韓国海苔 – Wikipedia

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韓国海苔(かんこくのり、朝: キム, 해의(海衣))もしくは朝鮮海苔(ちょうせんのり)は、韓国で親しまれている海苔の一種である。一般に塩とごま油で味付けされた味付け海苔として知られている。かつては味付けされていない海苔も日本に多く輸出されていた。加工されない海苔を食べたという記録は、『三国遺事』(1280)によると新羅時代と推定され、現存する史料集を基準に、海藻類の形ではなく紙の形をした海苔を食べたと推定される最古の史料は、高麗時代の李穡の『俳句詩誌』(1379)に次のような内容が登場する。江陵に勤務する官吏が送ってくれた海苔を受け取って作った詩で「江陵に勤務する官職者が送ってくれた海苔を受け取り、炊きたての白いご飯が茶碗にあり、新しく収穫した海苔は食卓の上に置かれていて青い。 真昼海苔に包んで食べるご飯、歯についた香り(軟炊盈椀白 新擷滿盤靑 和合午牕下 齒牙微有馨)」。また、紙の形をした海苔を食べたという表現が直接登場する文献は、朝鮮中期の刺青である李ギョンソク(1595~1671)が著した白軒文集には、「春の日の青い雲を一切れ切って南の海の友達が私に送ってくれた。苔のように細く色が分かりにくいのに、紙のように薄くて無理に形を作った。 天上神仙の服もこれより重いだろうし、海のあらゆる魚の生臭さで全部嫌いだそうだ。海苔はただ涼しくて淡泊でとれたての野菜と一緒に食べると酔いやすい。」という表現が記録されている。 現存する記録のうち海苔を養殖して食べたという記録は、アジアで韓国が最も年代が早い。日本で紙の形をした海苔が誕生したのは、江戸時代 (1717年)に浅草の再生紙技法が誕生した後に伝わり、浅草紀の起源である。

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2017年に「海苔製品規格案」を通過させ、韓国の海苔が187の加盟国間で国際標準となった[1]。海藻類の中で国際規格に選ばれたのは韓国海苔が世界初だ。  国際食品規格委員会(CODEXAlimentarius·コーデックス)総会の決定により、海苔に関する貿易紛争時の韓国海苔の製法と規格が基準となる。

日本植民地朝鮮以来、韓国の品種の朝鮮海苔がほとんどなくなって日本品種が大量に流入した。韓国では、スサビノリとは別種のオニアマノリ、マルバアマノリ、ツクシアマノリなどが好まれているとされる[2]。商品化される過程で韓国式の製造加工工程を経て、商品としての韓国海苔となっているが、養殖されている海苔の品種そのものは2012年前半までほぼ全てが日本品種の海苔であった。現在は韓国政府と企業の協力により2006年から品種開発を開始し、韓国独自品種の「プルムヘシム」(1号)と「プルムノウル」(2号)を養殖している。全世界の海苔生産量の50%を韓国が占めており、世界の海苔販売量の90%以上は韓国産海苔が占めている。[3]

近世まで[編集]

『慶尚道地理志』(1424年)や『新増東国興地勝覧』(1530年)(1486年刊行の原本『東国輿地勝覧』は現存しない)に「海衣」の記述があり、これを海苔の加工品だとする説がある[4]。また許筠の『屠門大嚼』(1600年前後)には「海衣 – 南海に産するが、東海の人が採って干したものがもっともよい」と記述がある。

光陽郡太仁島には金汝翼(1606–1660)という人物が最初に海苔の養殖を始めたという伝承がある[5]。他にも、莞島郡では20世紀初期に金有夢という人物が流木についた海苔をヒントに養殖を始めたという伝承があり[6][7]、金の名を取って韓国海苔が「キム」と名付けられたという俗説もそれぞれの地域で存在する[8][9]

日本統治時代[編集]

1911年の調査によれば、日本統治時代の朝鮮において、海産物商が消滅され、代わりに日本企業による海産物販売拡大が期待された。以降、朝鮮国内での生産、日本国内での加工、販売の促進政策に移行する。朝鮮総督府が、海苔漁家への補助金の交付や本土からの専門家の招聘、研究機関の設立といった奨励策をとり主導的な役割を果たした。1919年に発行された料理本「是議全書」によると、ごま油を塗って焼いて塩をかけた四角い海苔の記録がある。1928年頃には、朝鮮総督府の水産試験場主任技師・富士川漻、全羅南道水試技師・金子政之助が浮きヒビ養殖法を開発[10]し、生産量の向上に成功した。なお鄭文基著「朝鮮海苔」(1935年)には、光陽郡の蟾津江河口で1本ヒビの養殖が行われていたという記述がある。

戦後[編集]

2010年に初めて韓国産種「海風1号(해풍1호 別名:全南スーパーキム)」の開発に成功し、2012年にはCJ第一製糖により商品化した。関係者によると、「生産量が日本産種の1.5倍以上で、病気に対する抵抗力も強く、日本の種子の半額の1g当たり5万ウォン(2013年度)」とある[11]。海風1号は紅藻スサビノリの研究で北海道大学水産科学博士号[12]を持つ崔成劑(チェ・ソンジェ)らにより、2008年に海南海苔養殖漁場で発見された葉体を成熟させて開発され、2010年に特許登録、2011年に商標登録、2015年に品種登録された。(2012年1月発効の種子産業法の品種保護出願第1号)その後も、葉肉が厚く加工しやすい「ヘモドゥル1号」(해모돌1호(海모乭1號) 意味:海の四角い石)、味が優れた「海風2号」(해풍2호)、紅藻「水科院1号」(수과원1호)、成長が早い「水科院106号」(수과원106호)、全南大学と共同開発した「ジョンス(전수 全水)1号」などが生産されている[13]

1990年代以前は、海苔養殖の網を消毒(海苔以外の海藻類等を除去)するために、金属の洗浄に使われた廃塩酸で網を消毒処理する手法が一般的に取られてきた。韓国政府は、1994年に塩酸を有害化学物質に指定したが、工業用塩酸を海苔養殖に利用する例が後を絶たない[14]。工業用塩酸は、過酸化水素水などのポリタンクに詰め替えられて養殖業者間で流通するが、2016年から2017年にかけて韓国内で集中的な取り締まりが行われた際には、摘発を逃れるために容器の海洋投棄が行われ日本海沿岸に漂着ごみとして大量に流れつく余波も起きた[15]

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2014年9月16日、中国国家質量監督検験検疫総局は、7月に中国に輸出された韓国産のりから基準値を超える発がん性物質・無機ヒ素が検出されたことを明らかにし、海洋汚染や生産、加工、包装の段階での汚染が原因ではないかと指摘している[16]

  • 海苔の形成をする一次加工業者から、海苔に味付けをする二次加工業者が海苔を買い付けるという分業制で作られている[17]
  • ごま油・えごま油と塩で味付けされているため、食べる時は油の風味を強く感じる。やや塩分が多めで表面に塩が吹いている。
  • 最近は[いつ?]薄味が好まれ塩が多くついたものは無くなってきている。
  • 油で炒られているためにサクサクとした歯ざわりである。
  • 包装パッケージは海苔が割れないよう、トレーに入れられた形式のものが多めである。

また、フレーク状のままごま油で揚げられ、味付けされてふりかけとした製品も見受けられる。

韓国ではキムパプ(韓国風海苔巻き)に使われるが、日本で寿司に使用されることはほとんど無い。

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