グラハム粉 – Wikipedia
グラハム粉(グラハムこ、英語: Graham flour)は、粗挽きした小麦粉。全粒粉とは全粒穀物から作られるという点で似ているが、グラハム粉の方がより粗く挽かれており、製粉中にふるいにかけられない、というのが特徴である[1]。
ざらざらとした食感が特徴である。
グラハム粉も含めて全粒粉は、薄力粉や強力粉よりも栄養価が高く、なおかつ、糖質の量が薄力粉や強力粉よりも少なめで低カロリーである[2](つまりダイエット、細身の体型を保つのに良い)。食感を楽しみ、かつ健康的なことを重視した、健康食品志向のクラッカー、健康を前面に出したシリアル食品などで多用されている。パンの表面の材料として使うと、独特の食感を楽しめるパンになる。
「グラハム」の名は菜食禁酒主義の牧師シルベスター・グラハム (Sylvester Graham) にちなむ。
入手方法[編集]
グラハム粉は日本全国どこに住んでいてもアマゾンや楽天などのネット通販でワンクリックで簡単に入手できる。スーパーマーケット(たとえば全国のイオンの食品売り場)の「パン材料」のコーナー、また輸入食材店(たとえばカルディ、成城石井など、全国チェーンが今や10以上展開しており、大都市や中都市には必ずある)、高級食品店、健康食品を扱う店、グロサリーストア(の一部)などで購入できる。もし大量に手に入れるなら、パン屋へ小麦粉を供給している問屋などで入手でき、小麦粉を製造している製粉所から直接入手することもできる。
グラハム粉の名前は早くから食生活改革を提唱したシルベスター・グラハム, 1794–1851)にちなむ[3]。 グラハムは白パン用の小麦粉を作るときに胚芽やぬかなどの栄養素を捨てることを嫌い、小麦粉の製粉とパンを焼くのに穀物の全てを使うことが、産業革命によりもたらされた食事の変化で起きた仲間のアメリカ人の健康不良の救済策になる、と考えていた[1]:7-8。
1900年代初頭の話だが、グラハム粉の「模倣品(代用品)」として、無漂白小麦粉とウィートミドリングを混ぜたものが販売されてしまって広まっていた時期があった。だが1906年には純正食品薬品法 (Pure Food and Drug Act) が立法され、アメリカ食品医薬品局(FDA)が立ちあがり、FDAは徐々に規格を制定し、この模倣品を市場から排除した[1]:13。
(古い調査の話にすぎないが)1913年時点の報告では、グラハム粉から作られたパンのたんぱく質含有量は12.1%で、「全粒粉と”本質”的には同じ」と判断していた(あくまで当時は、の話である)[4]。
関連項目[編集]
- グラハムクラッカー – シルベスター・グラハムに感化されたグラハミズムの人々によって健康に良いと作られたクラッカー。他に、グラハムパンも作られた。
- ^ a b c Le Clerc, Joseph Arthur; Jacobs, Benjamin R. (April 12, 1913). “Graham Flour: A Study of the Physical and Chemical Differences Between Graham Flour and Imitation Graham Flours”. USDA Bureau of Chemistry Bulletin (Government Printing Office) (164) .
- ^ [1]
- ^ Iacobbo, Karen; Iacobbo, Michael (2004). Vegetarian America : a history. Westport, CT: Praeger. pp. 21, 29. ISBN 978-0275975197
- ^ Wihlfahrt, Julius Emil (1913) [1905]. A treatise on flour, yeast, fermentation and baking, together with recipes for bread and cakes. The Fleischmann Co.. p. 25 2012年4月29日閲覧. “After baking, the white wheat flour not only proved the more digestible, but the protein contents were as follows: White wheat flour 12.5% protein; Graham flour 12.1%; Entire wheat flour 11.9% .”
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