国鉄タサ2000形貨車 (初代) – Wikipedia

国鉄タサ2000形貨車(こくてつタサ2000がたかしゃ)は、かつて鉄道省に在籍した私有貨車(タンク車)である。

本形式より改造され別形式となったタ1700形についても本項目で解説する。

タサ2000形[編集]

タサ2000形は、濃硫酸専用の24t 積タンク車として1930年(昭和5年)2月1日に4両(タサ2002 – タサ2005)、同年2月17日に2両(タサ2000 – タサ2001)が日本車輌製造、雨宮製作所の2社にて製作された。

本形式の他に「濃硫酸」又は「濃硫酸及び発煙硫酸」を専用種別とする貨車は、タム400形(418両)、タキ300形(483両)、タキ4000形(351両)、タキ5750形(500両)、タキ46000形(71両)等実に21形式が存在した。

所有者は、大日本人造肥料(現・日産化学工業)でありその常備駅は飛越線(現・高山本線)の速星駅であった。

寸法関係は全長は7,600mm、8,400mm、換算両数は積車4.0、空車1.4であり、走り装置は一段リンク式の三軸車である。

1930年(昭和5年)6月6日に2両の専用種別が変更(濃硫酸→希硫酸)されタサ400形(タサ2004 – タサ2005→タサ409 – タサ410)に編入された。同年10月3日には3両の専用種別が変更(濃硫酸→アンモニア水)され形式は新形式であるタ1700形(タサ2000 – タサ2002→タ1700 – タ1702)とされた。最後まで在籍した1両も1931年(昭和6年)2月21日に専用種別変更化(濃硫酸→希硫酸)されタサ400形(タサ2003→タサ411)に編入され同時に形式消滅となった。

タ1700形は、前述のようにアンモニア水専用の12t 積タンク車として1930年(昭和5年)10月3日に3両がタサ2000形より改造された。

本形式の他にアンモニア水を専用種別とする形式には、タ1450形(2両)、タ1530形(3両)、タ1650形(2両)、タ1800形(2両)、タム4700形(8両)、タキ250形(4両)、タキ21200形(4両)の7形式がありいずれも少数両数形式である。

落成時の所有者は、種車同様大日本人造肥料でありその常備駅は飛越線(現・高山本線)の速星駅であった。

1935年(昭和10年)10月22日に1両、1940年(昭和15年)5月10日に1両の専用種別が変更(濃硫酸→希硫酸)されタサ400形(タ1702 , タ1701→タサ412 , タサ413)に編入された。

1968年(昭和43年)9月30日に最後まで在籍した1両(タ1700)が廃車となり、同時に形式消滅となった。

参考文献[編集]

  • 吉岡心平 『3軸貨車の誕生と終焉(戦後編)』RMライブラリー9 2000年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 4-87366-198-6
  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目[編集]