ブレット・ガードナー – Wikipedia

ブレット・マイケル・ガードナーBrett Michael Gardner, 1983年8月24日 – )は、アメリカ合衆国サウスカロライナ州オレンジバーグ郡ホリーヒル英語版出身のプロ野球選手(外野手)。左投左打。現在は、フリーエージェント(FA)。

プロ入りとヤンキース時代[編集]

チャールストン大学英語版の3年の時に、2005年のMLBドラフト3巡目(全体109位)でニューヨーク・ヤンキースから指名を受け、6月12日に契約した。

2008年6月30日のテキサス・レンジャーズ戦でメジャーデビュー。「1番・左翼手」でスタメン起用され、3打数無安打1三振に終わった。

2009年はメルキー・カブレラとのポジション争いで開幕スタメンの座を勝ち取った。5月13日、トロント・ブルージェイズ戦にてメジャー初本塁打を放つ。

2010年は、左翼のレギュラーに定着し、150試合に出場。リーグ3位の47盗塁を記録した。また、チーム2位の79四球を選び、出塁率は.383を記録した。

好プレーをみせるガードナー

2011年は49盗塁でココ・クリスプと共に初の盗塁王に輝いた。

2012年1月20日に1年280万ドルで契約を延長した[1]。シーズンは右肘の怪我により、わずか16試合の出場に留まった[2]。12月7日に1年285万ドルで契約を延長した[3]

2014年1月17日にヤンキースと560万ドルの1年契約に合意した[4]。2月23日にヤンキースと総額5200万ドルの4年契約(2019年・1250万ドルのオプション付き)に合意し[5]、翌24日に球団が発表した[6]。9月21日のブルージェイズ戦で球団創設1万5千発目の本塁打をドリュー・ハッチソンから放った。シーズンでは、前年に記録した8本塁打(それまでの自己ベスト)を大幅に更新し、自身初の2桁となる17本塁打を記録した。一方で三振134も自己ワーストで、規定打席に到達したシーズンでは自己最少となる21盗塁に終わった。

2015年も左翼手のレギュラーで起用されたが、ジャコビー・エルズベリーが故障で離脱した事もあって、40試合で中堅手も守った打撃面では打率.259・16本塁打・66打点という成績を記録し、2014年から2年連続で15本塁打以上を放った。しかし135三振は自己ワーストだった。また盗塁数も2シーズン連続で減少し、20盗塁だった。

2016年は148試合に出場。打率.261、7本塁打、41打点を記録した。しかし16盗塁に終わり、規定打席に達したシーズンとしては自己最少だった。オフにゴールドグラブ賞を左翼手部門で初受賞した。

2017年6月1日のブルージェイズ戦で通算1000本安打を達成[7]。8月25日に前日に起きた乱闘の件で罰金処分が科せられた[8]。この年もリードオフマンとして151試合に出場し、打率.264、21本塁打、63打点、OPS.778、23盗塁を記録。自身初の20本塁打を記録するなど長打率、OPSはキャリアハイの成績を残した。また、2年ぶりに20盗塁以上を記録し、安打数もキャリアハイとなる157安打を記録した。一方で対左投手の打率が.209に留まった。

2018年は外野手のレギュラー候補が多い状態で開幕を迎えた。しかしながら、その候補の一人であるジャコビー・エルズベリーが後にシーズン全休になる怪我を負い、クリント・フレイジャーはスプリングトレーニング時になった脳震盪に一年を通して苦しみ出場機会を得ることができず、アーロン・ジャッジは手首の怪我で二か月ほど離脱をしたため、元々予想されていた試合の出場時間よりも増え、140試合に出場し、2008年以来もっとも低い打率となる.236、12本塁打、45打点だった[9]。2018年10月31日、ヤンキースは2019年シーズンに向けて1250万ドルのオプション契約を結ぶことを辞退したが、そのかわり750万ドルの単年契約を結んだ[10]

2019年も前年同様外野手の飽和状態で開幕を迎えたが、前年同様故障者が続出し、ジャンカルロ・スタントンはほぼ全休、アーロン・ヒックスはケガを繰り返し最終的にはトミー・ジョン手術、ジャッジも脇腹を痛め2ヶ月近くも戦列を離れるなか、ほぼケガなくこれらのプレイヤーの穴を埋めた。8月10日のブルージェイズ戦で球審の判定に暴言を吐いたとしてベンチに居たガードナーが退場になったが、実際にはダグアウトの天井をバットで突くような素ぶりを見せただけで無実だった[11][12]。最終的にはチームに故障者が続出する中、141試合に出場。打率.251ながら、自己最多・チーム3位となる28本塁打を放ち、長打率とOPS、打点でも自己ベストを記録した。オフの10月31日にFAとなった[13]

2020年1月11日、ヤンキースと1年1250万ドルで契約合意した[14]。この年は49試合に出場して打率.223、5本塁打、15打点、3盗塁を記録した。オフの10月30日に球団が延長オプションの放棄を発表したため、FAとなった[15]が、2021年2月22日にヤンキースと1年185万ドルで再契約した[16]。2022年は230万ドルのプレイヤーオプションとなるが、ガードナーがこれを破棄した場合、球団側が715万ドルのオプションを行使するか115万ドルを支払いバイアウトするかを選択することができる。

2021年は140試合に出場したが打率.222、86安打、10本塁打、39打点。前年の短縮シーズンを除けば継続していたシーズン100安打以上を途切れ、全てのプレーに精彩を欠いた。オフにプレイヤーオプションを破棄し、球団もオプションを破棄したためFAとなった[17]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]















