モーリー・ウィルス – Wikipedia
モーリス・モーニング・ウィルス(Maurice Morning Wills, 1932年10月2日 – )は、アメリカメジャーリーグの元プロ野球選手。ワシントンD.C.出身。右投両打。ポジションは遊撃手、三塁手。 来歴・人物[編集] 1960年代、3度のリーグ優勝、2度のワールドシリーズ制覇を成し遂げたロサンゼルス・ドジャースで、チームの攻守の要として活躍した。 高校卒業後、1951年に当時ニューヨークのブルックリンに本拠地を置いていたドジャースに入団したが、当時のドジャースには後にアメリカ野球殿堂入りを果たす名遊撃手ピー・ウィー・リース(1958年引退)がいたこともあり、なかなか大リーグ昇格のチャンスもなかった。1956年オフにシンシナティ・レッズ傘下マイナー球団に移籍し、さらにデトロイト・タイガースの傘下マイナー球団にも移籍したが、そこでも大リーグ昇格はできず、1959年開幕前に、ロサンゼルスに移転していたドジャースに復帰し、同年6月に26歳8ヵ月と遅咲きの大リーグデビューを果たした。同年のシカゴ・ホワイトソックスとのワールドシリーズにも全6試合に出場し、ルーキーイヤーからチャンピオン・リングを獲得した。 翌1960年にはレギュラーに定着。この年50盗塁を記録してナショナルリーグ盗塁王に輝くと、1965年まで6年連続で盗塁王に輝く。 ナショナルリーグの選手でシーズン50盗塁を記録したのは1923年のマックス・キャリー(51盗塁)以来37シーズンぶりであった。 特筆すべきは1962年で、この年にはMLB歴代最多の165試合(後述)に出場し、MLB史上初の100盗塁となるシーズン104盗塁を記録した。盗塁失敗はわずか13回(ただしこれでもナ・リーグ最多)で、盗塁成功率は89%に及んだ。三塁打10もナ・リーグ最多で、打率も.299を記録し、この年のナ・リーグ最優秀選手に選出された。引退後1974年にルー・ブロックに更新されるまでMLB記録であった。現在でもスイッチヒッターの最多記録である。また、この1962年にはMLBオールスターゲームのMVPにも輝いた。俊足を生かして守備にも優れ、1961年と1962年にはゴールドグラブ賞を受賞。オールスターゲームには通算5回選出された。 1966年には39盗塁に終わり、連続盗塁王は6年でストップ。そして盗塁失敗は24に及び、この年限りでピッツバーグ・パイレーツに移籍した。パイレーツ移籍後も1967年は打率.302、29盗塁、1968年は52盗塁と活躍したが、1969年には拡張ドラフト新球団モントリオール・エクスポズに移籍。同年シーズン途中にドジャースに移籍し、1972年に40歳で引退するまで在籍した。現役引退時のオフには日本の南海ホークスの野村克也選手兼任監督とドン・ブレイザーヘッドコーチが、選手兼任コーチとして獲得を目指し、本人も入団に傾いていたが、当時球団社長だった新山滋が年齢面で選手兼任に難色を示し、コーチ専任での入団を主張したことから実現しなかった[1]。1980年にシアトル・マリナーズで監督を務めたが、成績が振るわず、翌年のシーズン途中で解任された。その後、阪急ブレーブスでキャンプでの臨時コーチに招かれたことがあった(1978年から)(実は、阪急で正式にコーチになる予定もあったが実現しなかった。)。 息子のバンプ・ウィルスもテキサス・レンジャーズなどで6年間に渡りメジャーで活躍、通算196盗塁を記録。1983年・1984年には父が臨時コーチを務めた縁で、日本の阪急ブレーブスでプレイしている。 シーズン165試合出場[編集] 1961年、1962年の球団数拡張以降、MLBの年間試合数は、引き分け再試合があった場合を除き、162試合と定められた。また1969年に地区制が導入される以前は、公式戦で2チームが同率1位の場合、ナショナルリーグは最大3試合(2戦先勝制)、アメリカンリーグは1試合の優勝決定戦を設ける規定となっており、この優勝決定戦の記録は、そのシーズンの個人成績にも反映された。1962年、ナショナルリーグのサンフランシスコ・ジャイアンツとドジャースは162試合終了時点で、同率1位となっており、3試合の優勝決定戦が開催されることとなった。両チームの中で、優勝決定戦の3試合を含め、唯一全試合出場を果たしたのがウィルスであった。結局、ジャイアンツとの優勝決定戦には破れたものの、この年、ウィルスはタイ・カッブのもつシーズン96盗塁を更新し、104盗塁を記録。史上初めて3桁の盗塁を達成し、同年のリーグMVPに選ばれた。 選手としての特徴[編集] 盗塁のスタートの仕方はクロス・オーバー・ステップという技術であったことが知られている[2]。 詳細情報[編集] 年度別打撃成績[編集]
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