国道4号 – Wikipedia

国道4号 終点ボスト
青森市長島 青森県庁前交差点

国道4号(こくどう4ごう)は、東京都中央区から栃木県宇都宮市、福島県福島市、宮城県仙台市、岩手県盛岡市を経て、青森県青森市に至る一般国道である。

国道4号 起点
東京都中央区日本橋

日本国道路元標があることでも知られる東京都中央区の日本橋を起点に、埼玉県や北関東・東北地方を縦貫する栃木県、福島県、宮城県、岩手県の各県庁所在地[1]を経て、本州最北県である青森県で県庁がある青森市長島2丁目の青い森公園前とを結ぶ、延長約839 kmの一般国道で、主な通過地は、埼玉県草加市、春日部市、幸手市、茨城県古河市、栃木県小山市、宇都宮市、さくら市、矢板市、那須塩原市、福島県白河市、須賀川市、郡山市、二本松市、福島市、宮城県白石市、岩沼市、仙台市、大崎市、栗原市、岩手県一関市、奥州市水沢、北上市、花巻市、盛岡市、二戸市、青森県十和田市、上北郡野辺地町である。2020年3月31日現在、総延長は国道58号に次ぐ第2位、実延長および現道区間の延長が日本一長い国道である[PR 1]

江戸時代の五街道のひとつである日光街道や奥州街道を踏襲する道筋で、高速道路では東北自動車道、鉄道では東北新幹線や東北本線とおおむね並行する経路をとる。埼玉県越谷市から栃木県宇都宮市にかけて、現道の東側で並行するバイパス道路である新4号国道があり、大規模なバイパス整備が進められている。国道の新道が開通すれば、旧道は国道の指定を外されることが多い日本の国道のなかでも、その旧道が国道指定をいまだ解かれていない珍しい路線でもある[3]。かつ当路線は新道・旧道共に国直轄国道であり、非常に珍しい[4]

路線データ[編集]

国道4号は、日光街道・奥州街道(道中奉行管轄)およびその延長区間の白河から函館間(日光街道を除く3街道は1873年、陸羽街道に改称)を継承している。

一級国道の時代で道路が改良される以前までは、「奥の細道」さながらの[要出典]悪路が続いていたという。『空旅・船旅・汽車の旅』〈中公文庫〉に収録された作家阿川弘之著「一級国道をゆく」の記事によれば、1958年(昭和33年)に一級国道4号をトヨペット・クラウンで走行して東京 – 花巻間を旅行したときには、舗装された箇所はごくわずかで泥濘んだ悪路が続き、強行軍で丸2日を要したとされている。その後、昭和時代の後半には急激に道路改良がなされて、バイパスも数多く作られていった[注釈 2]

年表[編集]

  • 1885年(明治18年) – 内務省告示第6号「國道表」では、函館までの道がほぼそのまま国道6号「東京より函館港に達する路線」に指定された(当初、氏家 – 白河間は国道293号・国道294号などの旧陸羽街道経由であった)。正確には、松前道は津軽半島の突端の三厩から北海道の渡島半島へ渡っていたが、国道6号は青森から直接航路で函館に達していたという点が異なる。
  • 1920年(大正9年)施行の旧道路法に基づく路線認定では、国道4号「東京都より北海道庁所在地に達する路線」(現在の国道4号・国道5号)となった。
  • 1952年(昭和27年)12月4日 – 新道路法に基づく路線指定で、旧国道4号のうちの青森市まで(東京都中央区 – 青森県青森市)が一級国道4号となった。
  • 1965年(昭和40年)4月1日 – 道路法改正によって一級・二級の区別がなくなり、一般国道4号となった。
  • 2011年(平成23年)3月11日 – 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)により、福島市伏拝で土砂崩れおよび道路の崩落が発生し現場付近は7日間の通行止めおよび40日間の片側一車対面通行(現場付近は片側二車線で中央分離帯がある)となったほか、栗原市でも崩落が発生した[PR 4][7][8]

旧国道4号[編集]

(※以下は旧国道4号の路線の一部を記載する。)

旧陸羽街道(旧奥州街道)[編集]

路線状況[編集]

都内の区間は、都内で震度6弱以上を観測する地震が発生した場合の緊急自動車専用路および緊急交通路に指定されている[PR 9]

通称[編集]

バイパス[編集]

ここでは、旧道が他の国道・都県道・市町村道等に降格され、現道(本線)となっている路線は「細字」、旧道が現道(本線)のままであり、本来のバイパス機能を持つ路線は「太字」で記述する。

重複区間[編集]

  • 東京都
    • 国道17号(中央区・日本橋(起点) – 中央区日本橋室町・室町3丁目交差点)
    • 国道6号・国道14号(中央区・日本橋(起点) – 中央区日本橋本町・本町3丁目交差点)
  • 埼玉県
    • 国道125号(久喜市・栗橋交差点 – 茨城県古河市・三杉町交差点)
  • 栃木県
    • 国道293号(さくら市氏家・川岸交差点 – さくら市馬場・馬場南交差点)
    • 国道461号(矢板市・中交差点 – 大田原市薄葉)
  • 福島県
    • 国道294号(白河市薄葉・薄葉交差点 – 白河市女石・女石交差点)
    • 国道459号(二本松市羽石・羽石IC – 二本松市冠木・冠木ミニIC)
    • 国道115号(福島市鳥谷野・鳥谷野交差点 – 福島市五十辺・岩谷下交差点)
  • 宮城県
    • 国道6号(岩沼市・藤浪交差点 – 仙台市宮城野区・苦竹IC)
    • 国道47号(仙台市宮城野区・苦竹IC – 大崎市・上古川交差点)
  • 岩手県
    • 国道342号(一関市山目十二神・十二神交差点 – 一関市山目大槻)
    • 国道282号(盛岡市・NHK前交差点 – 滝沢市・分れ南交差点)
    • 国道281号(盛岡市・NHK前交差点 – 岩手郡岩手町・沼宮内北口交差点)
  • 青森県
    • 国道104号(三戸郡三戸町川守田 – 三戸郡南部町・剣吉交差点)
    • 国道454号(三戸郡五戸町扇田 – 三戸郡五戸町中ノ沢)
    • 国道45号(十和田市三本木 – 青森市・青い森公園前(終点))
    • 国道394号(上北郡七戸町影津内 – 上北郡七戸町上町野)

