ペガスス座 – Wikipedia
ペガスス座(ペガススざ、Pegasus)[1] は、古代ローマのクラウディオス・プトレマイオスが定めたトレミーの48星座の1つで、現在採用されている88星座の1つ。比較的明るい星が多い星座として知られる。日本の学術用語では「ペガスス座」という表記が定められている[1]が、一般には英語風の読みのペガサス座と呼ばれることもある[注 1]。
α星・β星・γ星・そしてアンドロメダ座のα星[注 2]からつくられる四角形は、ペガススの四辺形として知られる。また、北半球ではペガスス座が秋を代表する星座の1つであることから、『秋の(大)四辺形』とも呼ばれる。
主な天体[編集]
恒星[編集]
α星[3]、β星[4]、ε星[5]の3つの2等星がある。
以下の恒星には、国際天文学連合によって正式な固有名が定められている。
その他、以下の恒星が知られている。
星団・星雲・銀河[編集]
その他[編集]
ギリシャ神話に登場する、翼を持つ天馬ペーガソスをモチーフとしている。ペーガソスは、勇者ペルセウスがメドゥーサの首を切って倒したときに、クリューサーオールと共に胴体から生まれた[10]。ペーガソスという言葉はギリシャ語で「泉」を意味する Πηγαί (pegai) に由来する[10]。生れ出たペーガソスは飛び立って、ムーサたちの住むボイオーティアのヘリコン山に辿り着き、ムーサたちを喜ばせようと岩を蹄で撃ったところ、そこから泉が湧き出たという[10]。
リュキア王イオバテースから怪物キマイラ退治の命を受けたベレロポーンは、ペイレーネーの泉で水を飲んでいたペーガソスを女神アテーナーから授かった黄金の手綱で捕らえ、自らの乗馬とした[10]。ペーガソスに乗ったベレロポーンは、空中から矢と槍でキマイラを打ち倒した[10]。やがて増長したベレロポーンは、神の仲間入りをしようとペーガソスに乗って天を目指したが、ゼウスの遣わした虻を嫌ったペーガソスに振り落とされ、墜死した[10]。
ペーガソスは後にゼウスの雷電の矢を運ぶ役目を負ったという[10]。
α、β、γ、アンドロメダ座αの4つの星からなる四辺形を、日本では枡に見立てて「ますがたぼし(枡形星)」「ますぼし(枡星)」などと呼ぶ地方がある。4つの星があることから「しぼし(四星)」「よつぼし(四ツ星)」「よつまぼし、よすまぼし(四隅星)」とも呼ばれる。また静岡県静岡市では、狩猟で獲った動物の皮を木の板に張って乾燥させた姿に見立てた「かわはりぼし、かあはりぼし、かはりぼし(皮張り星)」なる呼ばれ方もされていた[11]。
熊本県北部や新潟県村上地方では、ペガススの四辺形を枡に、アンドロメダ座β、γ、δを柄に見立てた「さかます(酒枡)」という呼称が伝わっている[11]。
- ^ 『聖闘士星矢』など。
- ^ かつては「ペガスス座δ星」ともされたが、88星座の境界線が定められた際にアンドロメダ座α星とされた。
参考文献[編集]
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