萬福寺 (知立市) – Wikipedia

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萬福寺(まんぷくじ)は、愛知県知立市上重原町本郷にある真宗大谷派の寺院である。

山号は林桂山。弘仁6年(815年)に最澄によって建立され、貞永元年(1232年)に了誓法師によって浄土真宗に転派した。現在の住職は第28代の釋了圓。名鉄三河線 重原駅から徒歩数分の場所にある。

弘仁6年(815年)、天台宗の宗祖である最澄によって建立された[1][2]。当時はカツラの林に覆われていたため、山号は林桂山となっている[1][2]。貞永元年(1232年)には了誓法師が浄土真宗に転派し、本堂に阿弥陀如来像を安置した[1][2]。貞永年間には地中7か寺、末寺多数を擁し、2町4方の寺域を有する大寺となっている[1][2]

1896年(明治29年)、堂宮大工として名高い小野田又蔵の指揮によって間口13間4面の本堂が上棟した[1]。2015年(平成27年)には開創1200年を迎え、これを記念した本堂の修復工事も同年に完了した[1]。修復工事の施工は三重県桑名市の小島建設である[3]。池鯉鮒散歩みち協議会が主催する「わくわくウォーキング」では萬福寺が目的地となることがある。

建築物[編集]

国の登録有形文化材の山門

萬福寺の本堂・山門・鐘楼は、2015年(平成27年)11月17日に国の登録有形文化財に登録された[4][5]。本堂は1899年(明治32年)に完成し(2014年(平成26年)修復)、規模の雄大さや意匠の華やかさが特徴である[6]。山門は1844年に完成し、組物廻りに技巧が凝らされている[7]。鐘楼は1862年に完成し、禅宗様を基調として装飾密度が高い[8]

植物[編集]

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萬福寺境内には樹齢500年以上のイブキがある[1][2]。このイブキの樹高は約15m、目通りは2.6m、根回りは2.8mであり、西三河地方最大のイブキである[1][2]。1956年(昭和31年)5月18日には愛知県指定文化財(天然記念物)に指定された[1][2]。知立市最古のイブキでもあり、知立市指定文化財(天然記念物)となっている[9]

また、庫裏の正面には樹齢500年と推定されるソテツもある[1][2]。このソテツは1862年(文久2年)に知多郡藤江(現在の知多郡東浦町)の門徒から移植されたものであり、樹高は4m以上、根回りも4m以上ある[1][2]

境内にはクスノキの大木もある[9]。かつて本堂の南側には「蓮台の松」と呼ばれるクロマツの大木があり、知立市指定文化財となっていたが、害虫や台風の影響で樹勢が衰えたため、1991年(平成3年)に切断された[9]。毎年春にはサクラが、初夏にはスイレンが見ごろを迎える[2]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]

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