道路施設[編集]

トンネル[編集]

日本一長い国道であるが、トンネルは4か所しかない。国道4号は、各県の県庁所在地[9]など都市部を多くを通り、平地が多く山岳地をあまり通らないことから、起点・日本橋から約590 km離れた岩手県一戸町に位置する小繋トンネルが最初のトンネルとなる。

橋梁[編集]

道の駅[編集]

  • 埼玉県
  • 茨城県
  • 栃木県
  • 福島県
  • 宮城県
  • 岩手県
  • 青森県

盛岡市南仙北二丁目
(2007年1月)

国道4号は、国道1号と並び日本一多くの都道府県をつなぐ国道の一つで、東京都 – 埼玉県 – 茨城県 – 栃木県 – 福島県 – 宮城県 – 岩手県 – 青森県の8都県を通過する。新4号国道が茨城県から栃木県に入った後、もう一度茨城県の結城市をかすめて再び栃木県に入るため、県境を越える数は国道1号よりも多い[注釈 5]

東北自動車道とは滝沢市までの区間にわたってほぼ並走する。また鉄道路線ではほぼ全区間にわたり東北新幹線・東北本線・IGRいわて銀河鉄道線・青い森鉄道線と並走する(なお東京都内の日本橋駅から三越前駅過ぎにかけては東京メトロ銀座線、秋葉原駅から北千住駅付近にかけては東京メトロ日比谷線、東京都足立区から埼玉県久喜市にかけては東武伊勢崎線および東武日光線、青森県上北郡七戸町から野辺地町にかけては旧南部縦貫鉄道線廃線跡と各々並走する。

通過する自治体[編集]

※バイパスのうち越谷市 – 宇都宮市間の新4号国道および埼玉県内の東埼玉道路を除く。それぞれの通過市町村については各記事を参照。また、仙台市太白区 – 青葉区間の、仙台バイパスではない国道4号(旧道)[注釈 4]も同様に当項目から除く。

交差する道路[編集]

主な峠[編集]

  • 国見峠(標高185 m) – 宮城県・福島県県境
  • 十三本木峠(標高459 m) – 岩手県二戸郡一戸町(最高地点)

ギャラリー[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b c d e f 2020年3月31日現在
  2. ^ 阿川が22年後の1980年(昭和55年)に再びほぼ同じコースのドライブ出たときには、東京 – 花巻間を9時間半で辿りついたと伝えている。
  3. ^ 盛岡市高松二丁目(黒石野口)十字路 – 緑が丘一丁目(岩手県営野球場西口)T字路間は日祝を除く毎朝7時 – 9時まで「中央線変移規制」と「バス専用レーン規制」が実施されている(通常時間帯は南北両方向片側2車線だが、規制時間帯は北行き1車線・南行き3車線。バス専用レーン規制区間は高松四丁目Y字路 – 東黒石野十字路間の南行き)。
  4. ^ a b 仙台市都心部を通る国道4号(旧道)は、名取市より仙台市太白区長町副都心、青葉区五橋などを経由し、国道45号と国道48号の起点である勾当台公園前に至るが、勾当台公園前から二日町までの区間は国道48号単独区間へ移管、二日町から泉区将監までの区間は宮城県道22号仙台泉線に降格され、勾当台公園前が終点の盲腸支線となっている。このため、仙台バイパスが国道4号の本線(現道)扱いとなっている。2015年4月1日より名取市のバイパス分岐点から仙台市太白区の八本松一丁目にかけての部分が宮城県道273号仙台名取線へ降格され、旧道はその後、八本松一丁目から勾当台公園前にかけてが国道4号として飛び地のようになっていたが、後の2016年4月1日よりこの区間は国道286号へ変更されたため、国道4号としては仙台バイパスが本線となった。
  5. ^ 県境を越える国道としては国道371号のように県境に沿って通る国道があり、国道4号が最多ではない。
  6. ^ 国道4号・国道17号の重複区間の案内標識は存在しない。
  7. ^ 国道4号・国道6号・国道14号の重複区間の案内標識は存在しない。
  8. ^ 国道4号・国道459号の重複区間の案内標識は存在しない。
  9. ^ 国道4号・国道115号の重複区間の案内標識は存在しない。
  10. ^ 国道4号・国道6号の重複区間の案内標識は存在しない。
  11. ^ 国道4号・国道47号の重複区間の案内標識は存在しない。
  12. ^ 国道4号・国道282号の重複区間の案内標識は存在しない。
  13. ^ 国道4号・国道281号の重複区間の案内標識は存在しない。
  14. ^ 国道4号・国道104号の重複区間の案内標識は存在しない。
  15. ^ 国道4号・国道45号の重複区間の案内標識は存在しない。

出典[編集]

一次資料[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]