シップ・オブ・メモリーズ-美の魔術- – Wikipedia
『シップ・オブ・メモリーズ-美の魔術-[注釈 1]』(原題:Ship of Memories)は、オランダのプログレッシブ・ロック・バンド、フォーカスが1976年に発表したコンピレーション・アルバム。
フォーカスの2作目『ムーヴィング・ウェイブス』から5作目『ハンバーガー・コンチェルト』をプロデュースしたマイク・ヴァーノンが、過去のセッションからの未発表音源をまとめたアルバム。
サイド1の4曲と「美の魔術」は、テイス・ヴァン・レール、ヤン・アッカーマン、ベルト・ライテル 、ピエール・ファン・デル・リンデン の4名が『フォーカスIII』に続くアルバムを制作する為に、1973年5月にオックスフォードシャーのスタジオでヴァーノンと行ったセッションで録音された[2][注釈 2]。「美の魔術」は作曲、演奏ともファン・デル・リンデンが単独で行った[2]。
「グライダー」は『ハンバーガー・コンチェルト』に続くアルバムの制作の際、1975年にブリュッセルのスタジオでヴァン・レール、アッカーマン、ライテルによりドラム・マシンを用いて録音された[注釈 3]。「創造主は語る」は、ヴァン・レール、アッカーマン、オリジナル・メンバーのマーティン・ドレスデンとハンス・クルフェールによる1970年1月の録音[2]。「夜に燃える空」と「クラッカーズ」は、1975年の二度目の日本公演の後、ファン・デル・リンデンに代わってデヴィッド・ケンパー が参加して録音され[2]、アッカーマン在籍中の最後の楽曲となった。
本作の再発CDには、「悪魔の呪文」のアメリカ盤シングル・ヴァージョンがボーナス・トラックとして追加された[3][4]。
反響・評価[編集]
アメリカの総合アルバム・チャートBillboard 200では163位を記録するが、フォーカスは本作を最後に、アメリカではヒットに恵まれなくなった[1]。ベン・デイヴィーズはオールミュージックにおいて5点満点中2.5点を付け「ソングライティングの質に関しては決して最高ではないが、名手達の閃きは多くの場面で現れている」と評している[3]。
サイド1[編集]
- Pの行進曲 – “P’s March” (Thijs van Leer) – 4:49
- 信じがたき出来事 – “Can’t Believe My Eyes” (Jan Akkerman) – 5:23
- フォーカスV – “Focus V” (T. van Leer) – 3:03
- ヴェスヴァイアス火山を抜けて – “Out of Vesuvius” (J. Akkerman, T. van Leer, Bert Ruiter, Pierre van der Linden) – 5:51
サイド2[編集]
- グライダー – “Glider” (J. Akkerman) – 4:39
- 夜に燃える空 – “Red Sky at Night” (J. Akkerman, T. van Leer) – 5:51
- 創造主は語る – “Spoke the Lord Creator” (T. van Leer) – 2:33
- クラッカーズ – “Crackers” (J. Akkerman) – 2:43
- 美の魔術 – “Ship of Memories” (P. van der Linden) – 1:47
リマスターCDボーナス・トラック[編集]
- 悪魔の呪文(USシングル・ヴァージョン) – “Hocus Pocus (US Single Version)” (J. Akkerman, T. van Leer) – 3:24
パーソネル[編集]
- テイス・ヴァン・レール – ハモンドオルガン、メロトロン、クラビネット、シンセサイザー、フルート、ボーカル
- ヤン・アッカーマン – ギター、エレクトリック・シタール
- ベルト・ライテル – ベース(#1, #2, #3, #4, #5, #8)
- ピエール・ファン・デル・リンデン – ドラムス(#1, #2, #3, #4, #5, #9)、ハーモニウム(#9)
- デヴィッド・ケンパー – ドラムス(#6, #8)
- ハンス・クルフェール – ドラムス(#7)
- マーティン・ドレスデン – ベース(#7)
注釈[編集]
出典[編集]
外部リンク[編集]
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