上郡駅 – Wikipedia

智頭急行ホーム出入口

上郡駅(かみごおりえき)は、兵庫県赤穂郡上郡町大持にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・智頭急行の駅である[1]

JR西日本の山陽本線と、智頭急行の智頭線が接続する駅であり、後者は当駅が起点である[1]。当駅を経由して鳥取方面へ向かう特急列車は智頭線に入るため乗務員交代が行われる。

山陽本線では兵庫県で最西端にあり、岡山県との県境にほど近い位置にある[1]。神戸・大阪方面とを結ぶ新快速・普通列車(西明石駅から快速)の運行は当駅までであり[1]、アーバンネットワークの路線図には当駅までしか描かれていない。近畿統括本部(神戸支社)が管轄する最西の駅であり[注釈 1]、境界標は船坂トンネルの神戸側の出入口付近に設置されている。

JRの駅は直営駅であり[1]、相生駅の管理下に置かれているが、地区駅として駅長が配置されている。ICOCAはJRのみ使用可能[1][注釈 2]。ICOCAのチャージで智頭急行に乗ることはできないが、2020年4月1日よりクレジットカードや交通系電子マネーの決済による乗車券購入を開始した。

終戦直後には当駅発の定期長距離列車が存在していた。宮脇俊三の『時刻表昭和史』によると昭和20年9月号には当駅始発・青森行きの普通「507列車」の設定がされており、当駅を6時59分に出発して終着の青森駅には翌日の17時06分の到着(所要時間は34時間7分)であった。この列車は1950年(昭和25年)の急行「日本海」の列車番号に引き継がれた。

なお、隣の三石駅との駅間距離12.8kmは山陽本線の駅間距離で最長である。

地平駅舎の有人駅[1]。みどりの券売機プラス[3]及び自動券売機、自動改札機が設置されている。智頭急行駅舎内の中間改札にも簡易型自動改札機が設置されている。長年ICOCA等のカードは利用できなかったが、2014年よりICOCAが利用できる飲料の自動販売機が設置され、2018年9月15日から鉄道の利用にも「ICOCA」が、200km以内のICOCAに対応している駅との間で、使用できるようになった。[9]バリアフリー化工事の完成により、新しい跨線橋の運用を開始し、合わせてエレベーター[1]の利用も始まっている。改札外に飲料の自動販売機があり、2番のりば・3番のりばホームには待合室[10]と飲料の自動販売機がある。智頭急行線改札内にも飲料の自動販売機がある。また、トイレは、1番のりばホーム及び改札外に多機能トイレが設置されている。売店は改札外にあったが閉店した[11]。智頭急行線駅舎内(改札外)には水洗式トイレがある。

のりば[編集]

12両対応の島式2面4線のホームを持つ。1番線が上り本線、2番のりばが中線、3番のりばが下り本線という構成[12]。山陽本線の貨物列車は、上りは1番のりば、下りは3番のりばを通過する。なお、2番のりばは当駅で折り返しとなる新快速・普通列車と当駅でスイッチバックを行う特急「スーパーいなば」が使用する。智頭急行線の普通列車は智頭急行のホームを使用する[1]。智頭急行線ホームは2・3番のりばホームの西側の切り欠き部にあり[1]、智頭急行駅舎・中間改札で仕切られている。智頭急行線には独自の跨線橋がJR上郡駅舎の岡山寄りにありJR改札を通らずに利用できる[1][10]

本項ではJR西日本公式サイトの全域路線図[13]の表記に従い、岡山方面を黄緑色のSで表記しているが、2016年3月および2017年3月ダイヤ改正の時点の実際の旅客案内では運賃表[注釈 3]を除いて、アルファベットなしの緑([注釈 4]で表記されていた。

原則として岡山・鳥取方面からの相生・姫路方面行きは1番のりば、姫路駅・相生駅 – 当駅間の区間系統の折り返しは2番のりばを使用するが、毎日7時台の当駅始発大阪・京都方面行き(西明石駅からは快速)は1番のりば、18時台と21時台の岡山方面発姫路行きは2番のりばを使用する。

