北鉄加賀バス – Wikipedia

北鉄加賀バス株式会社(ほくてつかがバス)は、石川県小松市に本社を置くバス事業者。北陸鉄道のバスグループの1社である。路線バスと観光バスを運営している。小松バスと加賀温泉バスが2021年7月1日に合併して発足した。

1977年まで鉄道事業を行っていた尾小屋鉄道を前身とし、廃止後の1977年6月に社名を小松バス株式会社(こまつバス)に変更。以前は小松駅に隣接した場所に本社があったが、1996年頃の北陸鉄道本体からの路線移管による業務拡大に伴い、小松インターチェンジや小松空港に近い現在地に移転した。かつては第二種旅行業登録を受け、バスツアー「エクセルツアー」を企画・催行しているほか旅行代理店事業も行っていた。また、レンタカー事業(ニッポンレンタカーのフランチャイジー)も展開していたが事業から撤退した。

一方、加賀温泉バスは1993年(平成5年)12月9日に会社設立され [2] 、1994年(平成6年)3月31日 に親会社の北陸鉄道より加賀江沼地区の7路線、車両11台を譲り受けて事業開始したのが前身となる。路線バスを譲り受け、加賀市内において事業を展開していた。

2021年(令和3年)7月1日に、小松バスと加賀温泉バスが合併し社名を北鉄加賀バスに変更[1][6]、本社を旧小松バス本社所在地に置いた[1]。また、同社を含む北陸鉄道グループの貸切営業・旅行事業は北鉄金沢バスへ移管・集約された[4][5]。なお、加賀温泉バスが存続法人となっているが[4][5]、本社所在地・新会社社長は小松バスが継承している。

小松バス(前身の尾小屋鉄道については、会社組織とバス事業についてのみ記載する)

  • 1919年(大正8年)6月22日 – 尾小屋鉄道株式会社設立。
  • 1950年(昭和25年)12月20日 – 一般乗合旅客自動車運送事業の免許を取得。
  • 1951年(昭和26年)7月26日 – 小松駅前 – 岩上間および小松駅前 – 上麦口間で路線バス事業を開始。
  • 1977年(昭和52年)
    • 3月20日 – 鉄道廃止、バス専業となる。
    • 6月 – 社名を尾小屋鉄道株式会社から小松バス株式会社に変更。
  • 2013年(平成25年)3月30日 – 電気バスを導入[12]

加賀温泉バス

  • 1993年(平成5年)12月9日 – 会社設立 [2]
  • 1994年(平成6年)3月31日 – 北陸鉄道より加賀江沼地区の7路線、車両11台を譲り受けて事業開始[13]
  • 1997年(平成9年)4月 – 本社を加賀温泉駅前(加賀市小菅波町)[14] に移転。
  • 2017年(平成29年)5月 – 加賀温泉駅の北陸新幹線建設工事に伴い、本社を現在の加賀市加茂町へ移転。

北鉄加賀バス

現在の事業所[編集]

本社・小松営業所[15]
  • 石川県小松市鶴ヶ島町8番地1
加賀営業所[15]
  • 石川県加賀市加茂町335番地(旧加賀温泉バス本社所在地)
山中温泉バスターミナル
  • 石川県加賀市山中温泉本町1丁目ト31-1

過去の事業所[編集]

小松バス本社
  • 石川県小松市鶴ヶ島町8番地1
小松バス小松駅前営業所・旅行センター
  • 石川県小松市日の出町1丁目145番地(乗車券・定期券販売、旅行業務)

現在の運行路線[編集]

2021年6月30日までに発売された旧:小松バス発行の回数券・定期券等については、合併後以降は北鉄加賀バスでのみ利用可能(一部券種は小松エリアでのみ利用可能)となる[16]。また、合併日となる2021年7月1日以降、「北鉄シルバー定期券(満70歳以上の高齢者向けに販売しているフリー定期券)」は小松営業所路線(旧:小松バスの路線)でも利用可能になった[17]

なお、北鉄加賀バスでは合併後以降もICa(小松駅発着では北鉄白山バス運行の佐野線のみ対応)は利用できない。

小松営業所担当路線[編集]

現在の運行路線の詳細は、北陸鉄道公式サイトの北鉄加賀バス路線図 小松エリア (PDF) を参照。

空港連絡線[編集]

空港線で使用される「宇宙バスこまち☆」

小松駅西口にある旧小松バスの乗り場

2013年3月30日に電気バスを導入。中部地方のバス事業者で初めて導入された。愛称は「宇宙バスこまち☆」[18] で、サイエンスヒルズこまつあるいは小松駅と小松空港を結んでいる。車両は日野・ポンチョをベースとした電気バスで、東京都羽村市、東京都墨田区で運行されているものと同形式となっている[19][20]

