結城充考 – Wikipedia
(ゆうき みつたか、1970年12月26日[1] -)は、日本の小説家。男性。
1970年、香川県高松市に生まれる[1]。少年時代を埼玉県で過ごす。妹はクラシックギタリストの坪川真理子。2009年現在、東京都在住。
高校時代からSF、時代小説に傾倒。映画の自主制作に関わり、その後20代後半から小説の執筆に着手する。
2004年、『奇蹟の表現』で第11回電撃小説大賞の銀賞を受賞。受賞作は翌2005年に電撃文庫より刊行され、作家としてデビュー。しかし、2006年の第3巻まで刊行された『奇蹟の表現』は以降の続刊がなく、しばらく作品の発表が無くなる。
2008年、有栖川有栖、石田衣良ら選考委員から絶賛され、『プラ・バロック』で第12回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。
2009年3月、光文社より『プラ・バロック』刊行。2010年には短編作品『雨が降る頃』が、第63回日本推理作家協会賞候補となった。
2011年8月、初の短編集である『衛星を使い、私に』を刊行。2012年4月、『別册文藝春秋』にて初の連載小説『クロム・ジョウ』の連載を開始。
2013年11月、『奇蹟の表現』シリーズ以来のSF作品となる『躯体上の翼』を刊行。
2015年、テレビ朝日にて『クロハ 機捜の女性捜査官』のタイトルで、『プラ・バロック』がテレビドラマ化。
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作品に登場する主要人物は、日本語の名前であっても概ね片仮名で表記される(「シマ」「クロハ」等)。
SF的な趣向の作品を得意としており、デビュー作の『奇蹟の表現』では近未来的な世界観でストーリーを展開した。2009年の『プラ・バロック』は現代を舞台としたミステリーではあるものの、もともとはSF作品として構想していたアイデアを、現代に舞台を移して再構成したものである[2]。
『プラ・バロック』以降は主にミステリー小説を中心に執筆活動を続けている。同一シリーズ以外の各作品は直接的な繋がりはないが、同一の固有名詞が登場するなど、作品同士の関連を思わせる描写も存在する[3]。
刊行リスト[編集]
小説[編集]
奇蹟の表現シリーズ[編集]
クロハシリーズ[編集]
- プラ・バロック (光文社、2009年3月 / 光文社文庫、2011年3月) – 第12回日本ミステリー文学大賞新人賞
- エコイック・メモリ (光文社、2010年8月 / 光文社文庫、2012年8月)
- 衛星を使い、私に (短編集、光文社、2011年8月 / 光文社文庫、2013年9月)
- 唯一のエス (『小説宝石』2010年10月号初出)
- 二つからなる銃弾 (『小説宝石』2011年1月号初出)
- 雨が降る頃 (『小説宝石』2009年6月号初出) – 第63回日本推理作家協会賞候補
- 衛星を使い、私に (『ジャーロ』2011年春号初出)
- Sは瞼をとじた (『小説宝石』2011年5月号初出)
- 計算による報酬 (『小説宝石』2011年7月号初出)
- アルゴリズム・キル (光文社、2016年6月 / 光文社文庫、2018年6月)
捜査一課殺人班イルマシリーズ[編集]
- 狼のようなイルマ (祥伝社、2015年5月/ 祥伝社文庫、2019年3月)[4]
- ファイアスターター (祥伝社、2017年05月/ 祥伝社文庫、2019年4月)
- エクスプロード (祥伝社、2017年10月/ 祥伝社文庫、2019年5月)
- オーバードライヴ (祥伝社文庫、2019年6月)
シリーズ外[編集]
参加アンソロジー[編集]
- 短編作品「雨が降る頃」収録。
- 短編作品『交差』収録。
- 短篇ベストコレクション 現代の小説2014 (徳間書店、2014年6月)
- 短編作品「ソラ」収録。
単行本未収録作品[編集]
小説作品[編集]
- 義眼の少年 (中編作品、『小説宝石』2010年1月号、光文社)[5]
- 交差 (短編作品、『ミステリマガジン』2010年12月号、早川書房)
- 微睡む娘 (短編作品、『小説新潮』2012年11月号、新潮社)
- ソラ (短編作品、『SF宝石』2013年8月刊、光文社)[5]
- スタンドアロン(『小説宝石』2017年12月号、光文社)
- 冷雨(『小説宝石』2018年9月号、光文社)
- 闇(『小説宝石』2019年4月号、光文社)
- 悪魔(『小説宝石』2019年9月号、光文社)
- 焔ノ地(『小説宝石』2020年11月号 – (連載中)、光文社)
エッセイ[編集]
- 夢 (『月刊J-novel』2009年8月号、実業之日本社)
- ミステリーズ・バー『I』 (『ミステリーズ!』Vol.36、東京創元社)
- ウッカリショッピング (『小説すばる』2009年9月号、集英社)
- 私を変えたこの一冊『生命』 (『小説トリッパー』2009年冬季号、朝日新聞出版)
- 帰り道、思い出した光景 (『ミステリマガジン』2010年2月号、早川書房)
- 警察官の見上げた光景 (『小説宝石』2011年9月号、光文社)
- やり残した何か (『月刊J-novel』2012年7月号、実業之日本社)
- 旅と武器 (『本の旅人』2012年7月号、角川書店)
- クロハの存在する空間 (『小説宝石』2015年2月号、光文社)
インタビュー[編集]
対談[編集]
- 新人賞受賞記念対談:「『プラ・バロック』に出会えて幸せだった」と書かれていて、舞い上がりました (『ジャーロ』2009年春号、光文社) – 有栖川有栖との対談
- Vシネマへの出演経験がある。給料1,000円、拘束時間5時間、出演時間2秒の通行人役であり、自身でも「どこに映っているのかよく分からない」とのこと[6]。
- 少年時代、プロレスラーのスタン・ハンセンに怒られたことがある。サインをもらおうと大勢で取り巻いたためとのこと[7]。
- ^ a b 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.469
- ^ 新人賞受賞記念対談:「『プラ・バロック』に出会えて幸せだった」と書かれていて、舞い上がりました, 『ジャーロ』2009年春号, 光文社
- ^ 『義眼の少年』と『躯体上の翼』に登場する企業「低温生活」等
- ^ 現代を舞台に、『奇蹟の表現』の登場人物であるイルマを主人公に据えた作品。
- ^ a b 電撃文庫より刊行されていた『奇蹟の表現』の番外編。
- ^ 『奇蹟の表現』作者プロフィール。
- ^ 『奇蹟の表現 2 雨の役割』作者プロフィール。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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