バレンシアの熱い花 – Wikipedia

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バレンシアの熱い花』(バレンシアのあついはな)は、宝塚歌劇団のミュージカル作品。柴田侑宏作。

あらすじ[編集]

19世紀初頭のスペイン、バレンシア地方。フランスの息のかかった領主ルカノールは横暴を繰り返していた。

軍務から2年ぶりに帰郷した前領主の嫡子フェルナンドは、父を暗殺したのがルカノールであると知り、復讐を決意、父の死の真相を知る退役軍人レオン将軍の策に従って軍から退き、遊び人を装う。

フェルナンドは遊び人になりきるために酒場に通いはじめ、酒場で歌い手として働くラモンやイザベラと親しくなっていく。

またルカノールの甥・ロドリーゴも恋人シルヴィアを叔父に強奪され、専横を極める叔父に面と向かって逆らうこともできず、ただ叔父への憎しみを募らせる日々を過ごしていた。

共通の敵をもつフェルナンドとロドリーゴは協力してルカノールを倒すことを誓い、ラモンにも盟友となるよう誘いかける。ラモンは誘いを断るものの、妹ローラがルカノールの部下に射殺される事件がおこり、遂に仲間に加わる。彼らは「黒い天使」を名乗り、夜な夜な悪党を倒していった。

フェルナンドと酒場のイサベラは恋に落ちるが、フェルナンドは婚約者マルガリータを裏切れず、またイサベラも、フェルナンドと時を過ごせるのは、彼の復讐に目処がつくまでのひとときにすぎないと悟っていた。一方ロドリーゴはシルヴィアと秘かに愛情を確かめ合っていた。

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レオン将軍率いる義勇軍が決起し、ついにルカノールとの決戦の日が来た…

登場人物[編集]

  • フェルナンド・デルバレス侯爵:前領主の嫡子。マジョルカ島からバレンシアへ帰還し、父の復讐に燃える。
  • ロドリーゴ・グラナドス伯爵:フェルナンドの友人でルカノールの甥。
  • ラモン・カルドス:酒場で働く青年。イサベラに恋している。
  • イサベラ:酒場の女性。自らがフェルナンドとは本来違う世界の人間だと自覚している。
  • シルヴィア:反逆罪で捕えられた父を救うためにルカノールの妻となる。 
  • マルガリータ:フェルナンドの婚約者でレオン将軍の孫娘。純粋にフェルナンドを慕っている。
  • ルカノール公爵:現領主。
  • レオン将軍:人望豊かな退役軍人。
  • セレスティーナ侯爵夫人:フェルナンドの母。
  • 「瞳の中の宝石」 – イベントの際にたびたび歌われている。
  • バレンシア」 – もともとはJose Padilla Sanchezがサルスエラ向けに1924年に作曲したもので著作権は消滅している。海外でも訳詞がなされているが、高木史朗による日本語の訳詞は宝塚歌劇団のみが使えるようJASRACに全信託されており著作権は消滅しておらず、録音・録画は禁止されている。

これまでの上演[編集]

初演・1976年月組
  • 宝塚大劇場:11月12日-12月5日(新人公演:11月26日)
  • 形式名は「ミュージカル・ロマン」
  • 20場
  • 本公演の伴演作は『紙すき恋歌』
  • 榛名由梨のトップお披露目公演。
1979年月組
  • 東京宝塚劇場:11月2日-11月26日(新人公演:11月13日)
  • 伴演作はグランド・レビュー『ラ・ベルたからづか -美しき宝塚-』
  • 初演が好評を博したが、東京公演がなかったこともあって再演希望の声が寄せられ、希望に応える形で変則的に東京でのみ再演された。
2007年宙組
  • 宝塚大劇場:6月22日-7月30日(新人公演:7月10日)、東京宝塚劇場:8月17日-9月30日(新人公演:8月28日)
  • 演出は中村暁、振付をANJU(元花組男役トップ安寿ミラ)が担当した。
  • 本公演の伴演作(ショー)はコズミック・フェスティバル『宙 FANTASISTA!』
  • 形式名は「ミュージカル・ロマン」
  • 18場。
  • 大和悠河・陽月華の大劇場お披露目公演。
  • ロドリーゴ役とラモン役は、蘭寿とむと北翔海莉が役替わりで務めた。
  • ベテラン脇役・鈴鹿照がこの作品をもって定年退団。そのため密偵ホルヘの役の比重を大きくしたり、クライマックスシーンの変更が行なわれた。
役替わり日程(宝塚)[7]
  ラモン ロドリーゴ
6月22日(金)-7月6日(金) 蘭寿とむ 北翔海莉
7月7日(土)-7月20日(金) 北翔海莉 蘭寿とむ
7月21日(土)-7月30日(月) 蘭寿とむ 北翔海莉
役替わり日程(東京)[8]
  ラモン ロドリーゴ
8月17日(金)-8月31日(金) 蘭寿とむ 北翔海莉
9月1日(土)-9月14日(金) 北翔海莉 蘭寿とむ
9月15日(土)-9月30日(日) 蘭寿とむ 北翔海莉
  • 全国ツアー公演として、10月30日-11月25日まで続演された。
2016年宙組

スタッフ(宝塚公演)[編集]

1976年[編集]

2007年[編集]

配役一覧[編集]

( )は新人公演。

宝塚ファンとしても知られる、さいとうちほによる作画。宝塚GRAPH誌・1998年9〜12月号に掲載され、その後以下の単行本に収録されている。

参考資料[編集]

外部リンク[編集]

2007年・宙組
2016年・宙組


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