買物ブギー – Wikipedia

買物ブギー」(かいものブギー)は、1950年(昭和25年)発売の笠置シヅ子の歌。作詞・作曲は服部良一(作詞は村雨まさを名義)。吹き込みは1950年(昭和25年)2月11日、発売は1950年(昭和25年)6月15日発売。レコード番号A822B。

1949年(昭和24年)の日劇ショー(サンデー毎日主催)のために作られた。当時ちょうど入院していた服部を笠置が見舞い、新曲を頼まれた服部が頭に浮かんだのが上方落語の「無い物買い」であり[1]、これをもとに詩を付け、5分以上の大作となった。評判となりレコーディングされたが、当時のSPレコードでは収録出来ないので短縮バージョンで行われた。立て続けに歌う複雑な歌詞に、流石の笠置も「ややこし、ややこし」とぼやいたのを、服部が面白がって急きょ曲に取り入れたという。笠置は下駄履きに買い物かごの扮装で歌い踊り、あまりの激しさにいつも下駄が真二つに割れてしまった。

レコード売上は45万枚[2]に達した。

笠置は本楽曲を1952年の「第2回NHK紅白歌合戦」で歌唱した。

松竹映画『ペ子ちゃんとデン助』劇中に、今でいうプロモーションビデオのような映像(映像上でのタイトルは「買物ヴギ」)が存在し、その中には若き日の黒柳徹子も出演している。東宝映画「トットチャンネル」ではこのエピソードを元にしNHKの歌番組に設定を変えている。

映画『ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』では、湯浅政明演出によるアニメーションで使われている。

斬新な歌[編集]

歌詞すべてが大阪弁であり、軽快なテンポで40品目の品物を歌い並べ「オッサン、オッサン」と連呼するなど斬新な内容で、いわゆる「立て板に水」の能弁を主題とするやり方は、洋の東西を問わず、特に日本では歌舞伎、落語、講談などの古典芸能から屋台の口上にまで多く見られる。服部はそれをブギにアレンジ、笠置が表現した。

歌詞に「わしゃつんぼで聞こえまへん。」「これまためくらで読めません。」という語句があり、差別用語にあたる(但し差別用語には明確な基準があるわけではない)として、長らく放送されなかった。その部分は近年の復刻版ではカットされたり、カバー版では歌詞を「私は耳が不自由で聞こえまへん。」に変えるなどしている。オリジナル版ラスト部分では、煙草屋で買いたい物のメモを見せるが、そこの「お婆さん」は目が不自由で買い物できず、「ああしんど」とオチになる。この部分も上記とおなじ理由で歌われなくなった。

また、歌詞に仁丹という特定の商品名があるので、NHKでは歌われない。
2010年(平成22年)7月26日放送のNHKラジオ深夜便「にっぽんの歌こころの歌」懐かしの歌謡スター 笠置シヅ子集では、「仁丹」部分は放送された。

歌唱したアーティスト達[編集]

関連項目[編集]