所見 – Wikipedia

通知表の所見(しょけん)は、学校等が幼児・児童・生徒の教科の成績や日常生活の記録などをまとめ、行動の記録や様子などを生徒等本人及びその保護者へ文章で通知するために、担任教師によって作成される。

通知表には、教科の成績や生活の記録のほか、行動の記録や様子などが所見として、所見欄に文章として記述される。これらは、担任教師によって作成され、通常4 – 5行程度で記述されるのだが、学期末の成績処理とともに、クラス全員の所見を作成し、所見欄へ書き込むのは精神的にも厳しい作業ともされる。

さらに実態上、個々の生徒との人格的接触がほとんど無く、教師みずから個人的嗜好を有するため、根拠に乏しい漠然たる印象で人格を寸評・断定することにもなりがちである。

過去には、所見欄へは長所と短所の双方について記述されていたが、1991年に「所見については、個性を生かす教育に役立てる観点から、児童・生徒の長所を取り上げることが基本となるようにしたこと」が改善方針として文部省より各都道府県教育委員会に通知された。それ以降、所見欄では良い行動や様子だけを記述することになった。そのため、通知表の所見欄を充実させる文例集が続々と出版され、また、「あきらめが悪い」→「ねばり強い、集中力がある」、「だまされやすい」→「純粋な、素直な」といった、好ましくない性格用語の書きかえ一覧が登場した。

また、2002年度からは、総合的な学習の時間についての所見も記述されるようになった。

旧来の所見の例(昭和43年 東京都台東区立の小学校で、1年男子児童の第一学期のもの)

「いつもにやにやしており、体にしまりがない。根気もないようだ。忘れ物が非常に多い。特にはんかち、ちり紙ももっていたことが殆どない。手、つめ、顔など汚れていることが多く、自分から鼻をかむこともしないようだ。態度、姿勢が非常に悪い。」

このような、思いつくまま生徒の欠点(と感じたもの)を羅列するような所見が以前は多かった。

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