ブラック・ジャック (テレビアニメ) – Wikipedia

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ブラック・ジャック』は、手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』を原作とする、2004年から2006年にかけて放送された連続テレビアニメである。本項では、その前身であるテレビスペシャル版、派生作品である劇場版『ブラック・ジャック ふたりの黒い医者』についても扱う。このテレビアニメの続編については『ブラック・ジャック21』を参照。キャッチコピーは「神か悪魔か奇跡の手、一人の外科医が巻き起こす命の物語」。

  • 全63話(秘蔵版SPで放送されたエピソード2話を含む)。
  • 讀賣テレビ放送・手塚プロダクション制作。讀賣テレビ放送・日本テレビ系列にて『犬夜叉』に代わって2004年10月11日より毎週月曜日19時00分 – 19時30分の枠で放送されていた。改変時期の特番放送の為、前番組『犬夜叉』終了(2004年9月13日)から一カ月近く空いてスタートしている。
  • 日本テレビ系アニメ初のハイビジョンアニメとして制作されている(当時地上波デジタル放送が開局済みだった東名阪エリアの日本テレビ・中京テレビ・読売テレビおよび北日本放送の地上デジタル放送のみHD放送、以上3局のアナログ放送と当時デジタル放送が未開局だったそれ以外のネット局はサイドカットされたSD画質だった)。
  • 2006年3月6日の放送『Karte61:二人のピノコ』をもって一旦終了した(ただし、最終話という告知そのものはなかった)。
  • 2006年4月よりタイトルを『ブラック・ジャック21』に変更、一話完結のオムニバス形式ストーリーから連続ストーリーへと移行した。
  • 2006年7月17日は本来なら休止であったが、PRIDE&SPIRIT 日本プロ野球「阪神対巨人」が中止となり、雨傘番組として『ブラック・ジャック 秘蔵版スペシャル』を放送。2006年3月までに放送されなかった2エピソード『ひったくり犬』、『樹海のかまいたち』が初放送された。

2005年8月から月に1巻のペースでavex modeよりDVD化されている。なお、秘蔵版SPで放送されたエピソード2話は『ブラック・ジャック21』のDVD-BOXに収録された(レンタル版は「ブラック・ジャック Vol.22」としてリリースされた)。

放送の自粛・延期[編集]

作品の性質上、災害や事件・人災を扱うことが多く、そのため放送予定の内容が実際に起こった災害や事件と偶然にも重なった場合、放送を自粛・延期することがあった。

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例えば、2004年10月25日放送予定だった『Karte03:ひったくり犬』は、これからレギュラー出演する犬のラルゴのお披露目の回だったが、本編に地震のシーンがあったために放送2日前の23日に発生した新潟県中越地震の影響で放送延期となり、本来の放送日には第1回放送の『Karte00:オペの順番』を再放送した(なお、その冒頭の謝罪テロップでも文字が1字多いという誤りがあった)。

また、2005年5月23日放送の『Karte28:荒野の伝染病』は、元々『揺れる手術室』を放送した後、同月30日に放送予定だったが、『揺れる手術室』の「電車の振動で手術ができないというシーン」が放送前の4月25日に発生したJR福知山線脱線事故を連想させるとして放送延期となり、1話繰り上がって放送された。

『揺れる手術室』は2005年7月4日に、『Karte03:ひったくり犬』は2006年7月17日に放送された(この際、『Karte03:ひったくり犬』は『Special Karte:ひったくり犬』と表記された)。その後の讀賣テレビ放送での再放送時には『Karte03』表記に戻っている。

原作とテレビアニメとの相違点[編集]

