ポーター (オルゴールメーカー) – Wikipedia

ポーター (Porter Music Box Company) は、アメリカ合衆国バーモント州に設立された高級オルゴールメーカーである。

1974年設立。創業者はドワイト・ポーターとメアリー・ポーター。ドワイトは、アンティークオルゴールのメンテナンスや修理を行いながら、かつてレジーナ社に在籍していたロイド・ケリーにオルゴール製作技術を学んだ。1974年にバーモント州に会社を設立し、これにより、米国で50年以上途絶えていたディスク式オルゴールの生産が復活した。設立翌年の1975年には、ドワイト自ら製作した最初のオルゴールが販売された(初号機は後にドワイト社長によって買い戻され、現在ポーターオルゴール博物館に展示されている)。

初期の頃は、ボルナンオルゴール社のオーナーであるルース・ボルナンによって、オルゴールの修理業務を提供され、経営支援や指導を受けた。ポーター社(ポーターオルゴール博物館)のウェブサイトには「ポーター社の今日があるのは彼のおかげである」と記されている。

1980年代には高級宝飾店や専門店での販路を開拓し、リュージュと並ぶ高級オルゴールメーカーの地位を確立していった。経営が完全に軌道に乗った1994年頃には、直営のオルゴール博物館とギフトショップを開設した。2009年現在、ポーターオルゴール博物館のウェブサイトからもオルゴールの購入が可能である。

ドワイト社長の「不完全な製品は世に出さない」という方針から、ディスクからキャビネットに至るまで、ほとんどのパーツが自社製造である。そのため、同社のオルゴールの価格は非常に高く設定されている(大型オルゴールであれば、高級車1台分の価格帯である)。また、シリンダータイプの小型オルゴールを除き全て職人によるハンドメイドである。

代表的な製品[編集]

  • ツインディスクオルゴール – 2枚のディスクでステレオ再生が可能な大型オルゴール。同社の主力製品。
  • スワンエリート – ベテラン職人による、豪華な象眼装飾を施した大型オルゴール。近年後継機としてスワンエリート2を開発し、発売された。2009年現在、スワンエリート3を研究・開発中である。(発売日未定)
  • バロックオルゴール – 同社で最も厳格な規格で製作されている最高品質オルゴール。1台数百万円と、価格も最高級である。
  • 小型オルゴール – イタリア製象眼キャビネットに日本製18弁シリンダーオルゴールをポーターの工場で組み立てた小型オルゴール。30弁タイプもある。同タイプの高級小型オルゴールは、リュージュや日本電産サンキョー商事も展開している。
  • オルゴールディスク – 15.5インチ及び12.25インチの楽曲ディスク。クラシックから最新のポピュラーソングまで1000曲以上のラインナップがある。2000年初頭からは7インチの超小型ディスクも製造。
  • CD – ポーターオルゴールの音源を収録したCD
  • キャビネット – オルゴールの台座部分
  • ムーブメント – オルゴールの動作機構部分

ポリフォン・レジーナ互換ディスク[編集]

前述のように創業者がレジーナ社と関係が深いことから、レジーナ製と同じ15.5インチのオルゴールディスクを現在も生産している。また、レジーナ社はドイツのポリフォン社から独立した会社であるため、ポリフォンのディスクオルゴールとも互換性がある。従って、ポーター製のディスクを使用すれば、ポリフォンとレジーナ双方のアンティークオルゴールで最新曲を再生することも可能である。

最近の動向[編集]

大型製品主体のラインナップを見直し、7インチクラスの超小型ディスクオルゴールや日本電産サンキョー商事製のオルゴールムーブメントを筐体に組み込んだシリンダーオルゴールなど、手頃な価格のオルゴールの販売も行うようになった。また、ポーター製ディスクオルゴールの音源を収録したCDの販売も行っている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]