城北中学校・高等学校 – Wikipedia

城北中学校・高等学校(じょうほくちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、東京都板橋区東新町二丁目に所在し、中高一貫教育を提供する私立

男子中学校・高等学校。

高等学校において、中学校から入学した内部進学の生徒と高等学校から入学した外部進学の生徒との間では、第2学年から混合してクラスを編成する併設混合型中高一貫校[1]である。

東京府立第四中学校(現:東京都立戸山高等学校)と、その前身である旧制の東京府城北中学、城北尋常中学校で40年の長きに亘って校長を務めた深井鑑一郎と、その高弟で印刷業界の草分け的存在で実業界の重鎮でもあった井上源之丞を創設者として、元教員やOBらにより開校された。

戦前の開校から、旧制高等学校や士官学校への進学を目指す校風であり、現在も伝統的に人格形成や大学進学教育に力を入れている。卒業生の多くが、東京大学、東京工業大学、慶應義塾大学、早稲田大学、東京理科大学、上智大学、国公立・私立大学医学部などに進み、各界で有用な人材を輩出している。校地は約4万平方メートル(1万2千坪)で、卒業生は3万人を越える。

なお、埼玉県川越市にある城北埼玉中学・高校とは、かつて系列校であったが、現在は関係ない。

校風・教育[編集]

初代深井校長は、府立四中の教育方針を踏襲し、徳知体を基とした「人格の陶冶」と「質実厳正」の教育を創立の柱に掲げた。以来、その建学の精神は現在も受け継がれ、学園の校訓「着実・勤勉・自主」を行動規範に、「人間形成と大学進学」を教育目標に定めて人材の育成に努めている。

1993年(平成5年)度より、中高6ヶ年を2ヶ年ずつ3期に分け、よりきめ細かい教育を目指した独自の3期指導体制を敷いている。中1、中2を「基礎期」、中3、高1を「錬成期」、高2、高3を「習熟期」とし、生徒の発達段階に応じた各々の指導上の重点目標が設定されている。この3期指導体制に移行し、すでに20年が経過し、生徒指導や大学進学にも大きな成果を上げている。

高等学校1学年では、中学校から入学した内部進学生(中入生)約280名と、高等学校から入学してくる外部進学生(高入生)80名は別々のカリキュラムを編成する。2年次、3年次では、文系と理系のコースに分け、中入生と高入生は混合クラスとなる。

年間行事[編集]

  • 4月 – 入学式 新入生オリエンテーション(大町山荘)(中1、高入生1年)、筑波体験学習(高1中入生)
  • 5月 – 筑波体験学習(中入生高1)、新入生オリエンテーション(大町山荘)(中1)、遠足(中2・中3)
  • 6月 – 演劇鑑賞会 ※、授業参観・保護者会、漢字検定(高2)
  • 7月 – 理科校外学習(中学)、夏期講習会(中1 ~ 高3)、夏期補習会(中1指定制)、夏期林間学校(中2)、城北イングリッシュシャワー(中1、高1)
  • 8月 – 大町学習室(高3)、オーストラリア海外研修(中3・高1希望者)
  • 9月 – 防災避難訓練、体育祭、文化祭(城北祭)
  • 10月 – オープンキャンパス、中学理科校外見学(中1、中2)
  • 11月 – 創立記念日、基礎期マラソン大会(中1・中2)、奈良・京都研修旅行(中3)、授業参観・保護者会、理科自由研究発表会(中学)、音楽鑑賞会 ※、合唱祭(中1)
  • 12月 – 冬期講習会(中3~高3)、冬期補習会(中1)、城北イングリッシュシャワー(中2)
  • 1月 – 書き初め展、GTEC(中2〜高1)
  • 2月 – 中学・高校入試、校外模試、生徒会長選挙、漢字検定(中2、3級)、私の主張コンクール(中1・中2)、スキー教室(中1、中2)
  • 3月 – 沖縄研修旅行(高2)、城北イングリッシュシャワー(中1)、私の主張コンクール(中1、中2)、中3修了式、高校卒業式
※ 演劇鑑賞会と音楽鑑賞会は、それぞれ隔年実施。
城北祭
  • 体育祭は9月半ばに、文化祭は9月末に行われる。かつては連続して催された時代もあった。
  • 文化祭で作成される正門アーチは1946年(昭和21年)の第1回より約70年、中学の理科研究発表は30年、図書委員会の古本市は20年以上続いていたが、2020年、新型コロナウイルス流行の影響により、文化祭、体育祭行事は全て中止となった。2021年、体育祭は引き続き中止となったが、文化祭は初のオンラインでの開催となった。
  • 1981年(昭和56年)、後夜祭で行われた人間イスが、約1ヶ月間ほどギネスブックの世界記録を保持した。また、2001年(平成13年)頃には、文化祭実行委員会に地域振興部門が設けられ、町内会の御神輿を担いだり、後夜祭で盆踊りが行われた。