※()内はモデルとなった原作。

「医者はどこだ!」
デビィは生還の種明かしをした後、ニクラの追跡をまくため国外逃亡の前に、再びブラック・ジャックによる整形手術を受けることになる。
「U-18は知っていた」
U-18がブラック・ジャックを本人かどうかを調べる100の質問で「本名は?」と聞かれた時に適当にはぐらかしているところが、はっきりと「間黒男だ!」と名乗っている。
U-18がブラック・ジャックに「重要度の高い映像情報」として見せたのはただの中性的な顔立ちの人間だったのが、ワットマン博士最愛の亡き娘マリーになっている[1]。そして彼女にも引退宣言をするが、この映像のおかげで初心に返り「これからも支えていって」と断られている。
「オペの順番」
イリオモテヤマネコの罠に付けていた餌が、ヒョウタンツギからカエルに変わっている。また、船で怪我人が出たのは、密猟者が銃を乱射した為ではなく、ケージから脱走したイリオモテヤマネコが船で暴れて揺れた為に変更されている。
訴訟が取り下げられた後、ピノコがお祝いでカレーをイリオモテヤマネコの前に置いて物語が終わるのが、島に返すところまでが描かれている。彼女の言葉「もっと増えるのよ」も逃がした直後にいっている。
「ひったくり犬」(万引き犬)
ラルゴは死なず、(漫画版では死んでしまっていたが)この回以降ブラックジャックの元で飼われることとなる。詳しくは後述の登場人物を参照。
「ある教師と生徒」
久男の事故の原因が、自ら車に飛び込むことによる自殺未遂から目眩によって虚ろな状態の所を車に轢かれた不慮の事故に変更されている。
「白いライオン」
ルナルナの治療をブラック・ジャックに依頼するのはアンゴラ共和国の外交官から、ルナルナが来園してからずっと世話をし続けている善良な老飼育員になっており、彼のルナルナへの想いにブラック・ジャックが根負けし引き受けている。
ピノコにルナルナの病気の正体と今後を語る場所が居間からオペ室になっており、写楽も同席している。彼女達が手術をすればもうルナルナに会えなくなるのは嫌だとルナルナを抱いて部屋に立て籠った時のブラック・ジャックの説得が、まだピノコの出生が明らかになる前だったので分かりやすいものになっている。
「奇跡の腕」(二つの愛)
明の死亡原因が交通事故から火災に変更され、わずかに腕に火傷の跡も残っているように追加された。
「もらい水」
おばあさんがいた建物が壊れ大勢の怪我人が出た理由が「朝方に大地震」から「夜中に大雨で土砂崩れ、電車が土砂に巻き込まれる」に変更。原作ではブラック・ジャックがおばあさんを心配して近くの旅館に泊まったが、アニメ版では一旦帰宅するものの土砂崩れのニュースを見たラルゴがおばあさんの危機を察知するという内容になっている。
また、原作ではブラック・ジャックの台詞で終わっているが、アニメ版ではその台詞でおばあさんの息子夫妻が今までの振る舞いを反省し、ブラック・ジャックと共に手術をし意識を取り戻すまで描かれている。
「シャチの贈りもの」(シャチの詩)
トリトンは死亡しない。原作では漁場を荒らしていたのはトリトンだが、アニメ版では別のシャチが荒らしておりトリトンはそのシャチから漁場を護っていたことになっている。
「海賊の腕」
一ノ瀬和男は和登、本間久美子の同級生になっており「イッチン」のニックネームは幼なじみの女の子、古河敏江だけが使っている。
「偽りのウェディング」(かりそめの愛を)
原作ではミチルと久磨の結婚式で終わっていたが、アニメでのエピローグは後日再会したミチルから来月に結婚する報告を受けるところで終わっている。
「声を失ったアイドル」(悲鳴)
朝戸レイが一ノ瀬と同様、和登、久美子の同級生の設定。また、彼女の声を失う原因が、友人達からのもらい笑いから合唱の練習で発声したことに変更されている。
「メールの友情」(ハローCQ)
アマチュア無線ではなくパソコンでのチャットに変更されている。原作では手術を開始するところで終わったが、アニメ版では完治した二人のやり取りが追加されている。
「山手線の哲」
指の切断が事故に変更されている。哲が元マジシャンだったという設定も追加された。
哲が友引警部からスッたのが、彼の警察手帳からブラック・ジャックの逮捕状になっており、職場に忘れたのかもと勘違いし慌てて「Tom」を出たため、哲がやったことと気づいていない。
「春一番」
角膜の提供者の死因が殺人から事故に、手術後に見える男の正体が殺人者から提供者の恋人に変更される。そのためストーリー途中で男の正体を予想する内容も、原作では「もしかして男は運命の人では」と、アニメ版では「もしかして提供者は男に殺されたのでは」と逆の展開になっている。
「土砂降りのち恋」(土砂降り)
清水きよみが助かる。
「ナダレという挑戦」(ナダレ)
ナダレに襲われた人は死亡していない。ナダレは撃たれた後、森に消える(生死不明)。
「そろばんの天才」(なんという舌)
サリドマイドから指欠損症に変更される。
「最先端ルームの悲劇」(地下壕にて)
原作では口約束の報酬を反故にされブラック・ジャックが皮肉を言って終わっていたが、アニメ版では口約束の証拠があったので、冒頭の未払いの医療代金と共に報酬を手に入れている。
「命を生ける花」(命を生ける)
原作では手術のために移植用の遺体を用意したが、アニメ版では「世界中から情報を集めた」と言うだけで遺体や手術法などには一切言及されていない。また、家元達への説得にピノコの生い立ちの一部が語られ、祝賀会にはピノコに連れられてブラック・ジャックも立ち会っている。
「揺れる手術室」(震動)
旦那のイタズラの事故から、腹部解離性大動脈瘤に変更されている。
「病院ジャック」
病院占拠の目的が日本政府への要求から身代金目的(および病院に対しての復讐)に変更。重症患者は全員助かり、犯人のボスも逮捕後には改心している。
「岬の家は未完成」(やりのこしの家)
棟梁の白血病の原因が、原爆によるものと明言されていない。
「イルカと強盗団」(海のストレンジャー)
イルカの生死については明言されていない。
「戦争はなおも続く」
戦争に行った患者の安否が明らかにされていない。
「文化祭の用心棒」(帰ってきたあいつ)
ジョーズが死亡せず、彼も大穴高校の生徒になっている(和登達とはクラスが違う)。
「雪原のヴァイオリン」(ストラディバリウス)
エスキモー関連の描写を全面的にカット。飛行機の航路や不時着場所など地名に関する明言もされていない。
「人面瘡の本音」(人面瘡)
依頼人は崖から転落するがブラック・ジャックが助け、その1年後に裁判を受ける。
「ブラッククイーン」(ブラック・クイーン)
クリスマスからフィアンセの誕生日に変更される。
「二人のピノコ」(ふたりのピノコ)
ロミが死亡せず、作中内の病気が架空の金属による中毒症に変更。また公害あるいは公害病といった台詞・描写も全面的に差し替えられており、ロミの写真も医療雑誌にあった公害病患者の写真から、ロミが子供服のモデルをやっていた頃の写真に変更。

