ぼくらシリーズ (宗田理) – Wikipedia

ぼくらシリーズ
ジャンル 学園
小説
著者 宗田理
出版社 角川書店
徳間書店
ポプラ社
レーベル 角川文庫
徳間文庫
刊行期間 1985年4月 – 2013年12月
巻数 全45巻
その他 無印:全36巻
新:全4巻
横浜開港編:全3巻
番外編:全2巻
小説:ぼくらシリーズ(ポプラ社版)
著者 宗田理
出版社 ポプラ社
刊行期間 2007年1月 –
巻数 既刊26巻(2019年7月現在)
小説:ぼくらシリーズ(角川つばさ文庫版)
著者 宗田理
イラスト はしもとしん
YUME
出版社 角川書店
KADOKAWA
レーベル 角川つばさ文庫
刊行期間 2009年3月 –
巻数 既刊33巻(2021年12月現在)
その他 ぼくらシリーズ 33巻
怪盗レッドコラボ 1巻
アラビアン・ナイト 1巻
早咲きの花 1巻
2A探偵局 8巻
東京キャッツタウン 3巻
角川短編集 3巻 (ぼくら収録作品)
テンプレート – ノート
ポータル 文学

ぼくらシリーズ 』は、宗田理による日本の小説シリーズ。角川書店より1985年4月から刊行され、徳間書店やポプラ社への195861985年4月に刊行された『ぼくらの七日間戦争』は、映画化されるなど成功を収め、宗田理は以後25年間にわたって続編を次々と発表した。これらの作品は「ぼくらシリーズ」と称されており、2020年6月時点で累計発行部数は2000万部を突破している[1]。なお「新・ぼくらシリーズ」以降は、タイトルの冠に「ぼくら」がつくものの、1-2作品毎に登場人物や舞台が一新されている作品が多い。

2007年3月には、ポプラ社より『ぼくらの七日間戦争』から『ぼくらの最終戦争』までの11作を再録し、ヤングアダルトとして書き下ろしのイラストにしたB6版ソフトカバーの新装版が出版され、重版が続けられている。2008年に久々の書き下ろしとなる「横浜開港編」シリーズが開始され、2010年12月刊行の3作目で完結を迎えた。また、2010年7月に高校生編の「―『最強』イレブン」までの選り抜き3作が刊行されており、2011年4月にはこれら17巻のセット販売された(ISBN 978-4-591-91250-8)。更に、高校生編の残りも2018年7月までに全て刊行され、2019年7月には青年編の第1作の「ぼくらののら犬砦」が刊行された。

角川つばさ文庫での2009年からの再刊にあたっては一部サブタイトルが改題されている他、書き下ろし作品もシリーズとして出版されている。

また、角川文庫では何度か表紙がリニューアルされており、1度目は映画化前に変更、2度目は映画化による変更、3度目は2014年に行われた。なお角川文庫の2014年版では冒頭の「相原の両親の日大全共闘時代回想」に関する部分が削除されている。

高校生編以降の作品において同作者作品である『2年A組探偵局』(仮面学園)シリーズとのクロスオーバーが成されており、同シリーズと設定を共有している。また番外編として本シリーズ主人公の後輩たちを主人公とした『ぼくんちの戦争ごっこ』、小学生智也を主人公とする『ぼくらとスーパーマウスJの冒険』がある。

あらすじ[編集]

中学生編[編集]

