国鉄タ2600形貨車 – Wikipedia

国鉄タ2600形貨車(こくてつタ2600がたかしゃ)は、かつて鉄道省、日本国有鉄道(国鉄)に在籍した私有貨車(タンク車)である。

本形式から改造されて別形式となったタム7400形についても、本記事で解説する。

1943年(昭和18年)10月8日にタ1600形より3両(タ1601 – タ1603→タ2600 – タ2602)の専用種別変更(二硫化炭素→カセイソーダ液)が行われ、形式名は新形式であるタ2600形と定められた。

その後、1948年(昭和23年)1月19日から同年8月30日にかけて総数20両(タ2603 – タ2622)が製造された。

本形式の他にカセイソーダ液を専用種別とする貨車はタム900形(130両)、タキ1400形(104両)、タキ2600形(523両)、タキ2800形(332両)、タキ4200形(252両)等実に29形式が存在した。

落成時の所有者は、曹達工業薬品配給、東洋レーヨン2社であリ、その常備駅は鹿児島本線の枝光駅、東海道本線の石山駅であった。

車体色は黒色、全長は6,100mm、軸距は3,900mm、実容積は8.3m3、自重は9.3t – 10.4t、換算両数は積車2.2、空車1.0であり、走り装置はシュー式または一段リンク式であり、その後は二段リンク式に改造された。

1977年(昭和52年)7月28日に最後まで在籍した5両(タ2614 ,タ2617 – タ2619,タ2622)が廃車となり、同時に形式消滅となった。

タム7400形[編集]

1959年(昭和34年)11月16日に1両(タ2603)の専用種別変更(カセイソーダ液→濃硫酸)が行われ、形式名は新形式であるタム7400形(タム7400)とされた。その後は1両(タ2604→タム7401)の追加改造工事が行われ、合計2両がタム7400形(タム7400 – タム7401)として運用された。

落成時の所有者は曹達商事であり、その常備駅は上越線の渋川駅であった。1966年(昭和41年)9月29日に常備駅は函館本線の豊沼駅へ移動した。貨物列車の最高速度引き上げが行われた1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正対応では全車(2両)が北海道内を常備駅としていたことから道内専用とされ、走り装置は改造されることなく運用された。この際識別のため記号に「ロ」が追加されて「タム」となり、黄色(黄1号)の帯を巻いている。さらに、北海道内専用を意味する「ロ」を丸で囲んだ通称マルロが使用され、タンク体には同色で「道外禁止」と標記された。

1974年(昭和49年)8月3日に最後まで在籍した1両(タム7400)が廃車となり、同時に形式消滅となった。

参考文献[編集]

  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目[編集]