上記のほか、挙げていくと多数になる。このように、ゴールデン帯で放送するには厳しい表現が抑えられ、原作では死亡する人物が大幅に削減し、オペでの臓器露出も大部分がカットされている。また、原作で倫理的に問題のあると思われるキャラクターの言動や、病気や人物に関する説明の箇所にある言葉が、変更されたり削除されたりしている。

物語の進み方が現在進行形型から、ブラック・ジャックがピノコに自分の過去として語ったり思い出にふけるなど回想型に変更されている話もある[2]

ブラック・ジャックとピノコの孤独が色濃く描かれているのに対し、写楽や哲などが彼らの親友、友人になっている[3]。また、ブラック・ジャックが1人だった話には、ほとんどピノコが登場している[4]

登場人物[編集]

ブラック・ジャック
声 – 大塚明夫
ピノコ
声 – 水谷優子
手塚医師
声 – 堀秀行

本節では漫画とアニメで設定の違いの多いキャラ、およびアニメオリジナルキャラのみを挙げる。ゲストキャラの代役を務めることがある。ブラック・ジャックの名前は以下、「B・J」で統一する。

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写楽(しゃらく)
声 – 佐藤ゆうこ
B・Jらが住む町の中学に通う少年でピノコの親友。坊主頭で額に絆創膏のいでたち。貧弱で気が弱い。
『Karte:38 未知なる者への挑戦』(以下、『Karte:38』)では宇宙人がB・Jとの意志疎通のために洗脳されてしまい、普段とは想像もつかない傲慢な態度になった。
元は同じ時期に漫画が連載されていた手塚作品『三つ目がとおる』の主人公写楽保介(しゃらく ほうすけ)。
放送では「シャラク」とカタカナ表記された時期がある。
和登(わと)
声 – 小野涼子
写楽の姉。見た目はかわいいが弟とは正反対に気が強く、剣道部の主将を務める正義感の強い女子高校生。両親が海外で仕事をしていることもあり、いつも写楽を心配している。劇中ではB・Jに恋心を抱いているかのような描写が見られるが、レギュラーキャラクターの中で彼女のみ、B・Jの手術を受けていない。こちらも元は『三つ目がとおる』の登場人物和登千代子で、後述の本間久美子は彼女を元と同じように「和登さん」と呼ぶため、名字か名前か不明だったが『Karte:38』で父・剣持の登場により、名前と判明した。
本間久美子(ほんま くみこ)
声 – 川瀬晶子
B・Jの恩師、本間丈太郎の娘。哲が経営する喫茶店「Tom」に住まわせてもらっていて、ウェイトレスのアルバイトもしている美少女。和登とは高校の同級生で友人。B・Jは公言していないが哲と同様、恩師の娘ということもあり『Karte:21 春一番』では彼女の目の手術を無償で行ったり[5]、女子高生にもかかわらず「さん付け」で呼ぶなど、他のキャラクターとは明らかな違いが見られた。また、久美子にとっては彼が初恋の相手らしい。原作では『満月病』のみの登場(この時の名前は「山下クミ」で名字が丈太郎と違う)。
ラルゴ
声 – 石井真
B・Jの家で飼われているメス犬。原作では『万引き犬』に登場し、地震で全壊した彼の家の下敷きとなり死んでしまうが、アニメでは手術を施され生き延びている[6]。普段はおとなしいが、近くにいる人間に迫っている危機を本能的に察知することができる。時にはB・Jの指示で緊急時の人探しに駆り出されることもある。
犬持(けんもち)
声 – 中庸助
写楽と和登の父親。外国で遺跡の発掘作業をしている。
『Karte:38』に登場。こちらも元は『三つ目がとおる』で写楽の養父。
哲(てつ)
声 – 富田耕生
喫茶店「Tom」のマスター。本間丈太郎への恩義から、その娘・久美子を家に住まわせている。元手品師。原作でも指を切断されたスリ「哲」として登場するが、和登や写楽を見守るキャラクターは『三つ目がとおる』の中華料理屋のヒゲオヤジ。
本間丈太郎
声 – 阪脩
BJの恩師で本間久美子の父。
  • オープニングナレーション
    声 – 立木文彦
    ※クレジット無し

