エガン・ベルナル – Wikipedia

この名前は、スペイン語圏の人名慣習に従っています。第一姓(父方の姓)はベルナル、第二姓(母方の姓)はゴメスです。(Template:スペイン語圏の姓名)
エガン・ベルナル
Egan Bernal
Cycling (road) pictogram.svg
Egan Bernal KOERS 2019 01 (cropped).jpg

2019年ツール・ド・フランスにて

個人情報
本名 Egan Arley Bernal Gómez
エガン・アルレイ・ベルナル・ゴメス
生年月日 (1997-01-13) 1997年1月13日(25歳)
国籍  コロンビア
身長 175cm
体重 60kg
チーム情報
所属 イネオス・グレナディアス
分野 ロードレース
役割 選手
特徴 クライマー
プロ所属チーム

2016–2017
2018–

アンドローニ・ジョカットーリ
チーム・スカイ
グランツール最高成績
ジロ・デ・イタリア 総合優勝 (2021)
ツール・ド・フランス 総合優勝 (2019)
主要レース勝利
ツール・ド・フランス
Jersey yellow.svg 総合優勝(2019)
Jersey white.svg ヤングライダー賞(2019)
ジロ・デ・イタリア
Jersey pink.svg 総合優勝 (2021)
Jersey white.svg ヤングライダー賞 (2021)
区間通算2勝
ステージレース
ツール・ド・スイス(2019)
パリ〜ニース(2019)
ツール・ド・ロマンディ(2018)
ツアー・オブ・カリフォルニア(2018)
ツール・ド・ラブニール(2017)
ワンデイレース
 コロンビア選手権

個人タイムトライアル(2018)
最終更新日
2021年5月31日

エガン・アルレイ・ベルナル・ゴメス(Egan Arley Bernal Gómez、1997年1月13日 – )は、コロンビア、ボゴタ出身の自転車競技(ロードレース)選手。

2014-2015年、世界選手権自転車競技大会のマウンテンバイクレース・ジュニア部門にて2つのメダルを獲得する。

2016年[編集]

アンドローニ・ジョカットーリにてロードレースのプロキャリアをスタート。

2017年[編集]

若手の登竜門、ツール・ド・ラブニールにて「未来のキンタナ」とコロンビアチームの期待を背負いながら第7、8ステージにて優勝し[1]、総合優勝を勝ち取った[2]

2018年[編集]

チーム・スカイに移籍。コロンビア・オロ・イ・パにて、グランツール表彰台常連のリゴベルト・ウランやナイロ・キンタナを抑えて総合優勝を獲得した[3]。初出場となるボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャにて好走し、総合2位と新人賞は確実と思われたが、最終ステージにて落車に巻き込まれ無念のリタイアとなった[4]。鎖骨骨折からわずか1ヶ月後のツール・ド・ロマンディにて第3ステージの山岳タイムトライアルを制し、ワールドツアー初勝利を挙げた[5]

ツアー・オブ・カリフォルニアでは山岳ステージで圧倒的な走りを見せ序盤首位に立つが個人タイムトライアルでティージェイ・ヴァン・ガーデレンに逆転を許してしまう。しかし2日後に再び首位を取り返して最終日まで守り切り初のUCIワールドツアー総合優勝に輝いた。

ツール・ド・フランス[編集]

初出場のツール・ド・フランスでは総合優勝ゲラント・トーマス、総合3位クリス・フルームを支える走りをしながら総合15位と、石畳ステージの遅れさえなければ新人賞の獲得の可能性のある(実際に山岳ステージでは新人賞のピエール・ラトゥールを何度も引き離していた)21歳とは思えない驚異的な走りを見せた[6]

2019年[編集]

当初はジロ・デ・イタリアにエースとして出場予定であったが、4月下旬に練習中の落車で鎖骨を骨折したため欠場[7]。ツール・ド・フランスへと目標を切り替え、復帰戦となるツール・ド・スイスで総合優勝[8]。ツール・ド・フランスでは当初アシストの予定だったが、クリテリウム・デュ・ドフィネでクリス・フルームが落車、骨折しツールへの出場を断念。ベルナルはゲラント・トーマスと共にダブルエースとして、ツールに臨むこととなった[9]

ツール・ド・フランス[編集]

