喜多方市美術館 – Wikipedia

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喜多方市美術館(きたかたしびじゅつかん)は、福島県喜多方市にある美術館。

1建物の位置について/
 喜多方市中心市街地の西部に位置しています。周辺地区は、文化と健康を提供するカルチャーゾ−ンとして整備されており、喜多方プラザ文化センター、押切川公園体育館、野球場、喜多方蔵の里と隣接しています。企画展中心の展覧会を実施している小さな美術館ですが、キラリと光る「地域に密着した美術館」を目指しています。[7]

 建物は蔵のまちである喜多方市の施設として、煉瓦蔵をイメージしてつくられており、建物の一部には喜多方市で焼いた煉瓦を用いています。[7]

2喜多方市美術館の開設経過について/
 喜多方市美術館は、市内の美術団体や喜多方美術協会を始めとする市民各層からの永年に渡る要望を受けて、平成3年度(1991)の喜多方市蔵移築再生事業により建築工事設計に着手し、平成4・5年度(1993・1994)に展示室建築主体工事及び関連工事を実施しました。次いで、平成5・6年度(1995・1996)、収蔵庫及び事務室の設計から建物主体工事及び関連工事を行い、平成6年11月に竣工しました。
 また、美術館の外観は、喜多方市岩月町三津谷地区の農家作業蔵である煉瓦蔵(木骨煉瓦造り)をモデルとして設計されました。
 喜多方市内に美術館を開設するという活動は、平成3年から遡ること73年余、大正7年(1918)の「喜多方美術倶楽部」結成に始まったとされています。同倶楽部は、耶麻郡山都村(現喜多方市山都町)の田代与三久(蘇陽)を会長とし喜多方町の素封家を会員として発足しました。
 田代与三久は、明治4年生まれ、明治20年に福島県尋常中学校第三級(現県立会津高校)修業、東京仏学校(現法政大学)を経て、当時の日下県知事の秘書を明治28年まで務めました。その後、家業(酒造業)を継ぎ、明治43年から大正6年まで村会議員を務めますが、その傍ら経済界の実力者としての頭角を現し、福島農工銀行監査役、福島信用組合連合会理事、第百七銀行取締役となり、昭和の世界恐慌下では同銀行頭取に就任し、県内金融界の指導者として手腕を発揮しました。
 蘇陽が美術収集家として知られるようになるのは、明治44年、小川芋銭が田代邸に滞在し、その折に芋銭の作品を購入したのが始まりとされています。年を追う毎に作家との交流も頻繁となり買い入れ額も増えていきました。
 蘇陽はかねてから、美術愛好家の親睦団体を喜多方に結成したいと構想していましたが、親交が深かった森田恒友の存在と、大正6年に小川芋銭が日本美術院同人に推挙されたことが契機となり、大正7年1月7日、大雪の日、喜多方美術倶楽部は結成されました。同倶楽部清規には、美術倶楽部の建物を新築する外、会津来遊の美術家を歓迎し、画会・頒布会を催すことが記載されています。美術倶楽部の計画した建物は、今で言えば美術館のようなものではないかと推察されます。その活動に終止符を打ったのは、大正15年6月で、競売により同倶楽部の財産整理が行われたようです。いずれにしても、喜多方美術倶楽部と来遊作家の交流は、会津の一角に新風をもたらし、高遇な理念と理想を持ったその活動は他に類を見ない出来事であり、この地方の美術普及に直接にも間接にも多大な影響を与えたものでありました。
 戦後間もない昭和21年(1946)、こうした喜多方美術倶楽部の志を引き継ぎ彫刻家佐藤恒三を中心に「セピロマ会」が発足しました。佐藤恒三は、喜多方美術倶楽部会員であった大和川酒造6代目佐藤彌右衛門の三男として生まれました。喜多方中学(現県立喜多方高校)から東京美術学校彫刻科に学び、在学中から文展・帝展の入選を果たしロダンに傾倒していたと言われています。戦争により渡仏留学を断念し地域での活動に専念しましたが、西洋美術への憧れが「セピロマ会」への創設に至ったとされています。
 こうした活動が脈々と引き継がれ、喜多方美術協会、イーゼル会等を始めとする市民団体の積極的な運動が展開されたことにより、喜多方市美術館開館に至りました。

3設置者/喜多方市、 管理運営/喜多方市ふるさと振興株式会社(指定管理者)

建物概要[編集]

  • 建物延床面積:586.76m2
  • 建築面積 682.33m2
  • 構造:木造一部RC造り瓦葺平屋建て

開館時間・休館日[編集]

  • 開館時間
    • 午前10時~午後6時(展示室への入館は閉館の30分前まで)
  • 入館料(令和2年10月1日から観覧料が改定されました。)
    • 一般・大学・短大・専門学校生 300 円
    • 小・中・高校生 100 円
    • 障害者の観覧料減免:

 ・身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持っている場合は無料
 ・それぞれ第1種または1級の場合は、付き添い1名も無料

    • 65歳以上75歳未満:150円
    • 75歳以上:無料

 ※団体割引料金の設定がなくなりました。
 ※特別企画展など、展覧会によって料金が異なる場合があります。

アクセス[編集]

隣接している喜多方プラザ文化センターの大駐車場を利用できます。

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  1. ^ 喜多方市史第3巻近代・現代 通史編Ⅲ
  2. ^ 喜多方市史第10巻文化 各論編Ⅲ
  3. ^ 山都町史通史編Ⅱ(近代・現代)
  4. ^ 喜多方市障がい者の利用に係る公の施設の使用料等の免除に関する条例(令和2年3月18日条例第28号)
  5. ^ 喜多方市美術館条例(平成18年1月4日条例第138号)
  6. ^ 喜多方市美術館年報(2012-2017)
  7. ^ a b 喜多方市美術館の概要”. 喜多方市美術館. 2016年12月20日閲覧。
  8. ^ a b c アクセスのご案内”. 喜多方市美術館. 2016年12月20日閲覧。
  9. ^ 図録「喜多方美術倶楽部と大正浪漫Ⅲ 結成から100年」喜多方市美術館(平成30年度)

外部リンク[編集]