クラブ活動はとても盛んで、国体、全国大会に出場するクラブもある。

運動部ではラグビー部、少林寺拳法部(平成28年)、水泳部(水球競技)が過去に全国優勝をしている。

文化部では、ラジオ部が2009年(平成21年)にアマチュア無線コンテスト2部門で優勝。囲碁将棋部が2007年(平成19年)7月の第43回全国高等学校将棋選手権大会の団体戦で全国優勝、2012年(平成24年)3月の第6回全国高等学校囲碁選抜大会の団体戦で全国優勝、2018年(平成30年)5月の第30回埼玉県竜王戦で、2人の中学生がB級、C1級でそれぞれ個人優勝、2020年(令和2年)1月の第14回関東中学将棋団体戦(B級)で優勝している。

運動部(全23部)

文化部(全23部)

同好会
奇術同好会、電子音楽同好会、応援同好会(全3同好会)
特別委員会
放送委員会、生徒会執行部、図書委員会、文化祭実行委員会 (全4委員会)

1991年(平成3年)に創立50周年の記念事業の一環として21世紀の教育に対応する校舎の全面改築を行った。校舎は、中学棟、高校棟、共通棟、芸術棟からなり、体育関係施設として、弓道場、テニスコート、体育館、卓球場、温水プールなどの他に武道館を備えている。

また、2013年(平成25年)には、透水性と防塵性に優れた最高レベルの土のグランド(1万1千平方メートル)に改修を行った。
しかし、実際の土質は、土の粒子がとても細かいため、少しの風ですぐに砂埃がたち、毎年近隣からの苦情が耐えない。グラウンドで運動すると砂埃のせいで靴や足がすぐに汚れ、生徒の間では「城北砂漠」とも揶揄されている。

2022年(令和4年)、80周年記念事業として、グラウンドを全面人工芝化することを決定した(2022年9月完成予定)[2]

講堂
旧講堂は、1945年(昭和20年)に中島飛行機三鷹工場の廃屋150坪を移築した、食堂兼用の建物であった。1971年(昭和46年)に改築された現在の講堂は、入学式、卒業式などの式典や発表会、芸術鑑賞、文化祭などに使われている。初期には、校長訓話の時間や入学試験の会場にも用いられた。
大町山荘
長野県大町市、北アルプスの麓に100名余の生徒が宿泊できる大町山荘がある。毎年の春には中1生・高1生の新入生を迎えた「大町オリエンテーション合宿」(3泊4日)が行われている。また、7月下旬には中2生を対象とした「夏期林間学校」(2泊3日)の拠点として、そして8月には高3生を対象とした大学受験に向けて生徒たちが自学自習する「大町学習室」(9泊10日)の拠点として城北教育には欠かせない施設として長年活用している。2008年(平成20年)に、PTAおよび同窓会の協力などでOB宮崎均(前橋工科大学大学院教授)の設計による改修工事が行われ、2009年(平成21年)に第9回長野県建築文化賞(長野県知事賞)を受賞した。

校歌・校章[編集]

  • 城北学園の校歌は校5年後の1946年(昭和21年)に制定された。作詞は武田祐吉・國學院大學教授(元東大嘱託・1958年没)、作曲は新任の市村丈一(旧姓梨本・2009年4月没)教諭。
一、
ああ澄み渡る高空に
輝く富士の尊さよ
厳粛ただみる自立の天地
ここにぞ育む堅実の学
城北 城北 自立の学園
二、
末遥かなる武蔵野の
沃野の土のたくましさ
決然今立つ努力の世界
ここにぞ培ふ勤勉の業
城北 城北 努力の学園
三、
漲らひゆく石神井の
流れの水のさやけさよ
清明我あり正義の思想
ここにぞ養ふ公民の道
城北 城北 正義の学園
  • 校章のデザインは、「城北」の文字の周囲に、創立者である深井鑑一郎と井上源之丞が掲げた「着実、勤勉、自主の精神」と「質実厳正の姿」を象徴するものとして「桜の花」が配置されている。
  • 中学入試は3回実施(募集定員は第1回約115人、第2回約125人、第3回約30人)、国語、算数、理科、社会の4教科で合否判定される。
  • 高校入試は推薦入試と一般入試がある。推薦入試は募集定員が約20人で、推薦条件は、城北高校を第一志望とし、合格したら必ず入学確約できる者、中学3年次の主要5教科の5段階評価が合計20以上あり、全教科に1,2がない者。3年次4~12月までの欠席日数、遅刻早退日数が各10日以内の者。中学校長から推薦を受けた者。クラブ活動などに取り組んだ者である。そして、調査書、適性検査(英語、数学、国語)、面接で合否判定される。一般入試は募集定員が約65人で、調査書、英語、数学、国語の3教科で合否判定される。

著名な関係者[編集]

教職員
出身者
城北高等補習学校の出身者

交通アクセス[編集]

脚注および参照[編集]

  • 「城北学園35年史」 城北学園
  • 「城北新聞縮刷版」 城北学園 1985年
  • 「城北史」 城北学園 1992年

関連学校[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]