3番のりばの隣にホームのない下り待避線(4番線)も敷設されていて、貨物列車の待機用などに使われている。その隣には留置線も敷設されていて、夜間滞泊に使われている。

特急「スーパーいなば」は進行方向の都合上、当駅で別列車扱いとなるが、号数の変更はしない。

JR山陽本線[編集]

日中時間帯は下りの岡山方面行き・上りの相生行きが1時間に1本停車する。2021年10月1日までは上りの相生行きが1時間に2本で、そのうち1本は当駅で折り返す列車であった。[14]
朝の当駅始発・深夜の当駅止まりで大阪・京都方面直通の「新快速」・「普通(西明石駅から快速)」が上り4本(その内西明石から京都まで快速として運転される列車は平日1本のみ)、下り3本設定されており、始発は5時台で、最終着は日付を超える。この方面での最長列車は、米原経由近江塩津行きの新快速(土曜・休日朝6時半過ぎ)であるが、当駅始発の編成は、途中米原駅で切り離され、網干駅で連結した編成が終点の駅まで向かう[注釈 5]

智頭急行線[編集]

普通列車は、大原・智頭行きが大半であるが、8時台の1本は、因美線に乗り入れて鳥取行きで運転される。2018年ダイヤ改正後は鳥取発上郡行きの普通列車は1日2本ある。

利用状況[編集]

「兵庫県統計書[15]」によると、2019年(令和元年)度の1日平均乗車人員(JR西日本)は3,001人である。

近年の1日平均乗車人員(JR西日本)は以下の通りである。

JR西日本
年度 1日平均
乗車人員
2000年 3,447
2001年 3,428
2002年 3,340
2003年 3,309
2004年 3,344
2005年 3,331
2006年 3,272
2007年 3,255
2008年 3,180
2009年 2,954
2010年 2,952
2011年 2,954
2012年 3,002
2013年 2,958
2014年 2,949
2015年 3,069
2016年 3,073
2017年 3,112
2018年 3,077
2019年 3,001

近年の1日平均乗降人員(智頭急行)は以下の通りである[16]

年度 1日平均
乗降人数
2011年 170
2012年
2013年 367
2014年
2015年 411
2016年
2017年 498

公共機関[編集]

教育機関[編集]

金融機関[編集]

運輸関係[編集]

その他[編集]

※駅の東側には、有料駐車場(1日単位貸し)が数カ所ある。

  • 上郡ピュアランド山の里
  • 花月旅館

路線バス[編集]

  • ウエスト神姫
  • 上郡町コミュニティバス『愛のり号』[17]
    • まちなか循環ルート(右回り・左回り)(月~土曜日運行)
      • 上郡駅 – 町役場 – 生涯学習支援センター – イオンタウン – 上郡駅)
    • 高田台ルート(月~土曜日運行) 上郡駅 – 髙田台循環 – 上郡駅
    • 国光ルート(火・木・土曜日運行) 上郡駅 – 国光公民館
  • 東備西播定住自立圏『圏域バス』(ウエスト神姫に運行委託)
    • 上郡ルート (日曜及び年末年始運休・1日2往復のみ)
  • 播磨科学公園都市圏域定住自立圏圏域バス「てくてくバス」
  • 事前予約型乗合タクシー『ほほえみタクシー』[19]

※両事業者の路線を直通する特急「スーパーはくと」「スーパーいなば」の隣の停車駅は列車記事を参照。

西日本旅客鉄道
A 山陽本線

新快速(姫路駅まで各駅に停車)

有年駅 – 上郡駅
普通(西明石駅以東は快速)

有年駅 – 上郡駅 – 三石駅 (JR-S11)
智頭急行
智頭線(特急と普通のみ運転)

上郡駅 – (岩木信号場) – 苔縄駅

注釈[編集]

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]