真岡鐵道モオカ14形気動車 – Wikipedia

真岡鐵道モオカ14形気動車(もおかてつどうモオカ14がたきどうしゃ)は、2002年(平成14年)に営業運転を開始した真岡鐵道の気動車である。

真岡鐵道開業時から使用してきたモオカ63形は、富士重工業(現:SUBARU)によるLE-CarIIシリーズであり、バス部品を多用していたこともあり経年による老朽化が目立ち始めていた。

本系列はこれらモオカ63形の置換え用として2002年(平成14年)から製作が開始され、2006年までに9両が増備された。形式の「14」は平成14年に登場したことにちなむ。

製造は1・2が富士重工業で、導入途中の2003年に同社が鉄道車両事業から撤退したため、3以降は日本車輌製造である。

車体[編集]

車体は富士重工業のLE-DCの仕様を踏襲しつつ、より一般の鉄道車両に近い構成とした前面貫通扉付・18m級2扉の普通鋼製となっている。構体は厚板外板を使用し骨を減らす構造とすることで、コストを下げるとともに気動車独特の振動と騒音低減を図っている[2]

前面上部には前照灯・尾灯を、前面窓両側にはワンマン運転用のサイドミラーを装備している。

塗装は、上部が濃淡の緑のモザイク模様で、下部が橙色、さらに橙色塗装の上部に白の細帯(破線)が巻かれている。一般から募集した案を基に決定された[2]

室内[編集]

座席はセミクロスシート(富士重工製)またはオールロングシート(日本車輌製)で、運転台後部にデジタル運賃表示機と両替機付き料金箱、整理券発行機を設置している。

機器類[編集]

走行機器類は地元のメーカー製に統一しており、走行用機関として小松製作所製のディーゼルエンジンSA6D125-H-1 (355ps) を1基、トルコンも同社製のKTF3335Aを搭載している。台車はボルスタレス台車のFU56D/Tを履いている。また暖房はエンジンの冷却水を利用している。

モオカ14-1および2にはJR線乗り入れに備えATS-Pが搭載されたが、使用実績はなく、3以降は搭載されていない。

製造メーカーによる差異[編集]

富士重工製の2両は前照灯・標識灯が貫通扉上に集中配置となっているが、日本車輌製の7両は運転台側と助士側に分けて配置となっており、従来車の前照灯・尾灯の位置には「ワンマン」のステッカーが貼られている。

このほか富士重工製の2両は前面下部のステップが鉄棒で作られた簡易なもののみ(後年その上部に別のステップを増設)であったり、側面雨どいが外部に露出しているなどの差異がある。

2002年1月20日のモオカ14-1・2運転開始の際は、車内放送装置故障や空調系のトラブルのほか電気系統や制御系統など度重なるトラブルのため、昼間の限定運用につき、一時は富士重工の担当者が添乗した。

2016年(平成28年)11月現在9両が在籍し、真岡線下館駅 – 茂木駅間の全線で運用されている。通常は1両での運行だが、平日の通勤通学時間帯には2両に増結される場合がある。また、真岡市夏祭大花火大会開催時は3両に増結されて運行される。

  1. ^ 寺田裕一『私鉄気動車30年』JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉、2006年、[要ページ番号]。ISBN 4-533-06532-5。
  2. ^ a b 真岡鐵道殿向けモオカ14形ディーゼル動車”. 日本車輌製造. 2020年8月12日閲覧。

関連項目[編集]