フリーダム (ニール・ヤングのアルバム) – Wikipedia

フリーダム』(Freedom)は、ニール・ヤングが1989年に発表した17作目のスタジオ・アルバム。

「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド」は2種類のヴァージョンが収録され、1979年のアルバム『ラスト・ネヴァー・スリープス』と同様、アルバムの冒頭とエンディングが、同じ曲のアコースティック・ヴァージョンとエレクトリック・ヴァージョンに挟まれる構成となった[7]。収録曲のうち「ドント・クライ」、「エルドラド」、「オン・ブロードウェイ」は、本作に先行して日本、オーストラリア、ニュージーランドで限定発売されたEP『エルドラド』にも収録されていた曲で[7]、「オン・ブロードウェイ」はドリフターズによる歌唱で知られる曲のカヴァーである[8]

「クライム・イン・ザ・シティ(60 TO 0パートI)」と「サムデイ」では、アルバム『ディス・ノーツ・フォー・ユー』に参加したホーン・セクションが引き続き起用された[8]。「ハンギン・オン・ア・リム」と「ザ・ウェイ・オブ・ラヴ」では、リンダ・ロンシュタットがデュエット・パートナーに起用されており[8]、前者はヤングとロンシュタットの2人だけで録音された[9]

反響・評価[編集]

アメリカのBillboard 200では35位に達し、ヤングにとって『トランス』(1983年)以来の全米トップ40アルバムとなった[5]。イギリスでは5週全英アルバムチャート入りして最高17位となり、『ラスト・ネヴァー・スリープス』(1979年)以来の全英トップ20入りを果たした[1]

William Ruhlmannはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「10年にわたって批評家やファンを混乱させた後、評価の面でも商業的な面でも大きな返り咲きを果たした」「ニール・ヤングのファンは、彼が『フリーダム』に匹敵する作品を作れるアーティストであることを知っている一方、今後二度と同等の作品を作れないのではないかと恐れていた」と評している[8]。また、David Frickeは1989年11月2日付の『ローリング・ストーン』誌のレビューで満点の5点を付け、『ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース』(1969年)、『ラスト・ネヴァー・スリープス』(1979年)といったアルバムを引き合いに出して「『フリーダム』は、ニール・ヤングが次の10年間を、再び怒りと恐怖にまかせて振り返ったサウンドである」と評している[7]

特記なき楽曲はニール・ヤング作。

  1. ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド – “Rockin’ in the Free World (Live acoustic)” – 3:40
  2. クライム・イン・ザ・シティ(60 TO 0パートI) – “Crime in the City (Sixty to Zero Part I)” – 8:44
  3. ドント・クライ – “Don’t Cry” – 4:15
  4. ハンギン・オン・ア・リム – “Hangin’ on a Limb” – 4:19
  5. エルドラド – “Eldorado” – 6:05
  6. ザ・ウェイ・オブ・ラヴ – “The Ways of Love” – 4:29
  7. サムデイ – “Someday” – 5:42
  8. オン・ブロードウェイ – “On Broadway” (Barry Mann, Cynthia Weil, Jerry Leiber, Mike Stoller) – 4:59
  9. レッキング・ボール – “Wrecking Ball” – 5:09
  10. ノー・モア – “No More” – 6:06
  11. 遠すぎた道 – “Too Far Gone” – 2:48
  12. ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド – “Rockin’ in the Free World (Electric)” – 4:43

参加ミュージシャン[編集]

脚注・出典[編集]