中盤までは大崩れすることなくステージを進め、アルプス3連戦初日となる第18ステージでゲラント・トーマスの指示によりアタックを仕掛け、総合首位のジュリアン・アラフィリップへ1分30秒差に迫る2位に浮上[10]。続く第19ステージでは大会最高峰のイズラン峠をトップ通過。その後、通過予定のコース上で降雹および土砂崩れが発生したためレースは中止。イズラン峠通過時点のタイムが総合成績に反映されることとなり、2分10秒遅れとなったジュリアン・アラフィリップから総合首位を奪取した[11]。第20ステージでは無理に動くことなくタイム差を守り切り、総合優勝を実質上確定させた[12]。第21ステージ、総合2位となったゲラント・トーマスと手をつなぎ互いを讃え合うジェスチャーでゴール。コロンビア人初、また南米出身選手として初のツール・ド・フランス総合優勝を手に入れた[13]

2020年[編集]

ツール・ド・フランス連覇を目指したが、前哨戦となるクリテリウム・デュ・ドフィネは背中の痛みにより、第4ステージ出走前にリタイア[14]
ツールでも背中と膝の痛みのため、第17ステージ出走前にリタイアとなった[15]

2021年[編集]

初出場となったジロ・デ・イタリアでは、第6ステージで2着に入り総合順位3位に上昇。第9ステージでグランツール初勝利を挙げ、総合でもトップに立った[16]
第16ステージで2勝目を挙げ、総合2位のダミアーノ・カルーゾに2分24秒差をつける[17]
続く第17ステージの激坂区間で失速するものの、チームメートのダニエル・マルティネスの激励を受けながら走り続け、ステージ7位でゴール。総合首位を守った[18]
その後は大崩れなくレースを進め、総合優勝とヤングライダー賞を獲得した[19]

6月に新型コロナ陽性の検査結果が出たものの軽症[20]。7月下旬のクラシカ・サンセバスティアンでレース復帰。

初出場となったブエルタ・ア・エスパーニャは総合6位の結果だった。

2022年[編集]

ツール・ド・フランスへの出場を目指していたが、コロンビアでのトレーニング中の1月24日、停車していたバスに衝突。大腿骨、膝蓋骨、肋骨など20箇所の骨折と外傷性気胸等の重傷を負った[21]
合計5度の手術が施され、2月6日に退院を発表[22]

主な戦績[編集]

2014年[編集]

  • 世界選手権自転車競技大会 マウンテンバイクレース・クロスカントリー ジュニア 2位
  • パンアメリカン競技大会 マウンテンバイクレース・クロスカントリー ジュニア 3位

2015年[編集]

  • パンアメリカン競技大会 マウンテンバイクレース・クロスカントリー ジュニア 優勝
  • 世界選手権自転車競技大会 マウンテンバイクレース・クロスカントリー ジュニア 2位

2016年[編集]

  • セッティマーナ・インテルナツィオナーレ・ディ・コッピ・エ・バルタリ 新人賞
  • ジロ・デル・トレンティーノ 新人賞
  • ツアー・オブ・ビホル 総合優勝、新人賞(第1ステージ優勝)
  • ツール・ド・スロベニア 新人賞

2017年[編集]

  • ブエルタ・ア・サンフアン 新人賞
  • セッティマーナ・インテルナツィオナーレ・ディ・コッピ・エ・バルタリ 新人賞
  • ツアー・オブ・ジ・アルプス 新人賞
  • ツール・ド・サヴォア 総合優勝、ポイント賞、新人賞(第2、4(ITT)ステージ優勝)
  • ツール・ド・ラブニール 総合優勝(第7、8ステージ優勝)
  • シビウ・サイクリングツアー 総合優勝、ポイント賞、新人賞(第2、3ステージ優勝)
  • ジロ・ディ・トスカーナ 新人賞

2018年[編集]

  • ツアー・ダウンアンダー Jersey white.svg 新人賞
  •  コロンビア選手権 優勝(個人タイムトライアル)
  • コロンビア・オロ・イ・パ 総合優勝、山岳賞、新人賞
  • ツール・ド・ロマンディ 総合2位、Jersey white.svg 新人賞(第3ステージ優勝・個人タイムトライアル)
  • ツアー・オブ・カリフォルニア Jersey yellow.svg 総合優勝、Jersey white.svg 新人賞(第2ステージ優勝)

2019年[編集]

2019年パリ〜ニースにて

2020年[編集]