ぼくらの七日間戦争
1学期の終業式の日、東京下町の中学校に通う、菊地英治ら1年2組の男子生徒達が突如行方不明となる。親たちは懸命に英治たちを探すが全く見つからない。実は英治たちは、荒川河川敷の廃工場に立てこもって、外にいる橋口純子たち女子生徒と、体罰によって大怪我を負った谷本聡と協力し、廃工場を日本大学全学共闘会議をまねた「解放区」とし、校則で抑圧する教師や勉強を押し付ける親に対し、反旗を翻していたのだ。だが、1年2組の男子生徒の柿沼直樹は、それに参加する前に誘拐されてしまう。英治たちは廃工場で出会った老人・瀬川卓蔵と共に彼を救出しに奮闘すると同時に、突入してきた教師に様々な仕掛けで対抗し、隣町の市長の談合を生中継するなど、悪い大人たちをこらしめる。
ぼくらの天使ゲーム
1年生2学期、解放区の影響で校長・教頭が変わるとともに1年生のクラス替えが行われる。クラスがばらばらになった英治たちは、煙草を水浸しにする、酒を水で薄めるなど、世の中のためになる「一日一善運動」を始めた。そんな中、女子の先輩が望まぬ妊娠をしたのち自殺する。その死に疑問を持った英治たちは、独自で捜査を開始。ヤクザの地上げを阻止するため、朝倉佐織の家族が運営する寂れた幼稚園を「老稚園」にしたり、ヤクザが陣取る石坂さよが住むアパートを幽霊アパートにしたりしながら、七日間戦争で知り合った瀬川や、TVリポーターの矢場勇らに協力を仰ぎ、死の真相を突き止める。
ぼくらの大冒険
3学期、アメリカから転校生の木下吉郎がやってくる。UFOを呼ぶことができるという木下に誘われ、英治たちが見物に行くと、宇野秀明、安永宏の2人が消えてしまう。やがて、木下が新興宗教団体「アルラ」に洗脳され、2人を拉致するために利用されていたことが発覚する。2人を救出するため、矢場や瀬川、さよに応援を頼み、アルラの総本山に乗り込む。
ぼくらと七人の盗賊たち
春休み、英治たちはハイキング先の丹沢の山中で「福祉法人七福神」と称し、マルチ商法で稼ぐ泥棒集団「七福神」のアジトを見つけてしまった。アジトに隠してあった盗品の山を貧しい老人たちにばらまいていくうち、七福神と英治たちは攻防戦を繰り広げていくようになる。やがて完全に降伏した七福神は、英治たちと結託し、政治家に宝石を売り付けたり、アルコール依存症の父を持つ友達を助けたりしていく。やがて心を入れ替え、子供向けコンサルタント会社を開くと宣言した七福神は、心のクリーニングのために旅に出る。
ぼくらのデスマッチ (角川つばさ文庫では『ぼくらのデスゲーム』)
2年生に進級した英治たち。新たに赴任した校長の大村と担任真田の教育方針は、「手本は二宮金次郎」だった。厳しい校則で生徒を取り締まる教師たちに反発する英治たちだったが、突如真田に脅迫状が届き、その後殺害される。さらに純子の弟光太が誘拐されてしまう英治たちは、様々な手がかりをもとに、光太らを救出、犯人を確保する。さらに、真田を殺害したのは大村だったことが判明し、英治たちはますます大人たちへの不信感を募らせる。
ぼくらの秘島探検隊 (角川つばさ文庫では『ぼくらの南の島戦争』)
