カケス – Wikipedia

カケス(橿鳥、懸巣、鵥、Garrulus glandarius)は、鳥綱スズメ目カラス科カケス属に分類される鳥。

アフリカ大陸北部、ユーラシア大陸の中部から南部にかけて分布。日本では九州以北で繁殖する留鳥で、北部に生息するものは冬季に南に移動する。年により移動する個体数には変動があり、これは餌とする木の実の量に依存するものと考えられる(量が少ないときには、餌を求めて移動する)。

全長33cm。成鳥は額から頭のてっぺんまでが白と黒のまだら模様で喉、腹は白色、目の周りや尾羽は黒く後頭部、背面、胸部等は葡萄褐色。羽の色が美しく特に基部は黒、白、青がだんだら模様を作っている。くちばしは鉛色で先が黒い。雌雄同色である。

日本においては全国の平地、山地の森林に生息する。繁殖期は縄張りを形成する。

食性は雑食で昆虫類が主食だが果実、種子等も食べる。他の小鳥のひなを食べることもある。また信州・美濃地方では「カシドリ」の異名もありカシ、ナラ、クリの実を地面や樹皮の間等の一定の場所に蓄える習性がある。冬は木の実が主食となり、蓄えたそれらの実を食べて冬を越す。

繁殖形態は卵生。マツ、スギなどの樹の上3-10mのところに木の枝を使って皿状の巣を作る。1腹5-6個の卵を産む。抱卵期間は16-17日で、雌雄協同で抱卵する。雛は17-20日で巣立ちする。

「ジェー、ジェー」としわがれた声で鳴く。英語名の『Jay』はこの鳴き声に由来する。また他の鳥の鳴き声や物音を真似するのが巧く、林業のチェーンソーや枝打ち、木を倒す時の作業音を「ジェージェー」の間奏を入れつつ再現することもある。飼い鳥として人に慣れたものは人語の真似までする。

Garrulus glandarius の卵

約30亜種に分類される。

  • Garrulus glandarius brandtii ミヤマカケス
  • Garrulus glandarius japonicus カケス

など。

1998年(平成10年)2月23日発売され、2014年(平成26年)3月31日まで販売された160円普通切手の意匠になった[1]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • BirdLife International 2004. Garrulus glandarius. In: IUCN 2006. 2006 IUCN Red List of Threatened Species.