勝山企業 – Wikipedia

勝山企業株式会社(かつやまきぎょう)は、宮城県仙台市青葉区上杉に本社を置く、総合宴会場「仙台勝山(しょうざん)館」を運営していた企業である。

元禄時代に創業し、六代目蔵元にあたる二代目平蔵の時の1857年(安政4年)、 仙台藩より「御酒御用酒屋」を拝命し、北五番丁(現在の上杉)、上杉山通り角の屋敷を拝領し勘定奉行支配の扶持人として苗字帯刀御免の士格に列せられた。以来、仙台藩御酒御用酒屋として「勝山」や「泉川」の銘にて酒を醸す。伊澤家は七十七銀行の設立にも参画し、伊澤平左衛門は初代、 伊澤平勝は六代の頭取を務めたほか、1928年(昭和3年)には私苑の一部を仙台市に寄贈。同所は勝山公園となった。

1935年(昭和10年)、合名会社伊澤酒造本店として法人組織になり、1943年(昭和18年)に戦時企業統合により一時、仙台酒造勝山工場となったが、1957年(昭和32年)再び合名会社に復す。1965年(昭和40年)には勝山企業に組織変更し、醸造部門は勝山酒造部となる。

敷地内に1962年(昭和37年)「宮城調理師学校」(現:宮城調理製菓専門学校。後に葉山町移転) 、1972年(昭和47年)に「勝山ボウリングクラブ」、1978年(昭和53年)に「勝山スケーティングクラブ」を開校・開業させ、勝山スケーティングクラブは及川史弘、荒井万里絵、荒川静香、羽生結弦がホームリンクとしていた時期があった。加えて1991年(平成3年)10月、明治初期の頃から仙台空襲により消失するまで伊澤家の迎賓館があった場所に[2]、総工費約70億円を投じ、本館と和風館からなる地下1階地上7階建ての「仙台勝山館」を広く市民のおもてなしの館として再建した[2]

2005年(平成17年)、勝山酒造部を市街地の拡大を踏まえ、泉区福岡の泉ヶ岳南東麓、七北田川沿いに移転。新蔵では新鋭機器と微妙な手作業を組み合わせた酒造りを進める体制を整え[3]、2010年(平成22年)7月、勝山酒造部が「仙台伊澤家 勝山酒造」、 2016年(平成28年) 勝山企業総合企画部から「勝山ネクステージ」がそれぞれ分社された。

なお、勝山スケーティングクラブ、勝山ボウリングクラブ、仙台勝山館の3施設はすでに営業を終えている。

  • 1688年(元禄元年) – 創業。
  • 1857年(安政4年) – 仙台藩より「御酒御用酒屋」に拝命され、現在の上杉の土地を与えられ同地で醸造業を営む。
  • 1928年(昭和3年) – 私苑の一部を仙台市に寄贈。勝山公園となる。
  • 1945年(昭和20年) – 仙台空襲でかつての「勝山館」の建物を消失。一方で勝山酒造の酒蔵は焼失から逃れ、江戸時代の蔵造り建築の一部は現代まで残る。
  • 1965年(昭和40年) – 合名会社伊沢酒造本店から勝山企業株式会社に組織変更。
  • 1972年(昭和47年) – 「勝山ボウリングクラブ」開業。
  • 1978年(昭和53年)12月9日 – 「勝山スケーティングクラブ」開業。
  • 1991年(平成3年)10月 – 宴会場、結婚式場、レストランなどで構成される総合宴会場「仙台勝山館」が開業。
  • 2002年(平成14年)- 勝山ボウリングクラブ1階に西友勝山公園店が入居。
  • 2009年(平成21年)4月30日 – 「勝山スケーティングクラブ」が閉業。
  • 2005年(平成17年) – 勝山酒造部を泉区福岡に移転。酒蔵の建物の一部は現在も勝山館隣に残され、かつて工場があったその裏手は駐車場「上杉北五番丁パーキング」となる。
  • 2010年(平成22年)7月 – 勝山酒造部が「仙台伊澤家 勝山酒造株式会社」に分社。
  • 2011年(平成23年)3月11日 – 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)で勝山ボウリングクラブが被災したため同日から営業が休止、同年4月10日に閉鎖。
  • 2012年(平成24年)6月10日 – 西友勝山公園店が閉店。同店とボウリングクラブおよびスケーティングクラブ一体の跡地は住友不動産に売却された。
  • 2016年(平成28年) – 勝山企業総合企画部から「勝山ネクステージ」が分社。同社は食品の製造販売等の事業を行い、仙台勝山館の商標を使用した商品も扱う。
  • 2021年(令和3年)
    • 3月末 – 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う宴会需要の低迷などで仙台勝山館のレストランなどが休業[4][5]。なお、グループ企業は「業績に与える影響は特にない」としている[6][7]
    • 6月30日 – 仙台勝山館における婚礼の営業も終了。土地と建物は売却する方向で検討。また、勝山企業が北側にある勝山酒造と伊沢家の住宅だった建物の一部を改装するなどして、年内にも「レストラン勝山館」の開業を計画していることが明らかとなる[8][9]
    • 10月 – 仙台勝山館の土地と建物を不動産業の住販システムグループ(泉区)に売却し引き渡す[10]

グループ企業[編集]

参考文献[編集]

  • 仙台のしにせ編纂委員会編『仙台のしにせ 創業百年以上』仙台商工会議所、1992年10月。

外部リンク[編集]