魚沼コシヒカリ – Wikipedia
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魚沼コシヒカリ(うおぬまコシヒカリ)は、新潟県魚沼地域(5市2町)で収穫される、コシヒカリBL(9割以上)およびコシヒカリ(1割以下)の米の産地ブランド。魚沼産コシヒカリ(うおぬまさんコシヒカリ)として販売しているケースもある。
テロワール(環境条件)がコシヒカリBLおよびコシヒカリの最適生育条件に近く、また、生産農家の栽培技術向上により、日本穀物検定協会の米食味ランキングでは1989年(平成元年)より、2004年(平成16年)までコシヒカリで、2005年(平成17年)以降はコシヒカリIL(コシヒカリBLの4品種混合栽培)で2016年(平成28年)までの28年連続「特A」認定と国内最高評価を受けていた[1]。1993年(平成5年)に発生した平成の米騒動でも、「特A」認定を受けた国内唯一の産地でもある。
栽培地域[編集]
日本 新潟県 (魚沼地域 5市2町)
おおむね旧魚沼郡(のちの北魚沼、南魚沼、中魚沼3郡)にあたる地域。小千谷市はもと北魚沼郡、十日町市はもと中魚沼郡であることによる。
市町村の変遷があるため、旧魚沼郡の区域がそのまま該当しているわけではなく、かつて三島郡(小千谷市片貝地区)、旧古志郡(小千谷市東山地区)、旧東頸城郡(十日町市松代地域、松之山地域)に属していた区域も産地に含まれている。平成の大合併で誕生した魚沼市は旧北魚沼郡の川口町を除く地域によって構成される市であり、その区域は元来「魚沼」と呼ばれてきた地域の一部(北魚沼)である。したがって、魚沼コシヒカリは魚沼「市」で収穫されたものとの理解は誤りである。
面積・収穫量[編集]
- 2011年(平成23年)の魚沼地域の水稲収穫量は、作付面積15,757 ha 収穫量81,526 tであり、全国収穫量 (8,397,000 t)の約1%になる[2]。
- 小千谷市 (作付面積 2,100 ha、収穫量 11,400 t)・ (耕作面積 2,830 ha、本地 2,610 ha)
- 長岡市(川口) (作付面積 383 ha、収穫量 2,050 t)・ (耕作面積 512 ha、本地 469 ha)[3]
- 魚沼市 (作付面積 2,650 ha、収穫量 13,700 t)・ (耕作面積 3,300 ha、本地 3,060 ha)
- 南魚沼市 (作付面積 4,830 ha、収穫量 24,900 t)・ (耕作面積 6,040 ha、本地 5,630 ha)
- 湯沢町 (作付面積 174 ha、収穫量 786 t)・ (耕作面積 241ha、本地 217 ha)
- 十日町市 (作付面積 4,200 ha、収穫量 21,000 t)・ (耕作面積 6,230 ha、本地 4,940 ha)
- 津南町 (作付面積 1,420 ha、収穫量 7,690 t)・ (耕作面積 1,910 ha、本地 1,650 ha)
- 減反合計 2,819 ha (本地-作付面積)
- けい畦合計 2,487 ha (耕作面積-本地)棚田が多いため。
- 魚沼地域の水田面積 (耕作面積 21,063 ha、本地 18,576 ha)
魚沼と隣接地域との比較[編集]
出典[4][5]
市町村名 | 作付面積(ha) | 収穫量(t) | 農家数(戸) |
---|---|---|---|
みなかみ町 | 414 | 2,240 | 868 |
川場村 | 160 | 898 | 277 |
沼田市 | 556 | 3,130 | 1,293 |
利根沼田 計 | 1,130 ha | 6,268 t | 2,438 戸 |
中之条町 | 258 | 1,370 | 513 |
長野原町 | 20 | 103 | 41 |
嬬恋村 | 50 | 253 | 164 |
高山村 | 116 | 614 | 233 |
東吾妻町 | 264 | 1,400 | 616 |
吾妻郡 計 | 708 ha | 3,740 t | 1,567 戸 |
木島平村 | 417 | 2,340 | 743 |
飯山市 | 1,360 | 7,790 | 2,630 |
野沢温泉村 | 153 | 849 | 428 |
栄村 | 228 | 1,160 | 494 |
飯山地域 計 | 2,158 ha | 12,139 t | 4,295 戸 |
小千谷市 | 2,100 | 11,400 | 1,659 |
