国鉄ホキ7500形貨車 – Wikipedia

国鉄ホキ7500形貨車(こくてつホキ7500がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍したホッパ車である。

本形式はセメント輸送用として1967年(昭和42年)から1968年(昭和43年)にかけて日本車輌製造東京支店にて22両(ホキ7500 – ホキ7521)が製作された40t 積の私有貨車である。

落成当時の所有者は小野田セメント、富士セメントの2社のみであった。その後富士セメントは日鐵セメントに社名変更を行った。小野田セメント車は石蟹駅、小野田港駅、津久見駅、東藤原駅、黒崎港駅、赤崎駅、厚木駅、富士セメント車は東室蘭駅をそれぞれ常備駅として運用した。

1984年(昭和59年)10月12日に、小野田セメント所有車3両(ホキ7501、ホキ7508、ホキ7509)が清水工業へ名義変更され、常備駅を西濃鉄道市橋線の猿岩駅になった。

外観はホキ5700形とほぼ瓜二つであるが荷役方式が異なっていた。このためホッパ上部の配置に違いがある。荷役方式はエアスライド式のほかに電動縦型スクリューコンベアを備えたため、下出しに加え上出しも可能となった。この機能により取り出し設備の無い駅でも荷役が可能となったが、晩年にはセメントの集約化が進みこの機能も不要となり、撤去された車もある。

全長は10,800mm、全幅は2,706mm、全高は3,820mm、台車中心間距離は6,700mm、実容積は34.2m3 – 38.5m3、自重は13.9t、換算両数は積車5.5、空車1.4である。台車はベッテンドルフ式のTR41Cである。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には19両(ホキ7501 – ホキ7510、ホキ7513 – ホキ7521)の車籍がJR貨物に継承され、1995年(平成7年)度末時点では3両(ホキ7501、ホキ7508、ホキ7509)が現存していたが、2003年(平成15年)度に廃車となり同時に形式消滅となった。

年度別製造数[編集]

各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)

  • 昭和42年度 – 8両
    • 日本車輌製造 8両 小野田セメント (ホキ7500 – ホキ7507)
  • 昭和43年度 – 14両
    • 日本車輌製造 3両 小野田セメント (ホキ7508 – ホキ7510)
    • 日本車輌製造 2両 富士セメント (ホキ7511 – ホキ7512)
    • 日本車輌製造 9両 小野田セメント (ホキ7513 – ホキ7521)

参考文献[編集]

  • 鉄道公報
  • 吉岡心平『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑』(ネコ・パブリッシング、1997年)ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)
  • 吉岡心平『RM LIBRARY 140 有蓋ホッパ車のすべて(上)』(ネコ・パブリッシング、2011年)ISBN 978-4-7770-5306-3
  • 吉岡心平『RM LIBRARY 141 有蓋ホッパ車のすべて(下)』(ネコ・パブリッシング、2011年)ISBN 978-4-7770-5307-0

関連項目[編集]