山口井筒屋 – Wikipedia

株式会社山口井筒屋(やまぐちいづつや)は、山口県山口市に本社を置く百貨店。福岡県の地場百貨店である井筒屋の子会社。

2008年(平成20年)5月30日付で社名を「株式会社宇部井筒屋」から改称。この段階において、井筒屋本体が仲立ちとなり、宇部店で全国百貨店共通商品券を利用できるようになった。10月3日、本社を宇部市から山口市に移し、同市の地場百貨店である「ちまきや」から百貨店事業を引き継ぎ営業開始。同時に日本百貨店協会に加盟した[注釈 1][注釈 2]。スローガンは「つなぐ つくる 百貨店」

宇部井筒屋の前身は、現在のJR西日本小野田線を運営していた宇部電気鉄道が、1933年(昭和8年)にちまきやと提携して山口県宇部市に開業したものである。その後、第二次世界大戦の戦局悪化により宇部電気鉄道が国有化[注釈 3]されたため、ちまきやの完全子会社となった。

しかし、1960年代になると売り上げの減少が続き、1969年(昭和44年)には井筒屋が出資し株式会社宇部ちまきや[1]から株式会社井筒屋ちまきやに改称した。その3年後の1972年(昭和47年)、ちまきやは持ち株を井筒屋に全て売却し撤退。ここで一旦井筒屋とちまきやの関係は途絶えた。このいきさつは小倉伊勢丹をコレット井筒屋に承継(実際には井筒屋による業態転換)した事例に類似する。

その後、山口市周辺への郊外型ショッピングセンターの出店攻勢による売り上げの減少が止まらず、ちまきやの経営が悪化[2]。既に創業家の八木家から山口銀行に経営の主体が移っていたちまきや[1][2][3][4]は、2007年(平成19年)、井筒屋との提携関係を“復活”させ自力での再建を図ろうとした[2][4]ものの、同年11月、自らは土地・建物の管理のみを行い[1][2][4][5]、百貨店事業は井筒屋に引き継ぐと発表[1][2]。その受け皿として、かつて子会社であった宇部井筒屋[1]を充てることで地元側の了解を取り付けることとした。

ちまきやの百貨店営業は2008年(平成20年)8月31日をもって終了[2]した。その後1か月をかけて改装が行われ、10月3日に山口井筒屋本店として再び開業[5][6]。またこれに伴い宇部井筒屋は、山口井筒屋宇部店に改称した。なお、ちまきやの商品券等については一部を除いて井筒屋各店で使えるようにする[1]とともに、商品券類に関する業務が井筒屋本体に一本化された[1]。前述の小倉伊勢丹も、コレット井筒屋に継承された際同様に商品券類に関する業務を井筒屋本体に一本化した。

2009(平成21)年には、山口店・宇部店でのみ利用可能な現金専用の「IZUTSUYAきららカード」を発行開始。7年後の2016年(平成28年)1月15日、親会社である井筒屋本体が同種のシステムである「ウィズクラブカード」をスタートさせたのに合わせ、コレットの「コレットクラブカード」を合わせ、グループ全店で現金専用ポイントカードの共通利用ができるようになった。なお2017年(平成29年)の時点では「ウィズクラブカード」への集約はされておらず、山口県内では引き続き「きららカード」が発行される。

2018年7月31日、井筒屋グループにおける将来的に収益の改善が見込めない店舗・事業の構造改革をはかり、経営資源を井筒屋本店(北九州市小倉北区)と山口井筒屋山口店に集中させる目的で、宇部店を同年12月31日で営業終了することを発表した[7]

山口市に百貨店店舗を、周南市・宇部市に直営のサテライトショップを構える。百貨店店舗については、井筒屋グループ全体では「山口店」の呼称を用いている。

山口店(本店)[編集]

単に「山口井筒屋」と称すると一般的にはこちらの店舗を指す。中市商店街内にあった地下1階・地上5階の旧ちまきやの店舗を引き継ぎ2008年(平成20年)10月3日に開店した。ちまきや時代から通路幅を広げるなどのリニューアルを行っている[9]

開業1ヶ月間はちまきや時代の同月に比べて35%増の7億5千万円の売り上げを記録した[10]が、初年度の売り上げは世界的な消費不況も重なり目標を10%以上下回った[11][12]

