中央即応集団 – Wikipedia

中央即応集団(ちゅうおうそくおうしゅうだん、英: JGSDF Central Readiness Force:CRF)は、陸上自衛隊における、防衛大臣直轄の機動運用部隊[1]。日本の新防衛大綱に基づき2007年3月28日に創設され、2018年3月26日付をもって廃止された。

有事に迅速に行動・対処する為の部隊として機動運用部隊(第1空挺団・第1ヘリコプター団)や専門部隊(特殊作戦群・中央特殊武器防護隊など)を一元的に管理・運用する目的と、国際平和協力活動に関する研究及び教育訓練(国際活動教育隊・国際平和協力活動等派遣部隊)および指揮を行う為に新設された。国内展開時には、増援・緊急対応部隊として機能し、国外展開部隊に対しては指揮機構の役割も有する。創設時の人員は約3,200名、2008年3月末の3個部隊発足により人員は約4,500名となっている。

従来、陸上自衛隊の上級指揮官には「○○長」または「総監」の職名が用いられてきたが、中央即応集団にあっては指揮官名として陸上自衛隊では初めて「司令官」が用いられることとなった。司令官には陸将[2](指定職3号)[注 1]が就き、防衛大臣の直接の指揮監督を受ける[3]。国内担当と国際担当のそれぞれ一人ずつの副司令官には陸将補が就く[2]

シンボルマークは日の丸を背景に、上に3つの桜花章、中央に青の世界地図、下に黄で「CRF」の文字(陸将の下、日の丸を背負い、世界規模で活躍―ウェブサイト解説より)。26中期防に基づき中央即応集団は廃止され、その隷下部隊は新設の陸上総隊に移行した[4]

  • 2007年(平成19年)
  • 2008年(平成20年)
  • 2009年(平成21年)
  • 2010年(平成22年)
  • 2011年(平成23年)
    • 1月15日:国際連合ネパール支援団の任務終了。18日、第4次軍事監視要員6名が帰国
    • 3月11日:福島第一原子力発電所事故の対応を、全組織に対して現場統括。
    • 9月30日:国際連合スーダン派遣団の任務終了に伴い、司令部勤務要員が帰国。
    • 10月21日:福島第一原子力発電所事故の対応に当たった現場指揮官2名が、消防、警察と共にスペインのアストゥリアス皇太子賞平和部門を受賞[6]
    • 11月28日:国際連合南スーダン派遣団の司令部がある首都ジュバへ自衛官2名を派遣
  • 2012年(平成24年)
  • 2013年(平成25年)
  • 2015年(平成27年)
    • 4月:ネパール地震復興支援のため、国際緊急援助隊が編成・派遣された。
  • 2017年(平成29年)
  • 2018年(平成30年)

廃止時の編成[編集]

国際平和協力活動等派遣部隊

司令部[編集]

中央即応集団司令部は発足当初東京都練馬区の朝霞駐屯地に置かれた。神奈川県相模原市のアメリカ陸軍第一軍団司令部との連携強化を目的として2013年3月26日から廃止までの間キャンプ座間(座間駐屯地)に所在していた。

師団及び旅団司令部は第一部・第二部のように数字で部の名称を表しているが、中央即応集団司令部は職務内容を表す用語を部の名称としている。ただし、基本的な各部の職務分掌は共通している。第一部と人事部、第二部と情報部、第三部と防衛部、第四部と後方補給部の職務はほぼ等しい(司令部#陸上自衛隊の師団の司令部等の構成を参照)。

また、中央即応集団司令部は方面総監部と同様、2名の幕僚副長(1等陸佐)が置かれている。司令部編成は下記のとおり[8]

注釈[編集]

  1. ^ 発足当時は指定職2号

出典[編集]

外部リンク[編集]