アーバンパークライナー – Wikipedia

アーバンパークライナーは、東武鉄道が浅草駅 – 大宮駅・柏駅間などを伊勢崎線および野田線で運行する特別急行列車である。

本項では、浅草駅 – 春日部駅間で運行され料金制度が共通であるスカイツリーライナーについても記述する。一部の案内では、「アーバンパークライナー」と「スカイツリーライナー」を合わせて「特急ライナー」と括られている[1]

2016年10月27日、東武鉄道が500系電車の愛称を「Revaty(リバティ)」とすることを発表し、これと同時に500系電車の運行形態も発表され、野田線(東武アーバンパークライン)に乗り入れる「アーバンパークライナー」の設定も発表された[2]。野田線では初の定期有料列車であり、同時に定期列車では初の伊勢崎線(東武スカイツリーライン)直通列車となった。

2017年1月18日、同年4月21日のダイヤ改正より運行を開始することが発表され、同時に運行時刻・停車駅・特急料金が発表された[3]

運行概況[編集]

アーバンパークライナー 経路図

平日夜間のみの設定で浅草発大宮・柏行き(1号)、大宮 – 柏間の2往復(2 – 5号)、大宮発運河行き(6号)、柏発春日部行き(7号)の計7本が運行される[4]

そのうち1号は多層建て列車で途中の春日部駅で分割され、柏行きは春日部駅から進行方向を変える。浅草発大宮行きの野田線内は上り列車だが、号数は浅草からの引き続きで奇数のままであり、それに合わせ柏発も上り列車だが号数は奇数、大宮発は下り列車であるが号数は偶数となっている。[5]

列車番号は伊勢崎線・野田線で異なる付番で、両線とも下り列車は奇数、上り列車は偶数が原則となるため、春日部駅を境に列車番号は別建てであり、野田線内は号数と一致しない。列車番号の付番方法については「列車番号の付番方法#伊勢崎線・日光線および支線」および「列車番号の付番方法#野田線」に詳しく解説されている。

土休日は全列車運休となるが、浅草発の列車は、浅草 → 春日部間で「スカイツリーライナー」が同時刻に運行される。

停車駅[編集]

  • 野田線内発着(2 – 7号)
    大宮駅 – 岩槻駅 – 春日部駅 – 藤の牛島駅 – 南桜井駅 – 川間駅 – 七光台駅 – 清水公園駅 – 愛宕駅 – 野田市駅 – 梅郷駅- 運河駅 – 流山おおたかの森駅 – 柏駅
    • 八木崎駅・豊春駅・東岩槻駅は浅草発のみ停車し、野田線内運行の列車は停車しない。
    • 6号は大宮発運河行き、7号は柏発春日部行き。

使用車両[編集]

東武500系電車「リバティ」を使用する。1号は春日部駅まで6両で運行したのち1 – 3号車を大宮行きに、4 – 6号車を柏行きの3両に分割運行する。1号以外は全区間3両編成で運行される。

最終運用となる大宮発運河行き(6号)、柏発春日部行き(7号)終着後は併合せず3両編成のまま別個に北春日部(南栗橋車両管区春日部支所)へ回送される。

なお2020年3月13日まで運行されていた浅草発大宮行き(当時の1号)は、春日部駅で分割せずに6両のまま大宮へ向かい、大宮から浅草へ回送されていた。

スカイツリーライナー[編集]

スカイツリーライナーは、浅草 – 春日部間で運行される特急列車である。2017年4月21日のダイヤ改正より、区間運転の「けごん」「きりふり」を転換する形で運行開始した。

2022年3月現在、下りは夜間・上りは朝に各3本(土休日は4本)運行されている。なお、下り列車は2020年6月6日に一旦廃止されたが、2022年3月のダイヤ改正より「けごん」「リバティけごん」を区間短縮する形で再度設定された。

「スカイツリーライナー」の列車号数は特急「けごん」「きぬ」の列車号数順と比較し、下りは独立しているが上りは通しとなっている。また列車番号については「けごん」「きぬ」との通し番号となっている[6]

