おとめ座ベータ星 – Wikipedia

おとめ座β星 (おとめざベータせい、β Vir / β Virginis) は、おとめ座の方角にある恒星で4等星。

太陽よりも大きく、重く、比較的金属量に富んでいる。これは、ヘリウムより重い元素の割合がかなり大きいことを示している。

黄道にかなり近い位置にあるため、月や時には惑星による掩蔽が観測される。次の惑星による掩蔽は、金星により2069年8月11日に起こる。

1922年9月21日の皆既日食の際、太陽近傍にあったこの恒星などを用いて、アルベルト・アインシュタインの一般相対性理論検証観測が
豪州で行われた。

系外惑星の探索[編集]

Nelson & Angel (1998)によると[9]、おとめ座β星には2つか3つの木星型惑星か褐色矮星が存在する可能性があるという。彼らによると、惑星の質量の上限はそれぞれ1.9、5、23木星質量で、軌道周期は15、25、50年である。またCampbell et al. 1988によっても[10]、おとめ座β星の周囲に惑星が存在することが予測された。しかし近年の研究によっても、惑星や矮星の存在は確認されていない。マクドナルド天文台のチームは、1つ以上の惑星が存在するとしたら、その質量は0.16から4.2木星質量、その平均軌道半径は0.05から5.2天文単位であると制限を設けた[11]

固有名のザヴィヤヴァ[2] (Zavijava) は、「al-ʿawwāʾ の一角」を意味する zāwiyat al-ʿawwāʾ というアラビア語に由来する[3]。これは本来γ星の名前とされたものが誤ってβ星の名前に使われるようになったものである[3]。β星、γ星、η星、δ星、ε星は、アラビアの月宿で第13番目 al-ʿawwāʾ とされているが、この al-ʿawwāʾ が何を指すのかは定かではない[3]。一説には「吠える犬」を指すともされている[12]。2016年8月21日、国際天文学連合の恒星の固有名に関するワーキンググループは、Zavijavaをおとめ座β星の固有名として正式に承認した[4]

フィクション[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典[編集]

外部リンク[編集]

  • Zavijah”. Alcyone. 2007年6月6日閲覧。