フリカムイ – Wikipedia

フリカムイ(huri kamuy)またはフリ(huri)は、アイヌ民話に伝わる巨鳥。

片翼だけで約七里(約30km)はある巨鳥で、十勝川の上流にある洞窟や、網走の海岸にある洞窟に棲んでいたとされる。食事の際には海へ出て、鮭や鯨を捕えて食べていたという。

近文の方言ではフーリン(hurin)、フーリントノ(hurin tono)と呼ばれる。また美幌ではヒウリ(hiwri)、シウリ(siwri)という発音も記録されている。日本語の文献ではフリーカムイフリーフリュー等とも表記される。

本来はフリカムイは人間に危害を加えることはなく、人間も敢えてフリカムイの住処に近づいたり、関ろうとすることはなかった。しかしある時、1人の女性が食料を採りに山へ入り、泥で汚れた足で小川を渡ったところ、そこが実はフリカムイの水飲み場であった。

水飲み場を荒らされたことに怒ったフリカムイはすっかり心が荒れすさんでしまい、それ以降は人間や動物を襲い、木や草を荒らし、人家を壊したりと暴れ放題になった。その暴れ方たるや、羽ばたきで起こした突風のみで木々や家を吹き飛ばすほどであった。やむなく人間たちは反撃したが、それを受けたフリカムイは傷の痛みにさらに心が荒れ、暴れ方はひどくなる一方で、人々から魔物同然に恐れられた。

やむなく、支笏湖の近くのルイカヤルという地方に住んでいた1人の男が、槍でフリカムイを突き殺し、この惨劇は終わりを告げたという。

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参考文献[編集]