ヘイデン・パッドン – Wikipedia
ヘイデン・パッドン(Hayden Paddon、1987年4月20日 – )は、ニュージーランド出身のラリードライバー。
父親もラリードライバーであるパッドンは、6歳からカートを始めた。ラリーデビューは2002年で、当時15歳であった。2006年には国内最高峰のニュージーランドラリー選手権に三菱・ランサーエボリューションでデビューし、ルーキーカップとジュニアカップを同時に勝ちとった。2007年にはプロダクションカー世界ラリー選手権 (PWRC) にワイルドカード参戦でデビュー。2008年には国内選手権を制覇した。2009年には国内選手権を連覇し、アジアパシフィックラリー選手権 (APRC) のパシフィックカップも制覇[1]。
2010年にはPWRCで初めて優勝し年間ランキング3位。2011年にはスバル・WRX STIで念願のPWRCチャンピオンを獲得した。
2012年は主戦場をS2000世界ラリー選手権 (SWRC) に切り替え、シュコダ・ファビア S2000で参戦。2勝を挙げ総合4位につけた。2013年には再び国内選手権に戻り3度目のチャンピオンになった他、ヨーロッパラリー選手権 (ERC) にフォード・フィエスタ S2000でスポット参戦もした。
2014年、WRCに復帰したヒュンダイとシーズン途中に契約し、パッドンは念願の世界ラリー選手権 (WRC) のシートを獲得。2015年にはフル参戦を果たしたが、ラリー・イタリアの2位以外は表彰台に登れず、年間9位となった。
2016年にはラリー・アルゼンチンでWRC初優勝を飾り[2]、2位と3位も一度ずつ獲得して総合4位につけた。
2017年は開幕戦ラリー・モンテカルロのSS1でクラッシュした際、観戦エリア外にいたスペイン人カメラマンにマシンが直撃。このカメラマンは死亡し、パッドンは残りのステージを棄権した[3]。また第6戦ラリー・ポルトガルを前に、ジョン・ケナードの現役引退に伴ってセバスチャン・マーシャルへとコ・ドライバーを交代した[4]。この年はポーランドとオーストラリアで表彰台に上がったが、チームメイトのティエリー・ヌービルが4勝を挙げて2位、ダニ・ソルドが同じ2度表彰台を獲得して6位であったのに対して年間8位に終わっている。
2018年はダニ・ソルドとシートを共有する形で、グラベルイベントを中心に参戦する。この年の表彰台は第9戦トルコの3位、最終戦オーストラリアの2位の2度のみだったが、その他のラリーでも安定した成績を残し、昨年と同じで年間8位でシーズンを終えた。しかしシーズン終了後、セバスチャン・ローブのヒュンダイ加入が決定し、それに伴いパッドンはシートを失うこととなった。
スポット参戦[編集]
2019年は国内選手権、APRCに参戦しWRCでのシート獲得に向け奔走していた。そしてMスポーツ・フォードと契約を結び第9戦フィンランドへの出場が決まった。固定ナンバー制度導入によりヒュンダイ参戦時につけていた「20」を選択した。しかし7月29日に行われた事前テストで彼の乗るフォード・フィエスタWRCはクラッシュにより大破、ラリー本番までに修復が間に合わないためWRC復帰は幻となるはずだった。しかしその後も奔走を続け第12戦ラリーGBにWRC2プロから新型フォード・フィエスタR5で、最終戦ラリー・オーストラリアにフォード・フィエスタWRCで再び参戦が決定した。ラリーGBではトラブルに見舞われるもクラス4位に入った。しかし最終戦オーストラリアが開催地の森林火災の影響で開催中止となり、WRカー参戦は叶わずに終わった
2020年はワークスシートの獲得を断念し[5]、自ら設立したパッドン・ラリースポーツ・グループ(PRG)の自動車用電動モータードライブ部門で、小型SUVモデル「ヒュンダイ・コナ」をベースとしたEVラリーカーを引き続き開発とテスト走行すると同時に、8年ぶりにカレンダー復帰した地元ラリー・ニュージーランドのスポット参戦の意欲を高めていた[6]が、世間的な事情もありこの年のWRC参戦は幻となった。後に母国のナショナルカラーである黒をベースに、緑で縁取りされたオールブラックスカラーのヒュンダイ・i20クーペWRCで参戦する計画があったという[7]。
WRCでの優勝[編集]
# | 年 | 大会 | 開催国 | コ・ドライバー | 車 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2016 | YPF ラリー・アルヘンチーナ | アルゼンチン | ジョン・ケナード | ヒュンダイ・i20 WRC |
WRCでの年度別成績[編集]
年 | 所属チーム | ランキング | 獲得ポイント | 最高位・回数 | 表彰台回数 |
---|---|---|---|---|---|
2014年 | ヒュンダイ・モータースポーツN | 14位 | 19 | 6位・1回 | 0回 |
2015年 | ヒュンダイ・モータースポーツ ヒュンダイ・モータースポーツN |
9位 | 84 | 2位・1回 | 1回 |
2016年 | ヒュンダイ・モータースポーツ ヒュンダイ・モータースポーツN |
4位 | 138 | 優勝・1回 | 3回 |
2017年 | ヒュンダイ・モータースポーツ | 8位 | 74 | 2位・1回 | 2回 |
2018年 | ヒュンダイ・シェルモービスWRT | 8位 | 73 | 2位・1回 | 2回 |
2019年 | Mスポーツ・フォードWRT | NC | 0 | 無し | 0回 |
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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