ひずみエネルギー – Wikipedia

ひずみエネルギー (Strain energy) とは弾性体に外力が仕事をした場合、弾性体に蓄えられるエネルギー。単軸引張状態では、応力σ、ひずみεが生じている体積V の物体に蓄えられるひずみエネルギーU は、

となる。

棒材のひずみエネルギー[編集]

全長

l{displaystyle l}

の弾性体に作用する外力やモーメントを、軸力

N{displaystyle N}

、曲げモーメント

M{displaystyle M}

、せん断力

Q{displaystyle Q}

とすると、ヤング係数

E{displaystyle E}

、断面積

A{displaystyle A}

、断面二次モーメント

I{displaystyle I}

、せん断弾性係数

G{displaystyle G}

、形状係数

κ{displaystyle kappa }

の部材に蓄えられるひずみエネルギー

U{displaystyle U}

は、

で与えられる。

トラス[編集]

トラス構造では、主に作用するのは軸力なので、部材数 m の場合

[編集]

梁構造では、主に作用するのは曲げモーメントとせん断力であるから、

補足ひずみエネルギー[編集]

次式で定義されるUC を、補足ひずみエネルギーまたはコンプリメンタリひずみエネルギーcomplementary strain energy)という。

上式の括弧の中は補足ひずみエネルギー密度関数と呼ばれる[1]。線形弾性体では UC = U であるが、高分子などの非線形弾性体では両者は異なる。

  1. ^ 野田直剛; 谷川義信; 須見尚文; 辻知章 『基礎弾性力学』(8版) 日新出版、1999年、39頁。

    ISBN 4-8173-0146-5。 

関連項目[編集]