(半導体集積回路パッケージの組立と検査の受託)分野において一貫したサービス提供への需要に起因する世界的な事業者統合が進展する一方で、日本における半導体の市場規模の縮小が進む状況を鑑みて、世界的な経営資源の再配置の一環としての後工程の最適化及び日本における経営資源の再編成を理由に、DRAMの検査工程の内製化とマイクロン秋田の売却を決定した[R 10]
台湾に拠点を置く力成科技中国語版英語版が、その応札への打診を承けて、マイクロン秋田の全ての株式の売買への合意を、2017年4月17日に発表している[R 11]
力成科技によるマイクロン秋田の株式の取得手続きは、6月下旬か7月初めまでには完了する見込みである[R 12]

アキタセミコンダクタから譲渡された工場は、DRAM等の高度な半導体製品の試作および量産用の拠点として位置付けられており、現在まで操業されている。2020年10月末を持って事業終了。

  • 1969年4月1日 ‐ 日立製作所系列の会社としてアキタ電子(後のアキタ電子システムズ)が設立される。
  • 2002年 大規模再編で生産部門をアキタセミコンダクタとして子会社化し[R 13]、アキタ電子システムズ自身はファブレス企業となる。
  • 2006年7月21日 ‐ 秋田エルピーダメモリが(この時点では事務方のみ)設立され、渡辺敬行が代表取締役に就任する。
  • 2006年10月1日 ‐ アキタセミコンダクタとアキタ電子システムズのLSIの後工程事業が、秋田エルピーダメモリに譲渡される[R 1]
  • 2009年11月14日 ‐ 大塚周一が代表取締役に就任する。
  • 2011年3月11日 ‐ 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による停電で生産停止に見舞われるも、僅か5日で操業を再開する[R 2]
  • 2011年4月7日 ‐ 東北地方太平洋沖地震と同程度の震度の地震で停電するも、翌日中に電力が復旧する[R 3]
  • 2011年4月11日 ‐ 五味秀樹が代表取締役に就任する。
  • 2012年2月27日 ‐ 親会社のエルピーダメモリと共に東京地方裁判所に会社更生法適用を申請する[R 7][R 8]
  • 2013年7月31日 ‐ マイクロン·テクノロジの傘下となる。
  • 2014年2月28日 ‐ マイクロン秋田に改称する。
  • 2017年4月17日 ‐ 力成科技(台湾)がマイクロン·テクノロジよりマイクロン秋田を買収。
  • 2017年8月10日 ‐ パワーテックテクノロジー秋田に改称する。
  1. ^ a b “後工程を担う新会社、秋田エルピーダメモリ(株)の設立およびアキタ電子、アキタセミコンダクタからの事業譲り受けについて” (プレスリリース), エルピーダメモリ, (2006年8月2日), オリジナルの2010年8月12日時点におけるアーカイブ。, http://www.ts-graphix.com/mobile/ja/news/2006/08-02akita.html 
  2. ^ a b “秋田エルピーダの操業を再開” (PDF) (プレスリリース), エルピーダメモリ, (2011年3月16日), http://files.shareholder.com/downloads/ABEA-45YXOQ/4332358827x0x677971/6F122CFD-8544-43C4-A35C-9DA350E966AA/2011-03-16j.pdf 
  3. ^ a b “秋田エルピーダの操業再開について” (PDF) (プレスリリース), エルピーダメモリ, (2011年4月8日), http://files.shareholder.com/downloads/ABEA-45YXOQ/0x0x677967/dbed10e5-afb0-40f9-a5f5-c31b3fa6ee7f/2011-04-08aj.pdf 
  4. ^ “秋田エルピーダメモリ 世界最薄1.4mm、20段チップ積層パッケージ開発に成功” (PDF) (プレスリリース), エルピーダメモリ, (2007年4月23日), オリジナルの2008年10月12日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20081012075208/http://www.elpida.com/pdfs/pr/2007-04-23j.pdf 
  5. ^ “世界最薄DRAM開発、エルピーダメモリ 本県で生産、出荷へ”. さきがけonTheWeb (秋田魁新報社). (2011年6月23日). オリジナルの2011年7月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110723040425/http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20110623l 
  6. ^ “勝負の決断はこうして下せ 経営者·坂本幸雄”. プロフェッショナル 仕事の流儀. Episode 50. NHK. 2010年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  7. ^ a b “2012.2.28 会社更生手続き開始の申立てに関するお知らせ” (プレスリリース), 秋田エルピーダメモリ, (2012年2月27日), オリジナルの2012年3月2日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20120302133226/http://www.a-elpida.com/ja/eventa/item.cgi?pro&51 
  8. ^ a b “当社子会社の会社更生手続開始の申立て及び債権の回収不能に関するお知らせ” (PDF) (プレスリリース), エルピーダメモリ, (2012年2月27日), オリジナルの2012年3月23日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20120323235901/http://www.elpida.com/pdfs/pr/2012-02-27aj.pdf 
  9. ^ “社名変更のお知らせ” (PDF) (プレスリリース), 秋田エルピーダメモリ, (2014年1月23日), http://files.shareholder.com/downloads/ABEA-45YXOQ/3126955433x0x731745/c5833152-4dfc-48c6-a83a-380ba66c1553/2014-01-23j-ak.pdf 
  10. ^ 公開買付開始公告”. 力成科技日本. 2017年4月17日閲覧。
  11. ^ “POWERTECH TECHNOLOGY ANNOUNCES TO LAUNCH PUBLIC TENDER OFFER BID FOR TERA PROBE INC AND TO ACQUIRE MICRON AKITA INC” ((英語)) (PDF) (プレスリリース), 力成科技, (2017年4月17日), http://www.pti.com.tw/ptiweb/Pressrelease/PTI%20Tera%20Probe%20Apr%2014%202017%20Press%20Release.pdf 
  12. ^ “力成、米マイクロンの日本子会社など買収”. NNA ASIA (共同通信). (2017年6月17日). https://www.nna.jp/news/show/1597036 
  13. ^ “会社概要” (プレスリリース), アキタ電子システムズ, (2013年4月20日), オリジナルの2013年4月20日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20130420153333/http://www.akita-elec.co.jp/corporate/cop-profile.html 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]