ホンモンジスゲ類 – Wikipedia
ホンモンジスゲ類 Carex pisiformis-complex はスゲ属の植物の1群。根出葉を多数出し、細い穂を出すもので、非常に変異に富み、分類には多くの異説がある。 スゲ属は分類や同定が難しいことで知られるが、この群は特に難しいものである。日本から東アジアに広く分布し、基本的な特徴は共通ながら、細部で異なるものが多数存在する。地域による変異もあり、それぞれ各地域で珍しいものではなく、また複数のものが同一地域に見られることも多い。その分類は諸説あり、ほとんど全部を1種にまとめるものから多くを独立の種とする扱いまである。ホンモンジスゲはその代表的な種である。ゴンゲンスゲの名を取ることも多いが、この名は現在では標準和名とされていない。 共通の特徴[編集] この群は分類上はスゲ属内でシバスゲ節[1] Sect. Praecces 、あるいはヌカスゲ節 Sect. Mitratae [2]などに含まれ、いずれも名は違うがアオスゲやカンスゲなど、よく知られた種を含む大きい群であり、本群以外の種も多く含まれる。その共通する特徴は以下のようなものである[3]。 頂小穂は雄性、側小穂は雌性、つまり花茎の先端に雄小穂が1つだけあり、それより下には雌性の小穂が複数付く。また小穂の基部にある苞は鞘がある。果胞は小柄。柱頭は3つに分かれ、痩果の先端、花柱の基部は広がって円盤状、円柱状、嘴状になっている。 その中で本群の特徴は以下の通りである[4]。 多年生の草本で、多少とも束になって生じる。夏緑性か、または半常緑性[5]。株の基部には葉身のない鞘があり、後に多少繊維質に分解する。葉は細くて長く、幅0.5-4mm。花茎は細く、葉より高く伸び上がり、その中程度の位置より上に小穂を付ける。小穂は互いに離れて生じる。先端の雄小穂は棍棒状、雌性の側小穂は細長い円柱状で、ややまばらに多数の花をつける。果胞は楕円状卵形で数本の脈があり、先端は嘴状に突き出し、その先は2歯がある。 生育環境[編集] 丘陵地や森林内に生える[6]。つまり湿地性ではない。湿地近くに出現するものもあるが、特にそのような環境に限られたものではなく、中には道路脇に出るものもある。 下位分類の特徴[編集] 上記のようにかなり共通の特徴でしっかり絞られているようではあるが、実際にはその内部での差違はかなり大きい。以下のような特徴の違いが見られる[7]。
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