アクセス
フロア構成
  • B1F – 食料品
  • 1F – 婦人用品・菓子
  • 2F – 婦人服
  • 3F – 高級婦人服・呉服・宝飾
  • 4F – 紳士服・紳士小物・子供服・バッグ
  • 5F – 催場・レストラン・美術品・生活用品

周南ショップ[編集]

2013年6月13日開店[13]。井筒屋グループとしても山口県下初のサテライトショップで、周南市銀南街のチャレンジショップなどに利用されていたスペースに開店した。ギフトコーナーや婦人雑貨などを扱う売り場を備える。みなみ銀座にあった近鉄松下百貨店の閉店(2013年2月)の受け皿を想定しており、近鉄松下百貨店の商品券を利用できる[14]ほか、近鉄松下の元従業員を雇用する[13]

  • 所在地:山口県周南市銀南街33番地

宇部ショップ[編集]

2018年12月31日をもって営業終了した宇部店(後述)の代替として、宇部市内にある商業施設「ゆめタウン宇部」に2019年3月20日開店[15]。店舗面積は430平方メートルで、宇部店が担っていた外商機能を置くほか、宇部店のテナント数店舗も出店する[16]

ギャラリー[編集]

過去に営業していた店舗[編集]

宇部店[編集]

旧「宇部井筒屋」の店舗。国道190号(常盤通り)沿いに建つ地上4階・地下1階の建物で、1977年に完成。1989年のリニューアルで無印良品やベネトンショップなどのブランドを導入[17]し、1993年には店舗増床および駐車場ビルを増築[18]。年間売上高は1994年(平成6年)にピークとなる72億円に達した[19]

2006年に大規模改装を行い食品売場を地階から1階にも拡大[20]。2008年(平成20年)、ちまきやの店舗運営を引き継ぐため社名が変わり、山口井筒屋宇部店となった。

2010年(平成22年)時点では宇部店単体で黒字経営となっていた[21][要出典]が、売上減少が続いたことで2016年度(平成28年度)には経常赤字となり[22]、2017年度(平成29年度)には年間売上高が28億円に減少[19]。将来の収益改善の見通しが立たない中、建物老朽化による維持運営コストの増加が見込まれるため、宇部店は2018年12月31日をもって営業終了し[7]、経営資源を山口店に集中させることとなった[12]

営業終了後も外商機能は維持し、先述通り2019年3月20日に宇部市内の商業施設「ゆめタウン宇部」にサテライトショップが開設された[16]

跡地は2019年2月に宇部商工会議所が取得すると発表されたが、3月開催された臨時議員総会で議案が否決され白紙に戻った[23]。替わって宇部市が、商工会議所有志による約1億3600万円の寄付金をもとに跡地取得の交渉に乗り出し[24]、5月27日に宇部市への売却が発表された。その後、株式会社にぎわい宇部が宇部市より委託運営を受け2019年7月20日、1階に暫定店舗「常盤町1丁目スマイルマーケット(愛称=トキスマ)」をオープンした。同年11月には宇部市が基本方針を公表、複合施設に改修することとなり民間3社の提案を受けて2020年6月にカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社と連携協定を締結したが、同年9月に市議会で設置条例案が否決された[25]。「トキスマ」は当初、2022年3月までの営業を予定していたが、店舗の冷房設備からフロンガスが漏れていた事がわかり、修理に多額の費用が見込まれることから予定を繰り上げ2021年6月29日に閉店した[26]

注釈[編集]

  1. ^ 2008年(平成20年)8月時点では、都道府県庁所在都市にある百貨店は全ての都市において最低1店舗は日本百貨店協会に加盟している。なお、山口県下の百貨店では山口井筒屋以外に下関大丸(下関市・下関駅前)が日本百貨店協会に加盟しているほか、2013年2月28日をもって閉店した近鉄松下百貨店(周南市・徳山駅近く)も日本百貨店協会に加盟していた。
  2. ^ 宇部井筒屋時代は、売場面積の関係から日本百貨店協会には加盟しておらず、中四国百貨店協会のみ加盟していた。そのためそれまでは、全国共通商品券を使用することが出来なかった。
  3. ^ 厳密には1941年(昭和16年)に現・宇部線の運営母体であった宇部鉄道と合併した後に、宇部鉄道が1943年(昭和18年)に国有化されている。

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]