河路由佳 – Wikipedia

河路 由佳(かわじ ゆか、1959年8月 – )は、日本の日本語教育学者、歌人。専門は日本語教育学、日本語教育史。杏林大学外国語学部特任教授、博士(学術)(一橋大学)。現代歌人協会、日本文藝家協会会員。

慶應義塾女子高等学校、慶應義塾大学経済学部卒業、慶應義塾大学大学院文学研究科国文学専攻修士課程修了、一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程単位取得退学。2004年、一橋大学 博士(学術) 論文は「戦時体制下における「国際文化事業」としての日本語教育の展開 : 1934-1945年の国際文化振興会と国際学友会」[1]

高校在学中より木下順二と山本安英に朗読と演劇を学んだ。短歌結社「新暦」に所属し、歌人としても活動。1997年、第15回現代短歌評論賞優秀作受賞。

1988年(財)国際学友会日本語学校専任教員。1991年西安交通大学(中国)外語系日本語科講師。1994年東京農工大学留学生センター講師。2001年助教授。2004年東京外国語大学外国語学部助教授。2008年教授。2009年同大学総合国際学研究院教授(言語文化部門・言語研究系、大学院重点化に伴う配置換え)。2015年に改組に伴い同大学国際日本学研究院教授。2016年3月に退職し、一橋大学大学院言語社会研究科特別研究員。2017年新宿日本語学校特任副校長、2019年東洋大学国際教育センター講師[2]、2020年より現職。

東京外国語大学では2004年度入学生から始まった学部・大学院5年一貫制の日本語教育学特化コースの代表を務めた(第8期、2011年度入学生を最後に、学部改組に伴ってコースは終了した)。2004年秋より(財)言語文化研究所の所外研究員を務め、2009年度に同研究所が学校法人長沼スクールに移行するのに伴い、旧日本語教育振興会から引き継がれた資料を中心に、蔵書の一部が東京外国語大学図書館に寄贈され、2012年度に同図書館の、戦前・戦中・占領期日本語教育資料(通称:長沼直兄文庫)として、電子公開されるに際して、送り出しと受け入れの両側から尽力した。

  • 第一歌集『日本語農場』 ながらみ書房,1995
  • 共著『進学する人のための日本語初級 教師用指導書』国際学友会日本語学校,1997
  • 第二歌集『百年未来』 角川書店,2000
  • 河路由佳・岩崎良子『三十一文字の日本語――現代短歌から古代歌謡へ――』おうふう,2000
  • 河路由佳・淵野雄二郎・野本京子『戦時体制下の農業教育と中国人留学生』農林統計協会,2003
  • 『非漢字圏留学生のための日本語学校の誕生』港の人, 2006
  • 『国際学友会「日本語教科書」全7冊合本1940-1943』港の人, 2006
  • 第三歌集『魔法学校』 角川書店, 2008
  • 『日本語教育と戦争ー〈国際文化事業〉の理想と変容』新曜社, 2011
  • ドナルド・キーン共著『ドナルド・キーン わたしの日本語修行』白水社, 2014、新版2020
  • 『中島敦「マリヤン」とモデルのマリア・ギボン』港の人, 2014
  • 第四歌集『夜桜気質』 短歌研究社, 2015
  • 『日本語学習・教育の歴史ー越境することばと人びと』東京大学出版会, 2016
  • モハメド・オマル・アブディン共著『日本語とにらめっこ 見えないぼくの学習奮闘記』白水社, 2021