シュヴァルツ=ゲルベ・アリアンツ – Wikipedia

シュヴァルツ=ゲルベ・アリアンツ(ドイツ語: Schwarz-Gelbe Allianz)は、オーストリアの王党派組織・政党。略称は「SGA」。2004年6月26日に設立された。

名称[編集]

  1. 「シュヴァルツ(Schwarz)」は黒色を、「ゲルベ(Gelbe)」は黄色をそれぞれ意味する。これらが合わさった「シュヴァルツ=ゲルベ(Schwarz-Gelbe)」は、黒・黄の2色からなるハプスブルク家の旗を暗示する。
  2. 「アリアンツ(Allianz)」は提携・連帯を意味する。

すなわち「シュヴァルツ=ゲルベ・アリアンツ」という名称は、かつてハプスブルク帝国の領域だった中央ヨーロッパ諸国の連携を示す。あえて邦訳すれば「黒黄同盟」「黒黄連帯党」といった組織名になろう。

党員[編集]

2014年5月時点の情報によれば、オーストリア全土で約1000人の党員がおり[1]、その中には複数のハプスブルク一族も含まれている[2]

政策・主張[編集]

 

  1. オーストリア皇帝を戴く立憲君主制への復帰
  2. 非党派的な勅選議員の導入
  3. 貴族称号の復活(ただし君主制復活運動に協力する者に限定する)
  4. 大国との対等な関係での外交のため、ドナウ国家連合の実現

新しい君主国[編集]

第一次世界大戦に敗れた1918年以来、現在に至るまで共和制がとられているオーストリアに、再び立憲君主制を導入することを目標とする。オーストリアのみならず、最終的には中央ヨーロッパ防衛協力英語版(CEDC)の加盟国でもあるハンガリー、チェコ、スロバキア、スロベニア、クロアチアとの同君連合樹立を目指す[1]

かつてのオーストリア=ハンガリー帝国を再興しようとしているわけではなく、南ティロル(イタリア領)やガリツィア(ポーランド・ウクライナ領)、トランシルヴァニア(ルーマニア領)、ボスニア・ヘルツェゴビナなどは範囲外とする。

なおSGAの支持者の大部分は、即位すべき人物はハプスブルク家現当主であるカール・ハプスブルク=ロートリンゲンだと考えているが[3]、当のカールが帝位を望んでおらず、それがSGA支持者にとってジレンマになっている[3]。このためか、ハプスブルク朝の再建を支持するものの、そのハプスブルク一族の中で君主として擁立すべき人物について、組織としては明確にしていない。

帝国再興に熱心な君主主義者は国民の2%を下回っており[4]、オーストリア議会で議席を獲得するには4%の得票率が必要なため、SGAが今までに議席を獲得できたことはない。

オーストリア国民のハプスブルク帝国への郷愁の念は非常に強く、過去数年間[注釈 1]のいくつかの世論調査によると、オーストリア国民の最大で20%が君主制への復帰に賛成している[5]が、そうした君主制容認層の投票行動はSGAにはまったく結びついていないのが実情である。

2019年現在の政治状況では、君主主義者たちはオーストリア国民党との繋がりを求める可能性が最も高いとされる[3]

没後120周年を記念し、「SGA」によってオーストリア皇后エリーザベトの棺に捧げられたリース(2018年)

注釈[編集]

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]