  • 宇宙バスこまち☆(全バス停記載):サイエンスヒルズこまつ(休館日は発着なし) – 小松駅 – (この間は停車なし) – 小松空港 – 航空プラザ – 草野町 – 安宅住吉神社
  • 一般路線:ホテルビナリオKOMATSUセントレ前(小松空港発の一部のみ乗り入れ) – 小松駅 – 城南町 – 小松空港

一般路線[編集]

小松バス時代の塗装、一般路線で使用される。

太字は、バス停以外で乗降できるフリー区間の起終点を表す。

  • 粟津A線[21]:小松駅 – 小松市民病院 – 粟津駅前 – 粟津小学校前 – 粟津温泉 – 那谷寺
  • 国府線:小松駅 – 南加賀福祉保健センター前 – 河田 – 国府台
  • 小杉線:小松駅 – 南加賀福祉保健センター前 – 小杉 – 大長野 – 寺井庁舎前 – 寺井史跡公園
  • 寺井線:小松駅 – 長田 – 寺井史跡公園
  • 大杉線:小松駅 – 小松工業高校前 – 北吉竹 – 瀬領 – 赤瀬温泉 – 大杉上町
  • 尾小屋線:小松駅 – 市立高校前/八幡温泉 – やわたメディカルセンター – 金平 – 尾小屋(尾小屋鉄道代替バス)
  • ハニベ線:小松駅 – 市立高校前 – 佐々木 – 西軽海 – 軽海ハニベ前(北陸鉄道小松線代替バス)[23]
  • 麦口線:小松駅 – 糸町 – 軽海 – 原 – 別宮
  • 安宅線:小松駅 – 浮柳 – 安宅 – 安宅漁港/長崎
  • 月津線:小松駅 – 今江 – – 月津 – 矢田
  • 佐美線:小松駅 – 今江 – 佐美

加賀営業所担当路線[編集]

現在の運行路線の詳細は、北陸鉄道公式サイトの北鉄加賀バス路線図 加賀エリア (PDF) を参照。

一般路線[編集]

温泉山中線
加賀温泉駅 – 山代温泉東口 – 山中温泉 – こおろぎ橋 – (ゆーゆー館前) – 栢野
加賀温泉駅 – 山代温泉東口 – 山中温泉

  • 加賀温泉駅と山中温泉とを結ぶ。一部便は栢野まで運行。途中のゆーゆー館前へは 栢野へ向かう一部の便が経由する。
吉崎線
加賀温泉駅 – イオン加賀の里店前 – 河崎上神社前 – 大聖寺駅前 – かが交流プラザさくら – 吉崎 – 塩屋
加賀温泉駅 – イオン加賀の里店前 – 保賀西 – 大聖寺駅前 – かが交流プラザさくら – 吉崎 – 塩屋

  • 吉崎線は従来、山中温泉 – 大聖寺駅 – 塩屋の系統だったが通しで運行するバスは存在せず、大聖寺駅前(一部の便は加賀市民病院[24]、大聖寺実業高校前)から山中温泉、山代温泉東口、塩屋へ向かう便があった。
  • 2015年3月のダイヤ改正で系統分割を行い、塩屋へ向かう便を大聖寺から加賀温泉駅まで延長。
  • 2018年4月のダイヤ改正で「保賀西」バス停を新設し、河崎上神社前経由と保賀西経由の2系統に分割した。[25]
  • 旧吉崎線の運転系統
    • 山中温泉 – 大聖寺駅前
    • 大聖寺駅前・加賀市民病院・大聖寺実業高校前 – 山中温泉・山代温泉東口・塩屋
山代大聖寺線
山中温泉 – 山代温泉東口 – 大聖寺駅前 – 大聖寺実業高校前 / かが交流プラザさくら

  • 2015年3月のダイヤ改正により、従来の吉崎線のうち、山中温泉発着の系統を分割。
温泉片山津線
加賀温泉駅 → 冨塚 → 片山津温泉 → 石川病院 → 潮津 → 湖城団地 → 冨塚 → 加賀温泉駅【循環系統】

  • 2010年11月14日より加賀市による実証運行を受託し運行している。いつまで運行されるかは明記されていない[26]
  • 2015年3月のダイヤ改正で、石川病院まで路線延長。
  • 2018年4月のダイヤ改正で「湯の谷橋」バス停を新設。[25]
温泉大聖寺線
加賀温泉駅 – 中央公園口 – 大聖寺駅前 – かが交流プラザさくら