『Karte46:文化祭の用心棒』にはhiroが本人役で特別出演し、2代目ED「Clover」を歌った(手塚アニメに本人役で出演する例はこれが初)。また、『Karte52:一瞬の目撃者』は、原作では手塚治虫本人が拘引されても警察署で漫画を描き続けるジョークシーンがあり(これは手塚作品なら珍しいことではないが)、それに因んでアニメでは監督の手塚眞(声優も本人)、チーフプロデューサーの諏訪道彦、プロデューサーの斎藤朋之、脚本の大和屋暁の名前のキャラクターが登場する。その他、手塚眞自身がファンという映画監督デヴィッド・クローネンバーグに因んだ人物を登場(Special Karte)させるなど、原作にも時折登場したようなこだわりや遊びも見られる。

本編終了後のコーナー[編集]

ピノコの日記(Karte00 – Karte10)
本編での名ゼリフをピックアップするコーナー。
Karte:NG(Karte11 – )
本編の制作をドラマの撮影とみなし、その撮影中に起きた(という設定になっている)NGやハプニングを紹介するコーナー。DVDには未公開NG集が収録されている。携帯サイトでも1話につき3本分のNGが配信されている。
  • なお、これらは後の千葉テレビにおける再放送ではカットされている(Karte01を除く)。

制作エピソード[編集]

アニメ版監督の手塚眞公式ブログにて、アニメ制作作業の進捗状況が公開され、アフレコ前には完成済みのビデオを渡して予習してもらっている、1X話放送時点で既に4X話の脚本に取りかかっているなど、眞の父・手塚治虫が低予算でアニメ制作を請けたことから始まる、アニメ製作現場における悪しき習慣を正そうとする姿勢が見られる。

作画監督によっては急にピノコの顔が可愛くなるなど(『Karte22:ピノコ大人計画』はその頂点にある)作画がバラバラになることがあるが、これには明確な理由がある。他のアニメーション作品であれば、(普通は1人、作品によっては複数人物)キャラクターデザイン担当者によるキャラ作画設定に従って、作画監督は作画・修正を行うものであるが、このアニメでは毎話ごとにキャラクターデザイン担当者が変わるシステムになっていて、主に各回の作画監督担当者が兼任することが多かった。これはストーリーの内容に合わせた画風にするのが狙いとのことである。例えば、劇的なストーリーや主に緊迫感に満ちたリアルさを要する話(『Karte43:ちぢむ!』など)などの場合には、杉野昭夫や内田裕が担当するなど。各人のオリジナリティを含んだキャラクターデザインを起用することで、性格的にも変化に富んだ、明るいBJや非情なBJなど、それぞれのストーリーに対応できる仕組みになっている。

原作でのストーリーを忠実に再現せず、ハッピーエンド(原作では死ぬことになっている人物・動物を生き延びさせる等)に終わらせることについて、手塚眞は「現在の社会情勢を考慮して(人が死ぬような)結末やストーリーを変更せざるを得ない描写があるため」といった趣旨の発言をしている。

本作がスタートする際の実写版予告CMにおいて、当時まだ無名の鳥居みゆきが出演している。

スタッフ[編集]

オープニングテーマ
「月光花」(Karte00 – Karte28)
作詞・作曲 – yasu / 歌 – Janne Da Arc
「Here I Am」(Karte29 – Karte51)
作詞・作曲・編曲 – 小室哲哉 / 歌 – globe

  • サビに入る前に、如月恵(けい)、桑野このみ(ブラッククイーン)、ドクター・キリコ、琵琶丸がランダムで登場する[7]
「Fantastic」(Karte52 – Karte61)
作詞・歌 – 鈴木亜美 / 作曲 – y@suo ohtani / 編曲 – 原田憲

  • 2005年12月5日より変更。
  • 前奏でその日の話を簡略化した映像が流れ、それに合わせてあらすじをB・Jが語り「Todays Karte 〇〇(その日のタイトル)」といってOP映像に切り替わる。この手法は後の『ブラック・ジャック21』にも引き継がれている。
エンディングテーマ
「黒毛和牛上塩タン焼680円」(Karte00 – Karte28)
作詞・作曲・歌 – 大塚愛 / 編曲 – 大塚愛、Ikoman