O
P
S
2008 NYY 42 141 127 18 29 5 2 0 38 16 13 1 3 1 8 0 2 30 0 .228 .283 .299 .582
2009 108 284 248 48 67 6 6 3 94 23 26 5 6 1 26 0 3 40 3 .270 .345 .379 .724
2010 150 569 477 97 132 20 7 5 181 47 47 9 5 3 79 1 5 101 6 .277 .383 .379 .762
2011 159 588 510 87 132 19 8 7 188 36 49 13 8 2 60 1 8 93 5 .259 .345 .369 .714
2012 16 37 31 7 10 2 0 0 12 3 2 2 1 0 5 0 0 7 0 .323 .417 .387 .804
2013 145 609 539 81 147 33 10 8 224 52 24 8 7 3 52 1 8 127 8 .273 .344 .416 .759
2014 148 636 555 87 142 25 8 17 234 58 21 5 13 6 56 0 6 134 3 .256 .327 .422 .749
2015 151 656 571 94 148 26 3 16 228 66 20 5 8 3 68 1 6 135 8 .259 .343 .399 .742
2016 148 634 547 80 143 22 6 7 198 41 16 4 4 5 70 0 8 106 6 .261 .351 .362 .713
2017 151 682 594 96 157 26 4 21 254 63 23 5 5 3 72 2 8 122 4 .264 .350 .428 .778
2018 140 609 530 95 125 20 7 12 195 45 16 2 4 5 65 0 5 107 6 .236 .322 .368 .690
2019 141 550 491 86 123 26 7 28 247 74 10 2 0 3 52 0 4 108 6 .251 .325 .503 .829
2020 49 158 130 20 29 5 1 5 51 15 3 3 0 1 26 0 1 35 0 .223 .354 .392 .747
2021 140 461 387 47 86 16 4 10 140 39 4 0 5 6 60 0 3 100 3 .222 .327 .362 .688
MLB:14年 1688 6614 5737 943 1470 251 73 139 2284 578 274 64 69 42 699 6 67 1245 58 .256 .342 .398 .740
  • 2021年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績[編集]



左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)







2008 NYY 17 25 1 0 0 1.000 22 53 4 0 0 1.000
2009 99 186 3 2 2 .990
2010 123 200 9 1 1 .995 44 87 3 0 1 1.000
2011 149 294 7 4 3 .987 18 28 0 1 0 .966
2012 15 14 1 0 0 1.000
2013 138 327 5 3 1 .991
2014 126 227 3 2 0 .991 25 50 2 0 0 1.000 1 3 0 0 0 1.000
2015 119 178 6 0 1 1.000 40 87 1 2 0 .978
2016 147 249 9 3 2 .989 3 1 0 0 0 1.000
2017 122 205 10 0 1 1.000 22 36 2 0 1 1.000
2018 107 199 5 3 1 .986 34 66 1 0 1 1.000
2019 45 65 1 0 0 1.000 98 215 2 1 0 .995
2020 39 43 0 2 0 .956 10 26 1 0 0 1.000
2021 35 48 1 1 0 .980 105 205 2 0 1 1.000
MLB 1044 1747 53 16 9 .991 658 1367 26 9 7 .994 1 3 0 0 0 1.000
  • 2021年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • 各年度の太字年はゴールドグラブ賞受賞年

タイトル[編集]

表彰[編集]

記録[編集]

背番号[編集]

  • 11(2008年 – 2021年)
  1. ^ Yanks ink deal with Gardner ESPN New York
  2. ^ Fletcher, Jeff (2012年7月20日). “Brett Gardner needs elbow surgery” (英語). ESPN.com. http://espn.go.com/new-york/mlb/story/_/id/8182697/new-york-yankees-brett-gardner-needs-elbow-surgery-likely-season 2012年10月10日閲覧。 
  3. ^ Gardner avoids arbitration with one-year deal MLB.com
  4. ^ Bryan Hoch (2014年1月17日). “Gardner, Kelley, Nova, Robertson avoid arbitration”. MLB.com. 2014年1月18日閲覧。
  5. ^ Adam Berry (2014年2月23日). “Yanks, Gardner agree to four-year, $52M extension”. MLB.com. 2014年2月24日閲覧。
  6. ^ Yankees sign outfielder Brett Gardner”. MLB.com Yankees Press Release (2014年2月24日). 2014年2月25日閲覧。
  7. ^ Gardner proud of 1,000th-hit accomplishment MLB.com (英語) (2017年6月2日) 2017年10月4日閲覧
  8. ^ Miggy suspended 7 games, Sanchez 4 in fracas MLB.com (英語) (2017年8月25日) 2017年8月26日閲覧
  9. ^ MLB #11 Brett Gardner”. ESPN.com. ESPN, Inc.. 2018年10月31日閲覧。
  10. ^ Yankees bring back Brett Gardner and save $3 million”. nypost.com. NYP Holdings, Inc.. 2018年10月31日閲覧。
  11. ^ 「ノールック退場」に大荒れ 球審が暴言の主を確認せず選手に退場宣告で波紋”. Full-count. 2019年12月1日閲覧。
  12. ^ 【MLB】“無言で退場”の悲劇も… “天井ツンツン男”再来に批判殺到「大人になれ」”. au Webポータル. 2019年12月1日閲覧。
  13. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team’s free agents this winter” (English). MLB.com. 2019年12月2日閲覧。
  14. ^ ヤンキースがガードナーと1年13・7億円で契約”. nikkansports.com (2020年1月12日). 2020年1月13日閲覧。
  15. ^ Yankees Decline Brett Gardner’s Option” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年10月30日閲覧。
  16. ^ Yankees Re-Sign Brett Gardner” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年2月23日閲覧。
  17. ^ Brett Gardner, Darren O’Day Reach Free Agency” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年11月5日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]