ロビンスカップ – Wikipedia

ロビンスカップ(英語: Robbins Cup)は、世界30か国からトレーダーたちが参加し競い合うリアルマネーによるトレードコンテストである。

30年[いつ?]以上の歴史があり、正式名称は「World Cup Trading Championships」(略称はWTC)、通称ロビンスカップ。日本でも過去3回商品先物取引を対象に開催されており、2017年10月には日本で再度FX取引を対象にしたロビンスカップが開かれた。

WTCは米国Robbins Trading Company社(以下ロビンス社)により1983年から始まったリアルタイム・リアルマネーで競い合うトレードコンテスト。

ロビンスカップの伝説[編集]

ラリー・ウィリアムズ(Larry Williams、1942年10月6日 – )は1987年ロビンスカップで1万ドルの口座を111万4607ドルに増やした。
また、1997年には彼の娘で、現在女優のミシェル・ウィリアムズがラリーの投資手法を用い約10倍のリターンを出して優勝している。他にも、感情的判断を排除した一貫性トレードを特徴とするジョン・ホルシンガーや「ラリー・ウィリアムズ・チルドレン」の異名を持つデビッド・P・キャッシュ、先物トレーダーのニール・ペプリンスキー、独自開発のオシレータとフィボナッチ分析を駆使するロバート・ブロックなどがいる。

歴代ロビンスカップ優勝者[編集]

優勝者 利益率 部門
1984 Casazzone, Ralph 264% 先物
1985 Casazzone, Ralph 1,283% 先物
1986 Thayer, Henry 231% 先物
1987 Williams, Larry 11,376% 先物
1988 Kline, David 148% 先物
1989 Lundgren, Mike 176% 先物
1990 Lundgren, Mike 244% 先物
1991 Kobara, Thomas 200% 先物
1992 Lundgren, Mike 212% 先物
1993 Hedreen, Richard 173% 先物
1994 Suler, Frank 85% 先物
1995 Minogue, Dennis 219% 先物
1996 Rentsch, Reinhart 95% 先物
1997 Williams, Michelle 1,000% 先物
1998 Park, Jason 99% 先物
1999 Hughes, Chuck 315% 先物
2000 Sakaeda, Kurt 595% 先物
Garner, Steve 24% 株式
2001 Cash, David 53% 先物
Jacobs, Larry 3% 株式
2002 Holsinger, John 608% 先物
Jensen, Tom 71% 株式
2003 Int’l. Capital Mngt 88% 先物
Stearns, Jeff 245% 株式
2004 Sakaeda, Kurt 929% 先物
Rayment, Tim 63% FX
Matar, Ash 26% 株式
2005 Twardus, Ed 278% 先物
Hughes, Chuck 30% 株式
2006 Davey, Kevin 107% 先物
Holsinger, John 18% FX
Zhang, Wenchen 73% 株式
2007 Cook, Michael 250% 先物
Sakaeda, Kurt 104% FX
Goldberg, Ken 121% CME E-mini (3Q)
Sorota, Richard 61% CME E-mini (4Q)
Hughes, Chuck 229% 株式
2008 Unger, Andrea 672% 先物
Mitchell, Rob 57% CME E-mini (1Q)
Rea, Tim 83% CME E-mini (3Q)
Sorota, Richard 25% CME E-mini (2Q)
Sorota, Richard 21% CME E-mini (4Q)
Johnson, Bryan 48% 株式
2009 Unger, Andrea 115% 先物
Rayment, Tim 44% FX
Hughes, Chuck 122% 株式
2010 Unger, Andrea 240% 先物/FX
Sakaeda, Kurt 22% 株式
2011 Rea, Tim 104% 先物/FX
2012 Event Ending 7-6-12
Kinkle, Cary 199.6% 先物
Armstrong, William 67% 先物
Swiontek, Allen 56.6% 先物
2012 Q4 Event
Unger, Andrea 82.8% 先物
Ma, Archie 20.5% 先物
Schwab, Jason 10.2% 先物
2013 Grimsley, Victoria 160% 先物
2014 Denlinger, Alexandre 716.8% バイナリーオプション
Wirz, Andreas 164.8% FX
Cook, Michael 366% 先物
2015 STORM LLC 107.8% FX
Chuck Hughes 309.1% 先物
2016 Luke Lewandowski 156.9% FX
Artur Teregulov 914.8% 先物

出典:米国Rbbins Trading社{https://www.worldcupchampionships.com/standings}

ロビンスカップにおける部門[編集]

先物、FX、株式の各部門がある。日本のWTCは株式、FX、仮想通貨、CFDの4部門。

米国WTCと日本WTC[編集]

日本WTCは、かつてロビンスカップで11,376%のリターンを出したラリー・ウィリアムズのようなトレーダーが発掘され、業界が発展することを目的としている。ラリーは日本でWTCが開催される際、動画メッセージを寄せた。

ロビンス社からのライセンスが日本開催のWTCに付与されている。トレードコンテストの状況は「World Cup Trading ChampionshipsR」のサイトを通じて、全世界へと配信される。

トレーダーの実力を証明する機会のひとつ[編集]

かつてラリー・ウィリアムズはWTCでの優勝を機にその後のトレード人生を劇的に変えた。

2016年には6大陸30か国のトレーダー達が競い合うトレードコンテストとなった。

日本ではトレードの実力が専ら自己申告のみに委ねられるケースが散見されるため、日本のWTCは、トレーダーとしての実力を証明する機会の一つとされる。

参考文献[編集]

  • チャック・フランク、パトリシア・クリサフリ『ロビンスカップの魔術師たち トレードコンテストのチャンピオンが語るトレーディングの極意』古河みつる(訳)、パンローリング〈ウィザードブックシリーズ〉、2006年4月13日。ISBN 4775970674。
  • ラリー・ウィリアムズ『ラリー・ウィリアムズの相場で儲ける法』林則行(訳)、林康史(訳)、日本経済新聞出版社、1996年12月9日。ISBN 4-532-13131-6。
  • ラリー・ウィリアムズ『ラリー・ウィリアムズの短期売買法 投資で生き残るための普遍の真理』清水昭男(訳)、柳谷雅之(訳)、長尾慎太郎(訳)、パンローリング〈ウィザードブックシリーズ〉、1999年9月。ISBN 4939103064。
  • ラリー・ウィリアムズ『ラリー・ウィリアムズの株式必勝法 正しい時期に正しい株を買う』長尾慎太郎(監修)、増沢和美(訳)、吉田真一(訳)、山中和彦(訳)、パンローリング〈ウィザードブックシリーズ〉、2004年1月。ISBN 4775970283。
  • ジャック・D・シュワッガー『マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣』横山直樹(監訳)、パンローリング〈ウィザードブックシリーズ〉、2001年8月。ISBN 4-939103-40-4。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]