  • Karte17ではこの回のゲストキャラクター・朝戸レイが本曲をステージ(夢の中ではあるが)で披露している。
「clover」(Karte29 – Karte51)
作詞 – 西田恵美 / 作曲 – 関山弘之 / 編曲 – SiZK、華原大輔 / 歌 – hiro

  • 2代目オープニングテーマと共に2005年5月30日より変更。
「careless breath」(Karte52 – Karte61)
作詞 – Kenn Kato / 作曲 – 菊池一仁 / 編曲 – 原田憲 / 歌 – EXILE

  • 後の『ブラック・ジャック21』に引き継がれる。

秘蔵版スペシャルでは、「月光花」が『Special Karte:ひったくり犬』のオープニング、「Fantastic」が『Special Karte:樹海のかまいたち』のオープニング、「careless breath」が『Special Karte:樹海のかまいたち』のエンディングに使われた。

各話リスト[編集]

2004年10月25日、12月27日、2005年1月3日、10日、3月28日、4月4日、7月25日、9月19日、26日、10月3日、12月12、26日、06年1月2日は特別番組、04年12月20日と06年1月9日は『名探偵コナン』2時間スペシャルのため休止。

  • 『Karte00:オペの順番』『Karte01:消えた針』は初回1時間スペシャルとして放送。原作では最終回にあたる。
  • 『Karte21:春一番』『Karte22:ピノコ大人計画』は春の1時間スペシャルとして放送。
  • 『Karte49:人面瘡の本音』はOVA版の『カルテIX:人面瘡』とは関係ない。またラストで犯人は判決で終身刑を言い渡されるが実際の日本に終身刑はない。
  • 『Special Karte:ひったくり犬』『Special Karte:樹海のかまいたち』は秘蔵版スペシャルとして放送。また、『ひったくり犬』は、本来は2004年10月25日分のKarte03として放送する予定であったが、新潟県中越地震の影響でSpecial Karteへの放送となった。

2時間スペシャル[編集]

『ブラック・ジャック2時間スペシャル 〜命をめぐる4つの奇跡〜』[編集]

讀賣テレビ放送・手塚プロダクション制作。讀賣テレビ放送・日本テレビ系にて2003年12月22日19時00分 – 20時54分に、同名原作4作品をベースにしたエピソードが放映された。手塚眞監督。主題歌はB’z「ROOTS」。テーマ曲は松本孝弘「THE THEME OF B.J.」。

このアニメの好評からレギュラー放送が開始された。BJとピノコの声優はOVA版から引き継いでおり、「Tom」のマスター(哲)と本間久美子役もそのままレギュラー放送でも続投されることとなる。特別出演に加藤浩次、山本圭一(共に極楽とんぼ)、大和田伸也、手塚眞。

各話ストーリーとキャスト[編集]

Karte:1 医者はどこだ!
ストーリー
西洋の国で、札付きの不良で町内の大富豪・ニクラの息子であるアクドが自損事故で瀕死の重傷を負う。息子の命をどうにかして救いたいニクラは有能な医者はいないかと命じる。そんな中、息子を救える可能性がある医者として日本よりBJが呼び出される。
キャスト
Karte:2 勘当息子
ストーリー
ある田舎で、帰りの手段を失い路頭に迷っていたBJとピノコは、ひょんなことから一人の老婆が住む家に泊めてもらうことになった。その日は彼女の還暦であり、老婆は久々に子供たちが帰って来るのをひたすら楽しみにしていた。そのとき、突然彼女の家にやって来たのは、老婆とその亡き夫との軋轢で家を追い出されていた四男であった。
キャスト
Karte:3 U-18は知っていた
ストーリー
コンピュータが診察し、コンピュータが手術をする。そんな巨大ハイテク病院を制御するメイン・コンピュータ《ブレイン》がある日突然、入院患者を人質にとって反乱を起こした。「ワタシハビョウキデス。ブラック・ジャックヲ ツレテキナサイ」。駆け付けたBJは、コンピュータの手術をはじめる。
キャスト
Karte:4 ときには真珠のように
ストーリー
ピノコがナイフを探していると、石の棒が見つかった。中には一本のメスが入っている。そのメスでケーキを切ろうとするピノコをBJが引き止める。そして、ピノコにこれは本間丈太郎のものだと告げ、過去を回想する。ある日、BJに小包が届く。開けるとそれはカルシウムが凝固して出来た棒で、中にはメスが入っていた。送り主は本間丈太郎だ。BJは本間のもとへと急ぐ。本間は老衰だったがその日は調子が良く、懺悔を話し出す。実は石の棒は、まだ幼いBJのオペの際に体内に置き忘れたままだったメスだった。ここまで話すと本間は、「人間が生き物の生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね…」と言い残し、意識を失う。近くの病院でオペをするが、本間は甲斐なく死去した。そのあとBJは、「あなたの言うことは正しいが、私は医者だ」と、そのメスを崖から海に向かって投げ、去ってゆく。
キャスト
  • 八百屋、若い医者 – 山本圭一(特別出演)
  • 若い医者 – 加藤浩次(特別出演)

