余韻 (来生たかおのアルバム) – Wikipedia
『余韻』(よいん)は、2008年にリリースされた来生たかおの23枚目のオリジナルアルバム(CD〈規格品番:ANOC-6151〉)である。
- ※原則的に、来生たかおは“来生”に省略、来生えつこは“来生えつこ”と表記。
来生は前作『avantage』が最後のアルバムになるかも知れないと思っていたが、関係者からアルバム制作の誘いがあり、実現したことを明かしている[1]。来生は全曲書き下ろしのアルバム制作に自信を持てなかったが、『30th Anniversary X’mas Concert Tour 2005 avantage アヴァンタージュ』で幼少時の愛唱歌である「雨に咲く花」をカヴァーしたことがとっかかりとなり、他作曲家作品のカヴァーアルバムというアイディアが持ち上がった[1]。また、どうせならオリジナル曲も入れてはどうかという周辺の意見から、カヴァー曲・オリジナル曲で別々に1枚ずつ制作する案もあったが、最終的に7曲がオリジナル、6曲がカヴァーという形に落ち着き、有名・無名にこだわらず、あくまで来生がソングライターとして感銘を受けた楽曲や、幼少期から気に入っていた楽曲の中から、歌詞よりメロディーの良さで厳選された[2]。
編曲は矢倉銀(来生たかおの編曲時のペンネーム)と渡辺俊幸で行われている。来生がたまたま観ていたNHK総合『NHKスペシャル にっぽん家族の肖像』のテーマソングに感銘を受け、その作者である渡辺に自ら依頼したという。
ブックレットには“ニューアルバムによせて”と題された来生自身による各カヴァー曲の解説が掲載されており、ブックレットの題字・イラストは来生えつこの直筆によるものである。アルバムタイトルには、聴き終わった後に小津安二郎作品のような余韻が残るように、との思いが込められている。
なお、ブックレットには“プロデューサー”は明記されておらず、“エグゼクティブプロデューサー”として安西範康の名が記されている。
パッケージの体裁[編集]
ディスクジャケット[編集]
ジュエルケースにブックレットを挿入
帯のコピー[編集]
オリジナル7曲に加え、初めてカバー曲にも挑戦した贅沢なアルバム。来生たかおがこれぞ昭和の名曲と自らセレクトした6曲を厳選収録。
- リフレイン(1:03)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:矢倉銀
- 本アルバムのコンセプトを紹介するような短い楽曲。
- バルコニーへ(5:10)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:渡辺俊幸
- 夏の迷宮(3:52)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:矢倉銀
- クレーター(4:42)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:渡辺俊幸
- 春の窓(4:37)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:矢倉銀
- 渦(4:24)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:渡辺俊幸
- 思い出時計(5:32)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:矢倉銀
- 今日でお別れ(5:00)
- 作詞:なかにし礼 / 作曲:宇井あきら / 編曲:渡辺俊幸
- 来生は、シンプルで美しい楽曲と評し、“一生に一度こんな曲を書けたら作曲家冥利に尽きる”とする一方で[3]、歌詞に描かれているようなタイプの女性は苦手と語っている[4]。
- あいつ(3:04)
- 作詞:平岡精二 / 作曲:平岡精二 / 編曲:矢倉銀
- 平岡精二のメロディセンスに魅了されて選曲したと述べている[3]。
- ギターをひこう(3:29)
- 作詞:水木かおる / 作曲:小林亜星 / 編曲:矢倉銀
- 元々、加藤登紀子が歌った楽曲で、マイナーコードで進行しているものがサビで一転メジャーコードへ展開する斬新さに着眼すると同時に[3]、また、サビのコード進行の心地好さにも惹かれ、同様のコード進行を自作曲で多用しているという[5]。
- 雨に咲く花(3:38)
- 作詞:高橋掬太郎 / 作曲:池田不二男 / 編曲:矢倉銀
- 井上ひろしがリバイバルヒットさせた楽曲で、幼少期の愛唱歌だという[3]。ライヴやテレビ番組でも以前からカヴァーしていた。
- 爪(4:08)
- 作詞:平岡精二 / 作曲:平岡精二 / 編曲:矢倉銀
- こういった洒落たメロディに弱いと語り、同じく平岡精二の手による「学生時代」(歌唱:ペギー葉山)も好きな1曲として挙げている[3]。
- 二人の世界(3:43)
参加ミュージシャン[編集]
※クレジットなし(渡辺俊幸公式サイトのブログより)
参加スタッフ[編集]
- ^ a b コンサート(2010年)のMC
- ^ 新星堂の無料冊子『Sound Estate』vol.8(2009年1月)
- ^ a b c d e f 本アルバムのブックレット
- ^ コンサート(2008年)のMC
- ^ コンサート(2006年)のMC
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