  • 2015年3月のダイヤ改正で新設。
  • 2019年4月のダイヤ改正で1日14便(7往復)から1日10便(5往復)に減便。[27][28]

特急・急行[編集]

加賀ゆのさと特急(温泉特急線)[21]
兼六園下・金沢城 – 広坂・21世紀美術館 – 香林坊 – 武蔵ヶ辻・近江町市場 – 金沢駅西口 – 片山津5区 – 片山津温泉 – 山代温泉東口 – 山代温泉 – 山代温泉西口 – 山中温泉 – 菊の湯前

  • 先着順の座席定員制。「特急」の名前がついているものの、鉄道などにみられる特別急行券の概念がなく、特別急行料金は発生しない。ただし、運賃のほかに座席料として30円が別途必要。金沢市内区間内での乗降利用はできないが、加賀市内区間内での乗降利用は可能である。金沢市内まで乗り入れているものの、ICaは利用することはできない。
  • 2016年4月のダイヤ改正で海側ルート(現行)と山側ルート(金沢駅東口 – 武蔵ヶ辻・近江町市場 – 兼六園下・金沢城 – 香林坊 – 片町 – 辰口温泉口 – 八幡温泉口 – 粟津温泉 – 那谷寺 – 山代温泉東口 – 山中温泉 – 菊の湯前)1往復ずつの運行から、海側ルート2往復に変更された。

過去の運行路線[編集]

市内循環線[編集]

市内循環線で使用される「オレンジこまち」

2010年10月1日からは、新しく青色とオレンジ色の2色のボディーカラーを採用した日野・ポンチョ2台をコミュニティバス「こまち」として運用している[30]。バスにはボディーカラーからそれぞれ「ブルーこまち」と「オレンジこまち」という愛称が付けられている。2020年4月1日から日本海観光バスに移管した。

一般路線[編集]

  • 木場潟線(スマイルこまち木場潟号):小松駅 – 本江西 – 蓮台寺町 – 道の駅こまつ木場潟 – やわたメディカルセンター – 千松閣 – 三谷町 – 津波倉 – 粟津駅前(2020年4月1日から日本海観光バスに移管)
  • 粟津B線:小松駅 – 大領 – 粟津駅前 – 南部中学校前 – 粟津温泉
  • 新道寺井線:小松駅 – 平面 – 小長野 – 寺井庁舎前
  • 粟津温泉観光周遊BUS:北陸鉄道の城下まち金沢周遊で使用されたボンネットバス(三菱ふそう・ローザの改造車)を、2017年7月21日から粟津温泉の周遊バスで使用していたが、2019年3月の運行で終了した[31]

小松バスから継承した車両は、一般路線車、貸切車ともに三菱ふそうおよび日野自動車[注釈 1] の2社体制になっていた。自社発注車両も多いが、移籍車[注釈 2] もある。カラーリングは白色をベースに赤色のラインの入った名鉄カラーに近いデザインだったが、2001年から銀色をベースに赤色のラインを用いたデザインを採用していた。また、新しいデザインからはアルファベットの「K」を形取ったロゴマークを車両に使用。

一方、加賀温泉バスから継承した車両については、三菱ふそうトラック・バス、日野自動車、旧日産ディーゼルの3社体制となっていた。車両数の変遷は以下のとおりとなっているが、保有台数は北陸鉄道のバスグループの中では最小となっている[32]

2015年時点
  • 旧小松バス:20台
  • 旧加賀温泉バス:11台
2021年7月時点
  • 全車両数:52台(小松営業所34台・加賀営業所18台)
    • 旧日産ディーゼル製 – 加賀営業所:4台(路線車のみ)
    • 日野自動車製 – 小松営業所:25台(路線車17台・貸切車8台)、加賀営業所:12台(路線車6台・高速車1台・貸切車5台)
    • 三菱ふそうトラック・バス製 – 小松営業所:9台(路線車1台・貸切車8台)、加賀営業所:2台(路線車1台・高速車1台)

なお、今後の車両デザインについて、小松バスカラーに塗られた観光貸切車両(旧北陸交通を含む)に対しては、2021年中に北陸鉄道観光貸切カラーへ塗り替えの上、統一される予定である[35]

注釈[編集]

  1. ^ 日野・レインボーII(いすゞ・エルガミオ)も含む。
  2. ^ 北陸鉄道・名鉄バス・岐阜乗合自動車など。

出典[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]