十日町市 | 4,200 | 21,000 | 3,993 |
魚沼市 | 2,650 | 13,700 | 2,567 |
南魚沼市 | 4,830 | 24,900 | 4,240 |
湯沢町 | 174 | 786 | 197 |
津南町 | 1,420 | 7,690 | 1,212 |
魚沼地域 計 | 15,400 ha | 79,600 t | 14,238 戸 |
合 計 | 19,396 ha | 101,747 t | 22,538 戸 |
産出額[編集]
- 2009年では、魚沼地域 (29,990百万円)、新潟県 (190,300百万円)[3]。
- 小千谷市 (4,430百万円)
- 長岡市(川口) (700百万円)
- 魚沼市 (4,970百万円)
- 南魚沼市 (9,040百万円)
- 湯沢町 (290百万円)
- 十日町市 (7,810百万円)
- 津南町 (2,750百万円)
販売農家数、専業農家数[編集]
- 2012年では、魚沼地域 (14,238戸、専業農家数 2,206戸)、新潟県 (66,601戸、専業農家数11,602戸)[6]
- 小千谷市 (1,659戸、専業農家数 238戸)
- 長岡市(川口) (370戸、専業農家数36戸)[7]
- 魚沼市 (2,567戸、専業農家数 456戸)
- 南魚沼市 (4,240戸、専業農家数 458戸)
- 湯沢町 (197戸、専業農家数 30戸)
- 十日町市 (3,993戸、専業農家数 746戸)
- 津南町 (1,212戸、専業農家数 242戸)
魚沼コシヒカリの仮渡金価格は、2008年頃では、新潟県産の一般コシヒカリに比べて1俵(60 kg)あたり5000 – 6000円程度高い値が付いている[8]。
環境条件[編集]
気候[編集]
越後平野は、対馬海流の影響で冷害がなく日本海側気候のため、夏季に晴天日が多く日照時間が長いため登熟は良いがフェーン現象が出穂期にあると、登熟障害になる。魚沼は、盆地のため気温の日較差が大きくイネの消耗が少ないため澱粉の蓄積条件が良く大粒の良質米ができる。登熟期間の平均気温はコシヒカリの最適登熟気温(24°C)に近い地域のため、食味に関係する澱粉のアミロース含有率が低くなり粘りが増す。最近は猛暑と温暖化の影響で標高300 m – 400 m地域(南魚沼市上田地区南部・湯沢町・津南町)の品質向上が注目されている。2019年は出穂期にフェーン現象による高温で登熟障害が広範囲に発生し、過去最低まで1等米比率が低下したと報道された[28]。
水量・水質[編集]
土壌[編集]
栽培条件[編集]
- コシヒカリの弱点である、耐倒伏性・いもち病抵抗性に対応した栽培技術では耐倒伏性の欠点は、多肥栽培でなく肥料を抑制するため食味向上になり、いもち病対策としては「コシヒカリBL」に更新して抵抗性があるため、低農薬栽培になっている[29]。
- 魚沼地域の栽培区分(難易度別)
品質条件[編集]
- 目標収量・構成要素
- 収量(510 kg/10a)、穂数(360本/m2)、総籾数 (26,000粒/m2)、登熟歩合(90%)、千粒重(22.0 g)
- 記帳
- 生産履歴(栽培管理状況、肥料の商品名・施肥量、農薬の商品名・散布量)
- 新施肥体系:有機物由来の窒素成分30%(魚沼ロマン有機30)
- 新病虫害防除・除草剤体系:化学合成農薬30%減化(13成分回数)
- 生産履歴(栽培管理状況、肥料の商品名・施肥量、農薬の商品名・散布量)
- 種子
- 新潟県種子協会から供給され、100%種子更新したコシヒカリBL(指定採種ほ産種子)
- 温湯消毒(60°C10分間)平成19年度よりJA十日町、平成22年度より、JAしおざわで実施。
- 整粒歩合
- 85%以上(ライスグレーダーの網目を1.90mm)
- 検査格付
- 登録検査機関で受検(2等以上)
- 米食味値・たんぱく質(%)
- 蛋白質含有率5.5% – 6.0%以下(水分15%時)
区分 | 蛋白含有率 | 整粒歩合 |
---|---|---|
SSランク | 4.8 – 5.3% | 79%以上 |
SAランク | 5.4 – 5.5% | 76~78% |
S・A・Bランク | 5.6 – 6.0% | 70~75% |
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。
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