スタッフ(SP)[編集]

  • 企画 – 清水義裕、諏訪道彦
  • 監督 – 手塚眞
  • 脚本 – 吉村元希(Karte1・3)、大和屋暁(Karte2・4)
  • キャラクターデザイン・総作画監督 – 神村幸子
  • 絵コンテ – こだま兼嗣(Karte1・2)、森田浩光(Karte3・4)
  • 演出 – 前島健一(Karte1)、佐藤照雄(Karte2)、三家本泰美(Karte3)、佐山聖子(Karte4)
  • 作画監督 – 小林ゆかり(Karte1)、河南正昭(Karte2)、水村十司(Karte3)、熊谷哲矢(Karte4)
  • 美術監督 – 柴田正人
  • 撮影監督 – 岡崎英夫(Karte1)、川口正幸(Karte2)、堀越弘伸(Karte4)
  • 色彩設定 – 岡野強
  • 音楽 – 池田大介
  • 音響監督 – 浦上靖夫、井澤基
  • チーフプロデューサー – 諏訪道彦
  • プロデューサー – 久保田稔、宇田川純男、植田益朗
  • 製作 – よみうりテレビ、手塚プロダクション

アニメ映画[編集]

『ブラック・ジャック ふたりの黒い医者』[編集]

2005年12月17日公開作品。東宝配給。手塚眞監督。『ブラック・ジャック』の劇場版。原作から複数のエピソード(『恐怖菌』『ふたりの黒い医者』『タイムアウト』『湯治場の二人』)を引用して、劇場用オリジナルストーリーとして再構成したもの。音楽は初期の手塚アニメを手がけた冨田勲が担当。主題歌はTourbillon「もう一度君に」。出﨑統監督の劇場アニメ『BLACKJACK(ブラックジャック劇場版)』と本作は関連が一切無いが、事実上の1作目、またエンディングはTVスペシャル並みに作られている。なお、劇場上映では本編の前に短編のアニメーション「Dr.ピノコの森の冒険」が併映された(冨田勲の音楽で映像と音がシンクロしている)。

ストーリー[編集]

京都のダイダロス製薬会社のビルで爆発事件が起きた。BJは友引警部によって留置されていたが、負傷した患者を治すことを条件に放免され、事件現場で瓦礫に挟まれていて動かせなかった幼児を危機一髪で助ける。

それから1か月後、BJは爆発事故で母親が危篤状態だという兄妹から依頼を受ける。一方、その母親はドクター・キリコに安楽死を依頼していたのだったが、そこへBJが駆けつけて患者の手術を開始した。手術は無事成功したものの、後にその親子が事故死したと聞かされBJは絶叫する。

ショックを受けたBJはメスを鍛えてもらうため、針師・琵琶丸と共に刀鍛冶の馮二斉(ひょうじさい)を訪ねるが、直後に馮二斉は医の道を説く遺言を遺し死んでしまう。BJはその遺言の真の意味を理解できず、絶望感を深めていった。

そんな中、BJはテロ組織「イカロスの亡霊」のロックらによってイカロス島に連れていかれる。そこには「サタン」という細菌に感染した患者たち、そしてキリコがいた。患者をめぐり、BJとキリコは命をかけた対決を行う。

登場人物(映画)[編集]