2年生の夏休み、英治たちは沖縄へと渡った。銀鈴荘の金城まさから「故郷の美しい自然がリゾート開発業者の手に渡り、骨が埋められない」と聞いたのが始まりだった。現地では、建設会社の桜田組が、住民を無理矢理追い出していた。島に残った現地の中学生と協力し、桜田組を少しずつ追い詰める。そこに殺し屋まで加わるが、英治たちは廃校を改造し、まとめて撃退。完全に戦力を失った桜田組は、島から退散する。
ぼくらの危(ヤ)バイト作戦
2年生2学期。安永は、交通事故による怪我で療養中の父に代わり、労働基準法に違反していると知りながら、高校生と偽り、きついアルバイトで家計を支えていた。それを知った英治たちは、安永のために金儲けをしようと考える。占い師になって親を騙すなど、色々な危険なバイトをこなしていくが、やがて本物の殺人事件に遭遇してしまう。その事件は、政財界を巻き込む「黒い手帳」に繋がっていた。英治たちは、殺人犯を自らの手で捕まえ、黒い手帳を手に入れる。
ぼくらのC(クリーン)計画
2年生の3学期、来るべき21世紀に向け、英治たちは地球環境を美化するためのC(クリーン)計画委員会を結成した。その第一歩として、贈収賄政治家リストの載っている極秘の「黒い手帳」をめぐるコンペを開催することに。マスコミ各社に手紙を送り付け、英治たちと大人の知恵比べが始まるが、手帳を奪おうとする殺し屋たちとスクープを狙ったマスコミで謎解きは大混乱。殺し屋たちに人質をとられ、黒い手帳は奪われてしまうが、実はそれはフェイク。黒い手帳は、コンペで優勝した矢場の手に渡る。
ぼくらの修学旅行
3年生になった英治たちのもとに、聴覚障害を抱えた佐山信が転校してきた。しかし、急な転校だったため、修学旅行には参加できないという佐山のために、自分たちだけの修学旅行を企画する。受験勉強にかこつけたサマースクールを開催し、途中で抜け出して楽しもうというものだ。しかし、黒い手帳事件の復讐のためにやってきたヤクザが英治たちを拉致。まとめて殺害しようとするが、英治たちと格闘するうち、ヤクザたちは近いうちに切り捨てられる運命だと悟る。英治たちはヤクザと結託し、ヤクザの親集団と戦うことになる。結果、味方のヤクザが2人死んだものの、英治たちは無傷で無事に帰還する。
ぼくらの㊙学園祭
3年生の2学期、学園祭の演し物は「赤ずきん」に決まるが、英治たちは乗り気ではない。面白いものにしようと知恵を絞るなか、登校拒否で相談に乗っていた河辺由美子が精神病院に送られる。河辺を取り返そうと必死になる英治たちのもとに、矢場が預かることになったイタリア人少年・ヴィットリオがやってくる。彼にからむ絵画贋作事件に巻き込まれ、マフィアとの真っ向勝負に挑む英治たちは、その内容を劇として上演する。しかし、実際はマフィアなどでっちあげで、全てはヴィットリオを連れてきた日本人、大沢の謀略であったことが明らかになる。
ぼくらの最終戦争(角川つばさ文庫では『ぼくらの卒業いたずら大作戦上・下』)
3年生の3学期、いよいよ英治たちも卒業間近となった。何かをするに違いないと思う教師たちが警戒態勢を敷く中、卒業式をどう盛り上げるかの策略を練る英治たち。そんな折、出所したルミの父親・為朝が刑務所で仕入れた謎めいた殺人話をしたのち失踪してしまう。真相解明に奔走しつつ、迫る卒業式に向けての準備も万端。果たして英治たちはどうなるのか…。

