ヘミオラ – Wikipedia

ヘミオラ(英: hemiola、hemiolia)とは、いわゆるポリリズムの一種で、主にバロック音楽やクラシック(古典音楽、特にベートーヴェン)などにおいて、3拍子の曲で、2小節をまとめてそれを3つの拍に分け、大きな3拍子のようにすることをいう。もとの意味は「1足す2分の1」。終止カデンツにおいて使われることが多い。ヘミオーレともいう。

たとえば、4分の3拍子の曲の途中で下図上段のような音型が現れると、下段のような3つの2分音符に聞こえる。このようなものをヘミオラと呼ぶ。

このように聞こえるのは、シンコペーションによって強拍が本来の位置からずれるためである。このヘミオラの例では、もとの4分の3拍子の拍節感は消え去って、突然テンポが半分になってしまったように感じられる。

おもな使用例としては、バロック時代のサラバンドなどの3拍子系舞曲、シューマンでの交響曲第3番の第1楽章やピアノ協奏曲最終楽章、ドビュッシーでの12の練習曲の第12曲などがある。

ポピュラー音楽では、ミュージカル、ウエストサイドストーリーの「アメリカ」が最もヘミオラで知られる曲の一つ。「タク タク タク(8分音符6つ)」という本来2で割り切る拍子に、「タクク タクク(同様に、8分音符6つ)」という3で割り切るフレーズが乗る状態。この楽曲のメイン部分では、これらが交互に現れるため、好例。