停車駅[編集]

浅草駅 – とうきょうスカイツリー駅 – 曳舟駅 – 北千住駅 -(せんげん台駅)- 春日部駅

  • せんげん台駅は下り列車のみ停車。

使用車両[編集]

  • 100系(スペーシア):3号・8号・10号
  • 500系(リバティ):1号・2号(6両編成)、5号・7号・4号(3両編成)

料金制度[編集]

「スカイツリーライナー」含めて全列車が全車指定席である。ただし、浅草発はせんげん台、大宮発は春日部、柏発は運河で座席指定が解除され、その先は特急料金が不要となり、乗車券のみで利用できる。

座席指定区間内の乗降口は浅草発は途中のとうきょうスカイツリー、曳舟、北千住の各駅を含み6両全開扉するが、大宮発(岩槻を含む)および柏発(流山おおたかの森を含む)では3両編成の2号車1か所のみ開扉する。座席指定解除後は全開扉する。

「スカイツリーライナー」「アーバンパークライナー」特急料金

  • 小児半額、端数は10円単位で切り上げ。
  • 座席指定区間内の特急料金は、乗車駅に関わらず下表を適用する。
  • 2020年3月14日現在[7]
座席指定区間 特急料金(円)
春日部 → 北千住以南各駅 520
浅草 – せんげん台 420
大宮 → 春日部 320
柏 → 運河

野田線優等列車沿革[編集]

※便宜上、「スカイツリーライナー」の沿革も記述する。

  • 1969年(昭和44年)
  • 1972年(昭和47年)
    • 11月11日 : 「きりふり」・「りゅうおう」運行終了。
  • 2012年(平成24年)
    • 12月1日 : 634型を使用した臨時特急「スカイツリートレイン」4号大宮発浅草行きを土曜日限定で運行開始。「きりふり」・「りゅうおう」廃止以来40年振りに野田線に一般向け優等列車が設定される。
  • 2015年(平成27年)
    • 8月8日 : 臨時特急「スカイツリートレイン」52号大宮発浅草行きを土曜日限定で運行開始[8]
    • 12月4日 : 同月中の金曜日(25日除く)限定で、300系を使用した臨時特急「きりふり」267号浅草発運河行きが運行[9]。野田市方面初の優等列車であり、東武鉄道では初の千葉県内を運行する特急となった。
  • 2016年(平成28年)
    • 3月19日 : 「スカイツリートレイン」52号運行終了。
    • 12月3日 : 臨時特急「きりふり」267号運行[10]。運行形態は2015年と同様(23日・30日は運休)。
  • 2017年(平成29年)
    • 4月8日 : 「スカイツリートレイン」4号運行終了[11]
    • 4月21日 : 「アーバンパークライナー」「スカイツリーライナー」運行開始。
      • 「アーバンパークライナー」は浅草発大宮行き(1号)、浅草発大宮・野田市行き(3号、浅草 – 春日部間併結)、大宮発運河行き(2号)を平日夜に設定(休日運休)。
  • 2020年(令和2年)
    • 3月16日 : 平日夜に柏発春日部行き「アーバンパークライナー」(73号)を新設[12][4]。1号は春日部行きに短縮し「スカイツリーライナー」7号に、2号は新たに岩槻駅に停車し72号に、3号の野田市行きは柏行きに延長し、大宮行きと共に71号に変更。
    • 6月6日 : 大宮 – 柏間で「アーバンパークライナー」2往復(2 – 5号)新設[13]。71号は時刻を繰り上げて新たに曳舟駅に停車し1号に、72号は6号に、73号は7号に変更。一方で下りの「スカイツリーライナー」は休止。
    • 8月18日 – 「スカイツリーライナー」4号において、土休日の使用車両を100系から500系に変更[14]
  • 2022年(令和4年)3月12日 – 「スカイツリーライナー」の下り列車が復活。

関連項目[編集]