ドクター・キリコ
声 – 鹿賀丈史(予告編のみ若本規夫)
ロック
声 – 石垣佑磨(女装時:ゆかな)
イカロスの亡霊のメンバー。優秀な研究員だった両親をダイダロスによって殺されたため、ダイダロスを憎んでおり、シルバーモデルの回転式拳銃を所持している。自分の故郷でもあるイカロス島に訪れた際にハカセに「サタン」を注入されてしまうが、自身の血中に「サタン」の免疫が作られていた為、唯一症状が出ずに済んでいる(実は事故発生の際、細菌の製造に加担していたことを知り発見した「サタン」のワクチンを隠し持っていた両親が既に彼の体内に注入していた)。その後、BJとのやり取りでハカセとギルが裏切り者だったと知ると、イカロス島に訪れたミスターグッドマンに報告し、「サタン」に対する免疫が自身の体内にあると説明する。しかし、そのミスターグッドマンがゴアであったことを知り、すぐさま射殺しようとするもギルにより妨害され、BJが船に乗り込んで来たおかげで脱出には成功したものの、ギルの銃撃によって肩を負傷。それでもBJの手当てを拒否し、すぐさま研究所に戻ってゴアとの戦いの末に杖に仕込んでいたナイフで腹部を刺されて致命傷を負うが、同時にギラから奪っていたブーメランナイフで彼の胸部を刺して致命傷を負わせる。その後、ミドリのために血液を提供し、自分はもう助からないと悟ると、BJに脱出用に用意しておいたボートを使ってミドリと共に逃げるように言い残し、静かに息を引き取った。
ミドリ
声 – 平山あや
ロックの婚約者で、生物学者の女性。イカロスの亡霊と共にイカロス島を訪れた際にハカセに「サタン」を注入されて感染してしまうが、ロックの輸血のおかげで体内に免疫が作られたために軽い症状で済み、生き延びることができた。その後、ロックの輸血と共に手術され、BJ、キリコと共にイカロス島を脱出し、最後にはBJに「ロックは、あんたの中で生きている」と諭され、涙を流す。
ピック
声 – 笹沼晃
イカロスの亡霊のメンバー。ロックとダボリングとは違い、無関係な人間を巻き添えにしたことに罪悪感を抱いていた。ロックらとイカロス島を訪れた時にハカセに「サタン」を注入され、キリコに安楽死させられそうになり、苦しみつつもBJに命乞いをするが、最期は彼の手術の甲斐も無いまま肺水腫で死亡してしまう。
ダボリング
声 – 江川央生
イカロスの亡霊のメンバー。ロックと共にダイダロスを憎んでおり、「世界を救うと言いながら大儲けを企んでる偽善者」と酷評している。ロックらとイカロス島に訪れた時にハカセに「サタン」を注入され、末期状態の危機に陥ってしまい、最期はキリコによって安楽死させられた。
ギラ
声 – 深見梨加
イカロスの亡霊のメンバーで、金髪のパンクヘアーと吊り目、パープルの口紅が特徴の女。ブーメランにもなるナイフを愛用している(ゴアの船から海へ飛び込んだBJとロックに追い討ちする時のみ拳銃を使用している)。ギルと共にロックを裏切り、ゴア、ギルと共に研究所で「サタン」のサンプルを見つけた後で彼を始末しようとするが、ロックを撃ち殺そうとしたギルに誤って額を撃たれて死亡した。
ギル
声 – 石井康嗣
イカロスの亡霊のメンバー。常にサングラスをかけているため素顔は不明。自動式拳銃を所持している。ギラと共にロックを裏切り、キリコに「サタン」を注射され、彼とBJによって真相を知ったロックに問い詰められていたハカセを射殺し、次いでにロックを始末しようとするが、ポリーに妨害されたり、ゴアに止められた直後にBJに鉄パイプで殴り倒されたり、研究所で「サタン」のサンプルを見つけた際、誤ってギラを射殺してしまったりと何度も失敗に終わる。その後、ミドリと共に脱出を図ったBJに対して銃撃を行い、止めに入ったキリコにも銃撃して重傷を負わせるが、BJが投げたメスが額に刺さり死亡した。
ハカセ
声 – 青野武
イカロス島の医師だが、実は裏で暗躍する者の一人で、ゴアに様々な密告をしていた。ハカセという名は通称(自称)で、本名は不明。語尾に「~でしぃ」とつけるのが口癖。ロックらがイカロス島に訪れた際、実験台の為に「伝染病の予防」と偽って「サタン」を注入し感染させる。しかし、自身もキリコによって「サタン」を注射され、更にロックにも秘密が知られてしまい、二人に問い詰められた挙句ギルに射殺される。
ゴア
声 – 大和田伸也
表向きは難病の根絶を目標に世界中の病院や研究施設に多大な支援をしている大手製薬企業ダイダロスの会長だが、真の姿は「イカロスの亡霊」の首領で、イカロス島にいた他の感染者もろともロックの両親を殺した張本人である。船にてロックの体内に「サタン」の免疫があると知ると、今まで自分がした事を全て話し、「一緒に世界のトップに立とう」と勧めるが、BJが船に乗り込んで来た事によりロックを逃がしてしまう。その後、研究所にて「サタン」のサンプルを見つけた後に起爆装置を作動させ、ロックを杖に仕込んでいたナイフで刺したが、彼がギラから奪ったブーメランナイフで胸部を刺された事が致命傷となり、キリコに命乞いをするも結局は安楽死させられた。
ミスター・グッドマン
声 – 有本欽隆
ロックとミドリ同様ダイダロスを恨む実力者。白いスーツに仙人を彷彿とさせる白い長髪と眉毛、髭をたくわえているのが特徴。正体はダイダロスの会長ゴア。サタンを用いて富を得るために変装し、孤児だったロックを拾い、彼とミドリを大学で引き合わせるなどしていた。
ポリー
声 – 丸山美紀
イカロス島に生息する黄緑色のリスに似た生物で、ロックの相棒兼ペット的存在。猿に似た声で鳴く。他の島の獰猛な生物に対して威嚇したり、ギルやゴアに飛びついたりするなど勇敢な一面も見せる。BJ、キリコ、ミドリと共に島を脱出し生還する。
琵琶丸
声 – 野沢那智
馮二斉
声 – 小林清志
兄妹の母
声 – 伊藤美紀
声 – 緒方恵美
声 – 柚木涼香
医師
声 – 川津泰彦
救急隊員
声 – 菅原淳一、三戸耕三、小野大輔
陣内隊員
声 – 陣内智則
黒田医師
声 – メッセンジャー黒田
通行人
声 – 菊丸文太
ウェイトレス
声 – 手塚千以子

