南沢獅子舞 – Wikipedia

南沢獅子舞（みなみさわししまい）は、東京都東久留米市に伝わる郷土芸能である。

江戸時代初期から旧南沢村に伝わる郷土芸能で、かつては村の長男のみに伝えられてきた。伝承によると延宝年間(1673－1681)に伊勢から伝わったと言われ、舞う際の歌にも「此の獅子は伊勢で生れて江戸そだち」と歌われている。五穀豊穣・悪疫退散を祈願し、豊作だった年に行われていた。戦時中に一度途切れたが戦後に復活し、現在では4年に1度行われている。

1977年（昭和52年）4月1日に「東久留米市指定無形民俗文化財 第1号」に指定された^[4]。

獅子舞が舞う際の歌に「此の獅子は伊勢で生れて江戸そだち」とあり、江戸初期の延宝年間（1673～1680）に伊勢から伝わって来たとされるが^[5]、伝播経路を確認できる史料はない。本番用の獅子頭の舌板の裏側に「文化九年壬申年四月彩色」との墨銘があることから、文化9年（1812年）には伝わっていることが推測される。昔は豊年の年の秋祭りとして不定期に行われ^[5]、明治時代には毎年行われた時期もあったものの^[6]、近年は数年おきとなり、サラリーマンが練習に出られない^[7]、昭和天皇の容体を気遣っての自粛などのために^[8]、5年間途絶えた時期もあったが、2000年以降は4年に一度開催している。

演目次第[編集]

昼の時間帯に行われる氷川神社と、夜の時間帯に行われる多聞寺では、演目が異なる部分がある。
以下の順番で行われる。

1、行列と踊り込み[編集]

山の神、獅子舞は昼の時間に行われる氷川神社まで、獅子舞は行列をなして向かう。出発は多聞寺で、笛・太鼓のお囃子に合わせて幟、ほら貝などとともに進み、神社に着くとおはらいをして、鳥居前から山の神が先導して踊る。^[9]

2、太刀[編集]

太刀つかいともいう。右手に棒を持った半纏姿の2人が向き合って掛け声とともに力強く打ち合う。その後に太刀で打ち合う。^[9]

3、世流布[編集]

世流布（せいりふ）では「しばらく、しばらく」と言いながら登場する。^[9]
世流布の口上は、氷川神社、多聞寺それぞれで異なる部分がある。^[10]

4、神楽[編集]

神楽ではおかめ、ひょっとこが登場する。向かい合い、笛に合わせて踊る。2人が退場すると、山の神が現れる。^[9]

5、獅子舞[編集]

獅子舞は一人立ちの三頭で、赤の衣装が雌獅子、紺の衣装が中獅子と大獅子。腹に太鼓を付けて舞う。^[9]
氷川神社と多聞寺で獅子舞歌が違う。氷川神社「千早振る神の井垣に松を植えて～」多聞寺「朝日さす夕日輝くこの寺は～」^[10]

6、萬歳[編集]

萬歳（まんざい）は多聞寺のみで行われる。太夫と才蔵の2人がコミカルな掛け合いをする。^[9]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]