キリスト教青年会 – Wikipedia

キリスト教青年会(キリストきょうせいねんかい、Young Men’s Christian Association)、通称YMCAは、キリスト教主義に立ち、教育・スポーツ・福祉・文化などの分野で様々な事業を展開する、150年以上の歴史を持つ世界的な組織である。世界的にはYMCAが通用名である。活動理念の根幹にキリスト教精神を据えているが、ボランティアおよびプログラムの参加者の信仰を規定してはいない。

日本では、1880年(明治13年)に初めて東京にYMCAが設立されて以来(東京YMCA)、全国の主要な都市・大学にYMCAの活動拠点がある。

1844年6月6日に、ジョージ・ウィリアムズら教派を異にする12名のキリスト教青年によって、イギリス・ロンドンで、キリスト者に限らず青年層に対する啓蒙および生活改善事業のための奉仕組織として創立された。

その後、活動の輪はヨーロッパおよびアメリカの各地へ広がり、1848年から1852年にかけて、エルベルフェルト(ドイツ)、モントリオール、ボストン、アムステルダム、パリ、ニューヨーク、ワシントン、ジュネーブに相次いでYMCAが創立された。

ジュネーブYMCAを創立し、後に赤十字社を創設することになるアンリ・デュナンが中心となり、1855年には、パリで初めての世界YMCA大会が開かれ、世界YMCA同盟が結成され「パリ基準」が採択された。同盟の本部はジュネーブに置かれている。日本では、1880年(明治13年)に最初のYMCAが東京に設立された(東京YMCA発足)。

ボランティア活動やキャンプなどのアウトドア活動、生涯教育、体育教育などの草分け的存在であり、とりわけバレーボール考案者であるウィリアム・G・モーガンと、バスケットボール考案者であるジェームズ・ネイスミスがいずれもYMCAの体育教師であったことは有名である。また、日本でも、初めて体育館と室内プールを開設したのはYMCAであり、英語教育においてもパイオニア的な役割を果たした。

現在、120以上の国で活動しており、各地のYMCAは本部・支部の関係ではなく、独立した組織であり、それらが国内同盟、世界同盟に加盟する組織形態を持つ。

日本には、公益財団法人日本YMCA同盟のほか、それに加盟する形で東京YMCAなど全国の主要都市にYMCAが置かれている。また、旧・帝大をはじめとする大学では学生YMCAが活動している。2014年(平成26年)6月時点で日本YMCA同盟には、全国35都市にある「都市YMCA」および、37の大学・高校にある「学生YMCA」が加盟している[1]

歴史[編集]

1880年(明治13年)5月8日、青年牧師有志により日本で最初のYMCAとして東京YMCAが発足した[2][3]。その際、初代会長に就任した小崎弘道が、Young Menに「青年」の訳を充てYoung Men’s Christian Associationを「基督教青年会」と訳出した。これが「青年」という語の発祥とされる。

沿革[編集]

第二次世界大戦終結。元・名誉主事がGHQ顧問として来日。北米YMCA同盟、世界YMCA同盟との関係修復。
宗教団体法の廃止(1945年12月28日廃止)に伴い、日本基督教団からYMCAが独立。
  • 1957年(昭和32年)- 東京YMCA女性会員に会員総会構成員としての資格、常議員の選挙権および被選挙権を付与。
  • 1961年(昭和36年)- 全国共同募金開始。日韓学生YMCAの正式交流が始まる。
  • 1977年(昭和52年)- 第1回日本YMCA大会開催。「日本YMCA綱領」制定。
  • 1979年(昭和54年)- 第1回世界YMCA大都市会議、東京で開催。
  • 1980年(昭和55年)- 中国YMCAとの交流再開。
  • 1981年(昭和56年)- 日米YMCA二国間連絡協議会はじまる。
  • 1988年(昭和63年)- 学生YMCA結成100周年記念集会。
  • 1989年(平成元年)- 日台YMCA連絡委員会はじまる。
  • 2002年(平成14年)- 大阪YMCAが単位制・通信制高校を開校。
  • 2003年(平成15年)- 港青基信書院を開校。
  • 2006年(平成18年)- 文部科学省より特定公益増進法人認定。
  • 2012年(平成24年)- 文部科学省より公益財団法人認定。
  • 2015年(平成27年)- 東山荘開設100周年を迎える。

YMCA寮[編集]

下記の大学では、学生YMCAによる自治寮が設置されている。

参考文献[編集]

  • Huebner, Stefan (2016), Pan-Asian Sports and the Emergence of Modern Asia, 1913-1974, Singapore: NUS Press,

    ISBN 978-981-4722-03-2, http://nuspress.nus.edu.sg/collections/rest-of-asia-regional/products/pan-asian-sport-and-the-emergence-of-modern-asia-1913-1974?variant=925661658 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]