天生峠 – Wikipedia

国道360号標識

天生峠 白川村から飛弾市側(2008年7月20日撮影)

天生峠(あもうとうげ)は、岐阜県飛騨市と大野郡白川村の境界上に位置する標高1,289mの峠。

神通川流域の飛騨市から庄川流域の白川村へ抜ける国道360号にあり、白川郷からの標高差は約800mにもなる。峠に至る道は狭く、急坂・急カーブが連続する山岳路である。大型車(長さ8m以上)は通行不可である。普通車についても、積雪期である冬期は通行止めになるほか、元々地盤が弱いため無雪期も度々崖崩れによって通行止になる事が多い。閉鎖期間は例年11月半ば~5月末である。

峠一帯にブナをはじめとする落葉広葉樹の原生林が広がり、紅葉の名所として知られる。また、峠の周辺には岐阜県の天然記念物に指定されている天生湿原などの高層湿原が点在している。峠周辺の天生湿原を含む籾糠山など山域は、岐阜県の天生県立自然公園に指定されている[1]

泉鏡花の作品である『高野聖』において、語り部である僧侶がかつて旅をした地として、天生峠が登場する。

道路の状況[編集]

  • 飛騨市側の道路は、小さい急カーブが続いている。なお、ヘアピンカーブにはおおむねカーブミラーが設置されている。
  • 白川村側の道路は、峠の近くに直線道路がある以外は大きなヘアピンカーブが続き、カーブミラーが設置されていないところもある。周辺は深い峡谷になっており、昼間でも薄暗い。
  • 自動車が待避・離合する場所として特に設定された場所は峠の近く(木造の小屋が目印)しかないが、道幅が広いため普通車同士のすれ違いは難しくない。
  • 街灯は設置されていない。
  • 峠の南側には開けた駐車場と案内看板がある。天生湿原と籾糠山への登山口となっている。

関連項目[編集]