トマトソース – Wikipedia

トマトソース(英: Tomato sauce)は、トマトをベースとして作られたソースの総称。日本ではフランス料理に範を取る洋食系のものと、イタリア料理の基本となるサルサ・ディ・ポモドーロがよく知られている。

主に、肉や魚介、豆類などの煮込み料理のソースに利用される。ソースの調理過程で使用するトマトは、ソースのなめらかな舌触りを出すために、皮を湯むきして、あらかじめ種を取り除いておく。また、一緒に使われる玉ねぎを透き通るまで炒めて甘味を引き出した後、トマトを加えてオーブンなどで一緒に火を通してじっくり煮込むことで、甘くマイルドなソースに仕上げる。

日本における一般的な作り方(イタリア料理版)[編集]

  1. 微塵切りニンニクとオリーブ・オイルを入れ、弱火にかけて香りを移す。ニンニクはすぐ焦げるため、冷たい鍋に入れて加熱する。
  2. 微塵切りにしたタマネギを加え、焦がさないようにじっくり炒めて、甘みを引き出す。
  3. ホールトマトをジュースごと入れ、ヘラなどで潰しつつ煮込む。この際、好みでローリエやバジルを加える。
  4. 分量が2/3から半分になるまで、ゆっくり掻き混ぜながら煮詰める。
  5. 最後に塩、コショウで味を調える。
  • タマネギを抜くと、イタリア本国で使用されているトマトソースに近くなる。

パスタソース[編集]

トマトソース・スパゲッティ

パスタと合わせたものを、トマトパスタの基本として特にポモドリーノ(pomodorino)と呼ぶことが多い。ここから派生して、以下のソースができる。

日本における一般的な作り方(洋食版)[編集]

洋食では、ベーコンや複数種の香味野菜、鶏ガラ・ブイヨンでコクを出す、小麦粉でとろみを付ける等、いくつか相違点[2]が見られる。

コロッケのソースとしての利用や、ロールキャベツの味付けで多用される。ケチャップを加えてゆでたスパゲティを和えればスパゲティ・ナポリタンになる。また、トマトピューレの代わりに利用されることも多い。オレガノを多めに加えればピザソースになる。

  1. 大鍋で、薄切りのニンニクを炒めて香りを出した後、みじん切りのベーコン、ニンジン、セロリ、タマネギを炒める。
  2. ぶつ切りの鶏ガラを加えて更に炒め、小麦粉(基本は薄力粉だが、強力粉を使う料理を提供している店では兼用する場合も)を振って更に炒める。
  3. 水(鶏ガラを使わない時はブイヨン)を加え、トマトの乱切り、トマトペースト、トマトピューレを加え、この際、好みでローリエやバジリコを加える。
  4. 3時間以上、弱火で煮込んでとろみを出す。
  5. 最後に、トマトケチャップやバルサミコ酢、砂糖、塩等で味を整えて完成。

ハーバード大学医学部によると、トマトソースにはフラボノイドが豊富に含まれており、野菜や果物同様、物忘れを防ぐ効果がある[3]

参考文献[編集]

関連文献[編集]

  • L’Arte della cucina in Italia, Emilio Faccioli, Einaudi, Milano, 1987
  • Richard Hering: Herings Lexikon der Küche. Hrsg.: F. Jürgen Herrmann. 23. Auflage. Fachbuchverlag Pfanneberg, Haan-Gruiten 2001, ISBN 3-8057-0470-4.
  • Erhard Gorys: Das neue Küchenlexikon. Hrsg.: Peter Schimmel. Deutscher Taschenbuch Verlag, München 2001, ISBN 3-423-36245-6.
  • Der Silberlöffel. Phaidon Press, Berlin 2006, ISBN 0-7148-9665-9.
  • Giuseppe Parisi (Redakteur): Cucina Italiana: Das große Buch der Italienischen Küche. Hrsg.: Accademia Italiana della Cucina. Delphin Verlag, München 1987, ISBN 3-7735-5317-X.

関連項目[編集]