スタッフ(映画)[編集]

原作と映画版の違い[編集]

  • 感染したイカロスの亡霊の2名(ピックは肺水腫で死亡、ダボリングはキリコによって安楽死されてしまう)、原作では船員がBJの治療によって助けられる。
  • ビルに挟まった子供の名前、映画ではトモだが、原作ではタカシ。

劇中設定[編集]

イカロスの亡霊
謎のテロ組織。ダイダロスのビルを爆破したが、その理由はロックの両親がダイダロスによって見殺しされたことの復讐である。しかし、突然サタンに感染し、ピックは肺水腫で死亡し、ダボリングはキリコによって安楽死されてしまうが、この感染は実際にはゴアの陰謀によるものである。終盤ではイカロスの亡霊のメンバーが全員死亡という無惨な結末になってしまう。
ダイダロス
大手製薬会社で、会長はゴア。イカロスの亡霊の標的になったが、実態はゴアによる自作自演で、サタンとそのワクチンで富を得るためにはビルなど惜しくもないことがゴアの口から明かされた。
サタン
感染病。イカロスの亡霊のメンバーとミドリが感染した。正体はゴアの陰謀によって作られた細菌で、キリコ曰く「みるみる体中が膿出て、脳が溶けていく」。唯一生き残ったのはミドリのみである。
イカロス島
サタンの感染源の島で、ロックが生まれ育った故郷。関連施設はゴアが起爆装置を作動させたため、爆発で消滅した。

『Dr.ピノコの森の冒険』[編集]

『ブラック・ジャック ふたりの黒い医者』と同時上映。ピノコが主人公のオリジナルのショートストーリー(本編前の7分間の作品)。冨田勲により、キャラクタの動作と同期した音楽が付けられている。

本短編は絵本も出ている。

  • 「Dr.ピノコの森の冒険」単行本:41ページ、出版社:小学館、ISBN 4-09-750841-5、発売日:2005年12月。
あらすじ
BJに忘れ物を届けようとして森に迷い込んだピノコとラルゴ。ピノコは森で怪我をしていた動物たちを治療する。そして洞窟に眠るユニコに出会う。
キャスト

映像ソフト化 [編集]

  • テレビスペシャル「ブラック・ジャック2時間スペシャル 〜命をめぐる4つの奇跡〜」のDVDは2004年12月17日発売。
  • 本編のDVDは2005年8月3日~2007年4月4日発売。全21巻。
  • 映画『ブラック・ジャック ふたりの黒い医者』は2006年7月14日発売。
  1. ^ そのため、ブラック・ジャックのワットマン博士への問い詰めも「結婚前か?」から、「子供はいないのか?」に変更されている(視聴者は彼女の回想で事前に知っている)。
  2. ^ 「時には真珠のように」、「ピノコ誕生」など
  3. ^ 続編『ブラック・ジャック21』第2話、3話はそれがより深く描かれており、最終回では帰国後真っ先に「Tom」を訪れている。
  4. ^ 例は「ブラック・ジャック2時間スペシャル ~命をめぐる4つの奇跡~」のKarte:4以外全て。
  5. ^ 正確には完治するまで2ヶ月間、「Tom」でコーヒーとミックスジュースをタダにすること。
  6. ^ 地震は原作ほど大きくなく、倒れてきた家屋の下敷きになって瀕死の重症を負った。
  7. ^ 4人中、このOPの間に本編に登場するのは琵琶丸で、如月恵(けい)は続編『ブラック・ジャック21』を合わせても登場しない。
  8. ^ a b c d e f g h i j k 苗字や名前はアニメ独自の設定。
  9. ^ 最終的に険悪になり、Karte07以降一切絡みがなくなった。実際Karte33では写楽は学校を楽しんでいる様子だった。

外部リンク[編集]


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