高校生編 宗田理[編集]

ぼくらの大脱走
ぼくらのミステリー列車
ぼくらの宝探し
ぼくらの恐怖ゾーン(角川つばさ文庫では『ぼくらの地下迷路』)
ぼくらのメリークリスマス(角川つばさ文庫では『ぼくらのメリー・クリスマス』)
ぼくらのいじめ救出作戦
ぼくらの『第九』殺人事件
ぼくらの秘密結社
ぼくらの「最強」イレブン (角川つばさ文庫では『ぼくらの復活大作戦』)
ぼくらの(悪)校長退治(ポプラ社版では、『ぼくらの(悪)校長退治』。角川つばさ文庫では『ぼくらの(悪)校長戦争』)
ぼくらのコブラ記念日
ぼくらの魔女戦記Ⅰ 黒ミサ城へ
ぼくらの魔女戦記Ⅱ 黒衣の女王
ぼくらの魔女戦記Ⅲ 黒ミサ城脱出
ぼくらのロストワールド
ぼくらの卒業旅行(グランド・ツアー)

青年編[編集]

ぼくらののら犬砦

教保久良の海苔巻き戦争 宗田理編[編集]

番外編[編集]

ぼくんにの戦争ごっこ
青葉光は、親から落ちこぼれといわれている。中学受験に失敗したからである。しかし進学した公立中学でぼくらの相原、菊地、木俣先輩のいるサッカー部にはいりいきいきとした生活が始まった。ところが両親の仲が険悪になってきた。相原先輩らに相談すると半端なケンカはやめて徹底的にスタミナがなくなるまで戦ってもらいそれを観戦しようとすることになった。ぼくらメンバー全員から細かいアドバイスをもらいいざ勝負。
ぼくらとスーパーマウスJの冒険
東京近郊のM市に住む小学生の智也は、5年生になると札付きのいじめっ子トリオと同じクラスになりひどいいじめを受けた。いじめに耐えかねた智也は、なぜかあたまにあった鉄道唱歌の「海の眺めは蒲郡」にひかれて蒲郡に向かう。そこであったおばさんに誘われて名鉄三河線で愛知県幡豆町にたどり着く。自殺を考えた智也は、人間並みの知能を持つスーパーマウス次郎吉と不可能とも思われる劇場づくりに取り組む女性オリビアに呼び止められ自殺を思いとどまる。地域の力を取り戻そうとする町の人との出会いは智也を変えていく。

(参考)

ぼくらのアラビアン・ナイト
「ぼくらの」を題名に冠しているが、ぼくらのメンバーがアラビアン・ナイトの世界で活躍するのではなく、純然たるアラビアン・ナイト(アリババと四十人の盗賊、シンドバットの冒険)である。番外編ともしがたいので参考として掲げる。

主な登場人物[編集]

書誌情報[編集]

ぼくらシリーズ[編集]

ぼくらシリーズ(再録版)[編集]

ポプラ社版[編集]

角川つばさ文庫版[編集]

ノベライズ[編集]

  • 宗田理(原作) / けーしん(イラスト) / 伊豆平成(小説) 『劇場版アニメ ぼくらの7日間戦争』 KADOKAWA〈角川つばさ文庫〉、2019年11月15日発売[97]ISBN 978-4-04-631950-0
    • 小説をアニメ化した映画『ぼくらの7日間戦争』のノベライズ。

参考[編集]

  • 宗田理(文) / はしもとしん(イラスト) 『ぼくらのアラビアン・ナイト』 KADOKAWA〈角川つばさ文庫〉、2010年6月18日発売[98]ISBN 978-4-04-631099-6

コラボ作品[編集]

  • 宗田理・秋木真(作) / YUME・しゅー(イラスト) / はしもとしん(キャラクターデザイン) 『ぼくら×怪盗レッド VRパークで危機一髪!?の巻』 KADOKAWA〈角川つばさ文庫〉、2019年1月15日発売[99]ISBN 978-4-04-631863-3

派生作品[編集]

映画等は、基本は第1作『ぼくらの七日間戦争が原作だが、『ぼくらの七日間戦争2』は、第10作『ぼくらの秘島探険隊』を原作とするなどシリーズ全体とも関係する。

注釈[編集]

  1. ^ 教師編『ぼくらの悪魔教師』より出版社は徳間書店、レーベルは徳間文庫となっている。
  2. ^ 『ぼくらの無人島戦争』までイラストを担当し、『ぼくらのハイジャック戦争』以降はキャラクターデザインを担当している。
  3. ^ 『ぼくらのハイジャック戦争』よりイラストを担当している。
  4. ^ 中学生編『ぼくらの体育祭』より出版社はKADOKAWAとなっている。

出典[編集]

外部リンク[編集]

  • ぼくらシリーズホームページ宗田理のぼくらの秘密基地(角川つばさ文庫)

ぼくらシリーズ公式サイト