フロイデンタールのスペクトル定理 – Wikipedia

数学におけるフロイデンタールのスペクトル定理(フロイデンタールのスペクトルていり、英: Freudenthal spectral theorem)とは、1936年にハンス・フロイデンタールによって証明されたリース空間論の一結果である。大まかに言うと、単項射影性質(principal projection property; 主射影性質)を持つリース空間内の一つの正元によって支配される任意の元は、ある種の単関数により一様に近似できる、ということが述べられている定理である。

数多くの有名な結果が、フロイデンタールのスペクトル定理から得られる。例えば、有名なラドン=ニコディムの定理やポアソンの公式の正当性、正規作用素の理論によるスペクトル定理などは、フロイデンタールのスペクトル定理の特別な場合として従うことが示される。

定理の主張[編集]

e はリース空間 E に属する任意の正元とする。E の正元 pe の成分 (component) であるとは、p ⊥ (ep) が成立することを言う[1]p1, p2, …, pn が互いに素な e の成分であるとき、p1, p2, …, pn の任意の実線型結合を e-単関数と呼ぶ。

定理 (Freudenthal)[2]
単項射影性質を持つリース空間 EE の任意の正元 e について、e の生成する主イデアル内の任意の元 f に対して、適当な e-単関数列 {sn} および {tn} が存在して、それぞれ下から単調に、および上から単調に、fe-一様に収束する。

ラドン=ニコディムの定理との関係[編集]

(X,Σ){displaystyle (X,Sigma )}

を測度空間とし、

Mσ{displaystyle M_{sigma }}

(X,Σ){displaystyle (X,Sigma )}

上の符号付

σ{displaystyle sigma }

-加法的測度の実空間とする。

Mσ{displaystyle M_{sigma }}

全変動ノルム英語版を備えるデデキント完備なバナッハ束であり、したがって主射影性を持つことが示される。任意の正測度

μ{displaystyle mu }

に対し、上述のように定義される

μ{displaystyle mu }

-単関数は、

(X,Σ){displaystyle (X,Sigma )}

上の

μ{displaystyle mu }

-可測単関数と(通常の意味で)ちょうど対応することが示される。さらに、フロイデンタールのスペクトル定理より、

μ{displaystyle mu }

によって生成される帯(band)内の任意の測度

ν{displaystyle nu }

(X,Σ){displaystyle (X,Sigma )}

上の

μ{displaystyle mu }

-可測単関数によって下から単調な方法で近似されるため、ルベーグの単調収束定理より、

ν{displaystyle nu }

はある

L1(X,Σ,μ){displaystyle L^{1}(X,Sigma ,mu )}

関数に対応し、

μ{displaystyle mu }

によって生成される帯とバナッハ束

L1(X,Σ,μ){displaystyle L^{1}(X,Sigma ,mu )}

の間の等長束同型を構成することが示される。

関連項目[編集]

参考文献[編集]