東山トンネル(ひがしやまトンネル)は、愛知県の名古屋市千種区鏡池通と名古屋市名東区藤巻町の間にある名古屋高速2号東山線の道路トンネルである。 なお、東山トンネルと一体で建設された四谷出入口 – 高針JCT間の道路法定上の名称は名古屋市道高速1号四谷高針線(なごやしどうこうそくいちごうよつやたかばりせん)である。 東山トンネルは、名古屋市東部地域と名古屋市都心部を連結する名古屋高速2号東山線の一部分を形成している。名古屋市の千種区と天白区、名東区にまたがる市内東部のトンネルで、2号東山線の東側に位置する。 起点の千種区鏡池通4丁目は、名古屋市道鏡ヶ池線と接続し、同線の半地下道路と連結している。一方、終点の名東区藤巻町は高架道路と接続しており、上り線(西行き)は高針集約料金所をトンネル坑口前に配置している。 2号東山線は当初計画案では若宮大通から広小路通へバイパスのうえ高架構造で東名高速道路名古屋IC直結で計画されていたものを、沿線住民の環境面における反対運動によって高針JCT直結ルートに変更された[7]。この変更過程で通過ルートとして選定されたのが東山公園である。東山公園一帯は人口密集地帯の名古屋市において数少なくなった自然林であり、住居が点在する緑多き丘陵地帯でもある[7]。この地に高速道路を建設することから自然保護、生態系保全、景観保全、騒音や排気ガス等の自動車公害を極力抑えるためにトンネル構造を採用した。また、名古屋高速における唯一のトンネルであり、都心環状線側は半地下区間と接続しているため、両区間を合わせると5.5kmに渡って地下道路が形成されている。トンネル区間はこの内の東行き3,560m、西行き3,190mとなっており[注釈 1]、上下線分離構造の双設トンネルとなっている。 トンネル構造と建設工事[編集] トンネル区間西側ほぼ住宅街の下を通過する。 トンネル区間東側概ね東山公園区域内を通過するが、新池坑口にほど近い森林には民家が点在し、なおかつ低土被り区域である。 トンネル区間の内、千種丘陵と呼称される山岳地帯については山岳トンネル構造を採用し、名古屋市道鏡ヶ池線から山岳部への移行区間については開削トンネル構造を採用している。また、接続する吹上側の市道直下の区間は半地下式を採用しているが、これは車両火災の緊急時において、天井に開口部のある半地下式の方が排煙など安全面で有利との判断によっている。 都市トンネルであることから、渋滞時の排気ガス対策や火災時の影響などを考慮して横流換気方式を採用している。このため、トンネル幅は13 – 14m、高さは10 – 12mとして、これは全国的にも施行例が少ない大断面仕様となった。これを東行き、西行きそれぞれで設けた。 採掘場所の東山丘陵地域は軟質な未固結の砂質土、粘性土で構成され、土被りが5 – 50mと浅く、なおかつ低土区間に民家が点在するなど厳しい条件が揃っていた。この条件下で、経済面と突き合わせた最適な工法として山岳工法(NATM工法)を採用した。別に2点の工法も検討し、うち1つが実績豊富なシールド工法であった。シールド工法は工費は高いが工期は短く、地表沈下に与える影響も少ない。しかし、シールド工法で安全とされる土被りの量は1.0D(D=トンネル外径)とされ、新池坑口にほど近い藤巻町周辺の土被りは0.4D[注釈
Continue reading
Recent Comments