  • ルート・ドクシタニー
    • Jersey orange.svg 総合優勝
    • Jersey green.svg ポイント賞
    • Jersey white.svg 新人賞
    • 区間1勝(第3ステージ)

2021年[編集]

  • ジロ・デ・イタリア 
    • Jersey pink.svg 総合優勝
    • Jersey white.svg ヤングライダー賞
    • 区間2勝(第9,16ステージ優勝)

グランツールの総合成績[編集]

グランツール 2018 2019 2020 2021
Jersey pink.svg ジロ・デ・イタリア 1
Jersey yellow.svg ツール・ド・フランス 15 1 DNF
Jersey red.svg ブエルタ・ア・エスパーニャ 6
[脚注の使い方]
  1. ^ コロンビアがステージを制圧、ベルナルがソロ優勝 日本は雨澤の総合順位アップを狙う
  2. ^ コロンビアの独壇場で幕を閉じたツール・ド・ラヴニール 世界での日本の位置が明確に
  3. ^ 初開催のコロンビアレースでキンタナやウランを下した21歳ベルナルが総合優勝
  4. ^ 波乱の展開でイェーツが独走勝利 バルベルデが2年連続3度目のカタルーニャ制覇”. 2018年3月26日閲覧。
  5. ^ 鎖骨&肩甲骨骨折からわずか1ヶ月 21歳ベルナルが山岳TTで優勝を飾る”. 2018年4月28日閲覧。
  6. ^ ツール・ド・フランス2018総括 新王者トーマスの戦いぶりと今後のグランツールへの期待
  7. ^ Egan Bernal out of Giro d’Italia after collarbone break
  8. ^ ツール・ド・スイス2019でベルナルが総合初優勝
  9. ^ 盟友フルームを欠き、スイスで落車リタイアしたゲラント・トーマスは総合2連覇できるか?
  10. ^ キンタナが超級ガリビエを独走 ベルナルが挽回し、アラフィリップが首位を守る
  11. ^ ツール・ド・フランス2019 第19ステージは終盤に荒天で中止!/マイヨ・ジョーヌはベルナル
  12. ^ アルプス最終区間のツール・ド・フランス2019 第20ステージはニバリが逃げ切り優勝/ベルナル総合首位でパリへ
  13. ^ 運命が決めたツールの若き王ベルナル 個人を超えたチームワークの勝利
  14. ^ 【クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ:レビュー】ベルナルもログリッチも途中棄権。頂点に君臨したのはコロンビアの新星ダニエル・マルティネス!”. JSPORTS (2020年8月18日). 2022年3月8日閲覧。
  15. ^ ベルナルがツールからリタイア 「今の自分には正しい判断」”. cyclowired (2020年9月16日). 2022年3月8日閲覧。
  16. ^ ジロ・デ・イタリア2021第9ステージ 未舗装の1級山岳を制したベルナルが自身初のGTステージ優勝&マリアローザ獲得”. cyclowired (2021年5月17日). 2022年3月8日閲覧。
  17. ^ 【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第16ステージ】ライバルの努力も希望も打ち砕く王者の一撃!エガン・ベルナル「今日はなにかスペシャルなことがしたかった」”. JSPORTS (2021年5月25日). 2022年3月8日閲覧。
  18. ^ ジロ・デ・イタリア2021第17ステージ ベルナルが失速するもローザ維持 マーティンが逃げ切り、イェーツが総合3位浮上”. cyclowired (2021年5月27日). 2022年3月8日閲覧。
  19. ^ ジロ・デ・イタリア2021第21ステージ ガンナが2年連続最終TT制覇 ベルナルが第104代ジロ・デ・イタリア勝者に輝く”. cyclowired (2021年5月31日). 2022年3月8日閲覧。
  20. ^ ジロ・デ・イタリア2021で優勝したベルナルが新型コロナ陽性”. cyclesports (2021年6月5日). 2022年3月8日閲覧。
  21. ^ コロンビアで合宿中の事故 ベルナルがバスに衝突 大腿骨など複数ヶ所を骨折か”. cyclowired (2022年1月25日). 2022年3月8日閲覧。
  22. ^ 20箇所の骨折と5度の手術を越え ベルナルが退院を報告「生まれ変わった気分だ」”. cyclowired (2022年2月7日). 2022年3月8日閲覧。

参考文献[編集]