皇帝にして国王陛下 – Wikipedia

皇帝にして国王陛下(英語: Imperial and Royal Majesty)は、皇帝及び国王を兼任している者に対する敬称である。

歴史上で皇帝が国王を兼任している場合に用いられ、主にハンガリー国王を兼任していたオーストリア皇帝や、プロイセン国王を兼任していたドイツ皇帝に対して使われていた。現在では皇帝に当たる君主が天皇しかおらず、国王を兼任していないため既に使われない敬称となっている。

歴史上の例[編集]

  • フランス皇帝ナポレオン1世は、1805年から1814年までフランス皇帝とイタリア王を兼ねていた。
  • ポルトガル・ブラジル及びアルガルヴェ連合王国国王ジョアン6世は、1825年から1826年まで法律上ブラジル皇帝を兼ねていた。
  • オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世は、オーストリア=ハンガリー帝国からハンガリー使徒王を兼ねていたため、例外的に「皇帝にして使徒王陛下」(Seine Kaiserliche und Königliche Apostolische Majestät)とされていた。同様に、皇后エリーザベトも「皇后にして使徒王妃陛下」(Ihre Kaiserliche und Königliche Apostolische Majestät)とされた。
  • イギリス女王ヴィクトリアは、1876年から1901年までインド女帝を兼ねていた。同様に、続くイギリス国王エドワード7世、ジョージ5世、エドワード8世、ジョージ6世までも「皇帝にして国王陛下」であった。
  • イタリア国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世は、1936年から1943年までエチオピア皇帝を兼ねていた。
  • イラン皇帝モハンマド・レザー・パフラヴィーは歴史上最後の「皇帝にして国王陛下」である。

関連項目[編集]

  • 同君連合
  • 王・皇帝